製紙会社が環境保護の方向へ向かっている。
皆様が使っている段ボールパッケージ。それは、環境に優しい段ボールでしょうか。こういった質問と関係してくるのが今回のテーマ。以下、7月11日の日経新聞の記事をまとめ、考察します。
製紙各社、森林認証制度の取得を加速へ
上記日経新聞によると、製紙各社が森林認証制度の取得を加速しているとのこと。
「森林認証制度」の取得を加速
森林認証制度とは
上記日経新聞に定義がのっているので、引用します。森林認証制度とは、
自然保護の点で森林が適切に管理されているかを評価・認証する制度。認証森林から産出された木材に特化して製品をつくる工場も認証する。認証製品には専用のラベルを付けて、違法に伐採された木材を使っていないことを証明するのに役立ち、企業が資材を調達するガイドラインに活用する例もある。国際機関が認証活動を行っており、ドイツに本部を置く「FSC」やスイスの「PEFC」などがある。
要は、簡単に言ってしまえば、例えばFSCのマークなんかが製品についてると、それは環境に優しく、環境に配慮したものだ、と考えてもらえばわかりやすいでしょう。
ちなみにFSCってのはもう世界的に有名な機関で、本部はドイツのボンにあります。私が前住んでたところから車で2時間ぐらいのところですね。
ドイツってのは、こういう環境とかの話題にはけっこう積極的です。分野によって日本よりよっぽど進んでる分野も多くあります。
王子製紙と大王製紙の例
上記日経新聞によると、王子HD傘下の、王子マテリアは、9月に11工場で一斉にFSCを取得するとあります。一方、大王製紙は、大王パッケージなどの6工場で新たにFSC認証を取得とのこと。
段ボールの原紙をつくる王子マテリア(東京・中央)は9月、11工場で一斉に国際的な認証制度「FSC」を取得
大王製紙は段ボール製造会社、大王パッケージ(東京・千代田)などの6工場で新たにFSC認証を得る
製紙会社が動き始めました。大変いいことでしょう。では、なぜ今、この動きなのでしょうか。それが以下。
一番の理由は、東京五輪を控え、グリーン調達を推し進めているから
上記日経新聞によると、東京五輪に向け、消費財メーカーがグリーン調達を推し進めているから、製紙各社も急いでいるとのこと。五輪では、環境配慮が重視され、例えばリオ五輪では建築用木材において、FSC認証品などが促されているとのこと。で、東京五輪でも同様の方針になるだろうとのこと。
消費財メーカーなどが環境配慮型製品を調達する「グリーン調達」を進めているためだ
五輪では環境配慮が重視
今夏のリオデジャネイロ五輪では建築用木材をFSCなどの認証材の使用を促す調達方針が決められた
東京五輪でも組織委員会が同様の方針を策定中で、環境配慮型調達が一段と広がりそう
グリーン調達とは何か、デンソーの例
さて、ここが今回の一番ミソ。グリーン調達。この動き、かなり広まってます。
例えばですね。デンソーさんなんかはグリーン調達ガイドラインも作ってますから、今回は例として、デンソーさんをあげます。私も数名知り合いが働いていますが、元気にしてますかね。
デンソーによると、グリーン調達というのは、
環境に配慮した仕入先から、環境負荷の少ない部品、材料を購入する
まぁまさにこの言葉が全て集約しているんですが、要は、デンソーさんは、グリーン調達を推し進めており、環境のことをちゃんと考えている仕入れ先から、環境のことを考えた部品や材料を買いたい、とはっきり言ってるわけです。こういう会社ってけっこう多いんですよ。大手もこうやって環境のこと考えて努力している会社は多いわけです。いいことだと思います。
ちなみにデンソーさんの場合は、グリーン調達ガイドラインなるものがあるので、これを参考資料として貼っておきます。
デンソーのグリーン調達ガイドライン(PDF)2016年6月1日改定
製紙会社は森林認証制度を早くとんないと、ライバル会社にシェアを取られてしまう
話を元に戻して、今回の話をまとめると、要は、
五輪では環境配慮が重要
↓
消費財メーカーなどがグリーン調達を推し進めている
↓
当然製紙各社も例えばFSCなど取得しないと、ライバル会社にシェア取られてしまう
↓
五輪とか関係なしに、FSCなど取得しておけば、海外でもビジネスしやすい
まぁこんなロジックですね。というわけで、製紙各社もこの動きが加速していて環境に優しく、よいことです。