富士フィルムの次のターゲット。
さて、ちょっとびっくりなニュースが2つ。
- 武田が和光純薬工業の売却の検討
- 富士フィルムが和光純薬工業の買収提案
この2つのニュースが同時にきよりました。以下、Bloombergの記事と日経新聞の記事を中心にまとめ、考察します。
武田が和光純薬工業の売却を検討
21日のBloombergによると、武田が化学子会社である、和光純薬工業の過半数株式の売却を模索しているとのこと。理由として、非中核事業を売却して、現金を調達したいからとのこと。関係者によれば、武田は野村を助言役に起用、和光の売却を協議中とのこと。もし売却すれば、10億ドル(約1061億円)余りを調達とのこと。企業やプライベート・エクイティが関心を持つ可能性を指摘しています。現在武田は和光の約72%の株式を保有しているとのこと。
武田薬品工業は傘下の化学会社、和光純薬工業の過半数株式の売却を模索
武田は非中核事業を売却して現金を調達したい
武田は野村ホールディングスを助言役に起用
和光の売却を協議
売却すれば10億ドル(約1061億円)余りを調達
企業やプライベート・エクイティ(PE、未公開株)投資会社などが関心
可能性があるという。武田は和光の約72%を保有
和光純薬工業はもともと武田と一心同体の会社
いやー。和光純薬工業を売るんですか。びっくりですよ。というのも、この和光純薬工業ってもともと武田と一心同体だった会社ですよ。だからロゴもそっくりでしょう。そういう歴史観も踏まえ、まさか和光純薬工業が売却予定とは思いもよりませんでした。
和光純薬工業は非上場だが規模がでかい
和光は非上場会社ですけど、かなりでかいですよ。売り上げは和光純薬公式ページによると、2015年度は757億円超です。まぁ試薬のトップランナーなんで、知っている方も多いでしょう。従業員数は1534人になってます。なお、日経新聞では、創薬研究用試薬の国内首位という会社の紹介の仕方をしています。
買収に関心を持っているのは富士フィルム
日経新聞の記事によると、富士フィルムが和光純薬工業の買収提案をしたとのこと。武田が入札を8月にも実施とのこと。買収額は最大で1千億円規模とのこと。
富士フイルムホールディングスは武田薬品工業に子会社の買収を提案
買収対象は創薬研究用試薬の国内首位、和光純薬工業
武田が8月にも入札を実施
買収額は最大で1千億円規模
なぜ富士フィルムは関心を持っているのか
上記日経新聞によると、和光純薬の技術を取り入れることで、富士フィルムはがん治療薬など、創薬部門の成長を加速、医療事業の強化をしたい考えとのこと。東芝メディカルシステムズでキャノンに競い負けて、次のターゲットが和光純薬だとのこと。
がん治療薬など創薬部門の成長を加速
医療事業の強化
東芝メディカルシステムズ
キヤノンに競り負けた
和光純薬の技術
まぁ東芝メディカルシステムズの時は、日経新聞によると、キャノンの買収金額が6655億円でしたからね。それで競ってたぐらいですから、1千億円は出せる金額でしょう。
他に買収に関心を持ちそうな会社
上記日経新聞によると、ペルミラ含む複数の投資ファンド、そして米国の医療用品大手なども関心とのこと。
英ペルミラなど複数の投資ファンド
米医療用品大手なども関心
というわけで、またライバルが多い中、富士フィルムは競い合いますが、今回こそは必ずや勝ちに行くでしょう。
武田はなぜ売る
上記日経新聞によると、武田は非中核事業を切り離し、がんや消火器疾患の大型の新薬開発に資源を集中とのこと。なお、和光純薬を切り離せば、試薬を含む化学事業から撤退とのこと。
武田は非中核事業を切り離し
大型の新薬開発に経営資源を集中
重点領域に据えるがんや消化器疾患の新薬開発
和光純薬を切り離せば、試薬を含む化学事業から撤退
武田の今年の株価はけっこうきつい。今回、和光純薬というもともと一心同体だった会社を売るわけです。関係者は驚きの連続でしょう。武田はそれぐらいの覚悟をもって、経営資源を集中させ、次来る大型の新薬開発に臨むとみていいのでしょうか。武田の今回得る資金の使い道にも注目が集まります。
あと、買収するのはどこの企業なのかも、楽しみですね。今後に要注目。
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