KKRがカルソニックカンセイの買収先か。総額4000億円規模のTOBが始まる。
日産自動車がカルソニックカンセイを米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)に売却する方針。2次入札で最も優れた条件を出したKKRが優先交渉権。年内に正式契約。
日経新聞によると、日産自動車はカルソニックカンセイを米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)に売却する方針を固めたとのこと。
日産自動車は東証1部上場の自動車部品子会社、カルソニックカンセイを米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)に売却する方針を固めた
日産がカルソニックカンセイの売却。これは大きなニュースとなりました。ちなみに、多くのメディアが報じていたように、カルソニックカンセイの入札に参加していたのは、KKR、ベイン、MBKなどです。今回は、10月の2次入札で最も優れた条件を示したKKRが優先交渉権を獲得と上記日経新聞ではしています。
日産は10月中旬に締め切った2次入札で最も優れた条件を示したKKRに優先交渉権を与える方針を固めた
年内に正式契約する見通し
というわけで、KKRが優先交渉権を獲得。カルソニックカンセイ自体海外比率が相当高いので、海外ファンドが買収することで、カルソニックは海外事業をさらに加速させる可能性があるでしょう。
ところで、このKKRというファンド。やっぱり思い出すのはパイオニア関連ですね。
豆知識: カルソニック買収先のコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)といえば、パイオニアのDJ機器事業買収を思い出す
今回入札で競い買ったKKRですが、有名なPEファンドです。私がKKRの案件ですぐ思い出すことといえば、パイオニアのDJ機器事業買収です。音楽関係者にはこれは大きな衝撃(ショックの方が大きいか)が走りました。
とはいっても、DJ機器でのパイオニアブランドは残ってます。クラブでもパイオニアのDJ機器はよく見かけますし、そういう意味では、世界でパイオニアブランドはいまだに健在です。
さて、そもそも、なぜ日産がカルソニックのような関係が深い会社を売却するのか。この復習をする必要があります。
なぜ日産はカルソニックカンセイを売却するのか
上記日経新聞によると、日産は自動運転車の普及でセンサーや画像認識技術など人工知能(AI)関連の開発で多額の資金が必要となっているとのこと。売却で得た資金でAIなどへの研究開発や企業買収を進めるとのこと。
日産は自動運転車の普及でセンサーや画像認識技術など人工知能(AI)関連の開発で多額の資金が必要となっている
売却で得た資金でAIなどへの研究開発や企業買収を進める
結局、日産は既存のものよりも、次世代技術への投資を加速させたい。こういったのは金がかかる。カルソニックという伝統的な自動車部品メーカー大手を売却することで、ものすごい資金を得て、新たな事業に投資するという考えです。
さて、そんなカルソニックカンセイですが、全株買収となると相当な金額となります。それが下記。
コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)はカルソニックカンセイをTOBで買収、買収総額は4000億円規模か。KKRはTOBで日産の持分41%を含めたカルソニックカンセイの全株取得を目指す。
上記日経新聞によると、KKRはカルソニックカンセイ株に対しTOB(株式公開買い付け)を実施し、日産の持ち分である41%を含めた全株の取得を目指すとのこと。買収総額は4000億円規模になる可能性があるとのこと。
KKRはカルソニックカンセイ株に対しTOB(株式公開買い付け)を実施し、日産の持ち分である41%を含めた全株の取得を目指す
買収総額は4000億円規模になる可能性がある
今後、買収総額4000億円という規模のTOBが始まります。KKRはカルソニックカンセイの全株取得ができるのか。本当のみどころはこれからですね。