遂にブラジル撤退。

 

キリンホールディングス(HD)がブラジルのビール事業から撤退。ブラジルキリンはハイネケンに約1000億円で売却。キリンはキリンブラジル一括売却で、ブラジルから撤退、アジア・オセアニアの海外事業に集中へ。キリンブラジル売却で数百億円の売却損か。

日経新聞によると、キリンホールディングス(HD)は業績低迷が続くブラジルのビール事業から撤退するとのこと。

 

子会社のブラジルキリンをオランダのハイネケンに年内にも約1000億円で売却するとのこと。再生に向け他社との提携を模索していたが、一括売却に切り替える。キリンは今後、成長が期待できるアジア・オセアニアに海外事業を集中するとのこと。

 

このほどハイネケンと大筋合意したとのこと。数百億円の売却損が出る見込みとのこと。

 

  • キリンホールディングス(HD)は業績低迷が続くブラジルのビール事業から撤退する

  • 子会社のブラジルキリンをオランダのハイネケンに年内にも約1000億円で売却する

  • 再生に向け他社との提携を模索していたが、一括売却に切り替える

  • キリンは今後、成長が期待できるアジア・オセアニアに海外事業を集中する

  • このほどハイネケンと大筋合意した

  • 数百億円の売却損が出る見込み

 

キリンがブラジル撤退。現実問題、キリンはブラジルをいつ撤退するのかと長いこと言われてきたぐらいですから、遂にきたかといったところ。

 

一括売却ということで、ブラジルではもうやらないという意思表示とも見れそうです。

 

 

豆知識: 海外展開がわりと進んでいるキリンでさえ、新興国のブラジル撤退という苦労をしている。キリンほど海外での経験がないアサヒも新興国では苦労が想定される。

キリンの話からは少しずれますが、この前、アサヒが大型買収をしました。

 

[アサヒが8883億円で東欧ビール事業買収] アサヒ世界展開「最後の好機に」。海外攻めの姿勢は評価したいが、懸念材料が多い

 

この大型買収は、買収金額含め、いろいろ懸念材料があります。アサヒはキリンほど海外での経験がありませんが、このような大型買収を新興国でしかけています。しかも、買収金額も想定以上のものでした。

 

アサヒもキリンからいろいろ学ぶことは多いと思いますが、キリンを見たりしていると、アサヒの苦難も想定されます。アサヒがどう東欧で舵取りをするのかにも注目です。

 

 

キリンは2011年に約3000億円で現地大手を買収も、6年弱でブラジル市場から撤退。ブラジルは世界第三位のビール市場だが、ブラジル経済の低迷による競争激化があり、キリンはブラジル事業で2015年に初の最終赤字に転落した。トランプ大統領誕生で、ブラジルもどうなるか分からない中、よく考えられた経営判断か。

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上記日経新聞によると、2011年に約3000億円で現地大手を買収して参入したブラジル市場からわずか6年弱で撤退することになるとのこと。

 

ブラジルは中国、米国に次ぐ世界3位のビール市場。キリンは11年に当時現地2位だったスキンカリオール(現ブラジルキリン)を完全子会社化したとのこと。

 

だが、ブラジル経済の低迷による競争激化で、現地で約7割のシェアを持つベルギーのアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABI)などに引き離され、3位に後退していたとのこと。

 

キリンはブラジル事業で15年12月期に1100億円を減損処理し、初の最終赤字に転落したとのこと。

 

  • 2011年に約3000億円で現地大手を買収して参入したブラジル市場からわずか6年弱で撤退することになる

  • ブラジルは中国、米国に次ぐ世界3位のビール市場。キリンは11年に当時現地2位だったスキンカリオール(現ブラジルキリン)を完全子会社化した

  • だが、ブラジル経済の低迷による競争激化で、現地で約7割のシェアを持つベルギーのアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABI)などに引き離され、3位に後退していた

  • キリンはブラジル事業で15年12月期に1100億円を減損処理し、初の最終赤字に転落した

 

わずか6年での撤退。2015年、キリンが初の最終赤字になったという話がありましたが、多くの人の頭の中には、キリンはブラジルで失敗したというイメージがあることでしょう。これはキリンの失敗例として挙げられています。

 

しかも、トランプ氏誕生もあり、ブラジルもどうなるかわからない。キリンのブラジル撤退は、経営判断としては、よく考えられたものであると思います。

 

 

豆知識: キリンで今後注目なのは、市場縮小で競争が激化する国内で、コカコーラとの提携でどの程度のコスト削減効果があるか

ブラジル事業の不振は長いこと言われていました。今回、ブラジルから撤退し、海外は、アジア・オセアニア中心にやっていくとしています。

 

国内はどうでしょうか。国内での注目点、それは、キリンとコカ・コーラとの提携になります。

 

[なんとコカ・コーラとキリンが提携] コカ・コーラとキリンが清涼飲料事業で相互出資。コスト削減で提携というのが大きなポイント。なぜキリンなのか、今後のゆくえは。考察してみる

 

コカ・コーラとキリンは物流、原料調達で提携し、コスト削減を目指しています。

 

国内市場も競争が激化する中、コカ・コーラというトップとキリンが手を組むわけです。国内事業に関しては、この点が大変大きな注目点といえるでしょう。

 

 

なぜキリンはキリンブラジルをハイネケンに売却するのか

上記日経新聞によると、ブラジルキリンの15年12月期の連結売上高は1342億円。16年に入って赤字幅が縮小するなど業績が上向きつつあるのをみて、提携交渉をしていたハイネケンが事業買収を提案したとのこと。

 

シェアが10%以下で、地理的にも遠く意思疎通も難しいブラジルにこれ以上投資を続けるのは得策ではないとのこと。

 

現地の有力ブランドを持つアジアやオセアニアに集中することで、収益力の高い体質への脱皮を目指すとのこと。

 

  • ブラジルキリンの15年12月期の連結売上高は1342億円。16年に入って赤字幅が縮小するなど業績が上向きつつあるのをみて、提携交渉をしていたハイネケンが事業買収を提案した

  • ブラジルキリンの15年12月期の連結売上高は1342億円。16年に入って赤字幅が縮小するなど業績が上向きつつあるのをみて、提携交渉をしていたハイネケンが事業買収を提案した

  • シェアが10%以下で、地理的にも遠く意思疎通も難しいブラジルにこれ以上投資を続けるのは得策ではない

  • 現地の有力ブランドを持つアジアやオセアニアに集中することで、収益力の高い体質への脱皮を目指す

 

国内はコカ・コーラとの提携でコスト削減をし、海外はアジア・オセアニアを中心にやっていく。キリンの戦略はうまくいくか、要注目です。

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