社長辞任はこの営業利益じゃ仕方がない面もある。ただ、次の社長が誰になるかにも注目が集まる。[更新] 記事一番最後に更新あり。

 

三越伊勢丹ホールディングスの大西洋社長が辞任へ。後任未定のまま辞任が決まる異例事態。大西社長は事業の多角化での混乱での責任をとる。

日経新聞によると、三越伊勢丹ホールディングスの大西洋社長が辞任するとのこと。不祥事などを除けば、後任未定のまま辞任が決まるのは異例事態とのこと。事業の多角化で社内に混乱を招いた責任をとるとのこと。

 

  • 三越伊勢丹ホールディングスの大西洋社長が辞任する

  • 不祥事などの異常事態を除けば、後任未定のままトップの辞任が決まることは極めて異例

  • 事業の多角化で社内に混乱を招いた責任をとる

 

 

注目: 後任がいない中での大西社長の辞任。まず最初の注目点は、大西洋氏の後任が、伊勢丹出身か、三越出身か。今後三越伊勢丹はリストラが進むか。

大西社長が辞任します。しかも、後任がいない中での異例の決定ということで、いったいどういうことだという話にもなってきます。

 

大西社長は、慶應卒で伊勢丹に入社。2012年から三越伊勢丹ホールディングスの社長としてやってきました。

 

で、今後の注目点の一つ目。それは、次の社長が伊勢丹出身なのか、三越出身なのか

 

というのも、皆様ご存知のように、現在の三越伊勢丹ホールディングスは、三越と伊勢丹が一緒になってできた会社です。もともとカラーが異なる会社が一緒になったということで、現在までも、この2社の統合がいまだにきちんと進んでいないのではないか、など、いろいろ噂は絶えません。

 

大西社長は伊勢丹出身でした。次の社長は伊勢丹出身か、それとも三越出身か。

 

これが一つポイントになってくるのは、現在、伊勢丹三越HDは業績悪化により、いよいよさらなるリストラが進んで行くという話にもなってきているからです。リストラが進むうえで、統合しきれていない2社、どちらの事情をよく理解している人物が社長になるのか。けっこう重要なポイントでしょう。

 

上記日経新聞によると、発足当初は「最強百貨店」とされた三越伊勢丹HDは現在、同業他社に比べて業績悪化が著しく、20日には三越の千葉店と多摩センター店を閉店。さらに三越松山店など4店の事業転換や売り場縮小の検討に入るとのこと。

 

  • 発足当初は「最強百貨店」とされた三越伊勢丹HDは現在、同業他社に比べて業績悪化が著しく、20日には三越の千葉店(千葉市)と多摩センター店(東京都多摩市)を閉店

  • さらに三越松山店(松山市)など4店の事業転換や売り場縮小の検討に入る

 

ではなぜリストラが迫られているのか。それが下記。

 

 

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なぜ三越伊勢丹ホールディングスでリストラが迫られているのか。

上記日経新聞によると、リストラを迫られているのは、百貨店一本足に近い経営体質のためとのこと。三越伊勢丹HDの全店売上高に占める百貨店(15年度)は92%で、J・フロントリテイリングの66%や、高島屋の88%に比べても依存度が高いといえるとのこと。

 

そのため、旅行、飲食、婚礼など本業と相乗効果を見込む分野で事業拡大を目指してきたものの、収益を底上げするほどの力強さはないとのこと。三越銀座店に16年1月に設けた空港型免税店も売上高は当初計画を下回ったままとのこと。

 

  • リストラを迫られているのは、百貨店一本足に近い経営体質のため

  • 三越伊勢丹HDの全店売上高に占める百貨店(15年度)は92%で、J・フロントリテイリングの66%や、高島屋の88%に比べても依存度が高いといえる

  • そのため、旅行、飲食、婚礼など本業と相乗効果を見込む分野で事業拡大を目指してきたものの、収益を底上げするほどの力強さはない

  • 三越銀座店(東京・中央)に16年1月に設けた空港型免税店も売上高は当初計画を下回ったまま

 

 

余談: なぜ大西社長は辞任するのか。営業利益500億円なんてあまりに遠い話。2017年3月の営業利益240億というのは、半分以下。ここ数年の数字を見る限り、とてもじゃないが達成できない数字。爆買いに頼り過ぎた面もあるし、今後、競合他社とどう違いを出すのか。

上記で百貨店一本足に近い経営体質のためとでてきました。

 

これはその通りで、爆買いに頼っていた時期はこれでもよかったのですが、これがなくなると、きついというシンプルな話

 

これがあかんということで、多角化を急ピッチで進めている姿も見えます。例えば、最近、旅行事業を手掛ける会社へTOBしています。

 

ただ、多角化の責任とあるように、こういった多角化をやろうとする気持ちが強すぎた面はあるかもしれません。結局、いろんな面から、社内で大西社長に対する何かしらの抵抗勢力が出てきた、と。

 

ただ何があったにせよ、数字として結果が出ていないというのが一番痛い話。この点だけでも辞任理由としては十分成り立ちます。

 

営業利益500億円を目標としていましたが、これを2年先延ばしにするという発表がありました。2017年3月は営業利益は240億円を見込んでいます。

 

そうです、240億円です。500億円の半分以下です。目標は遠い先です。

 

さらにいえば、2年先送りにしたところで、本当にこれが達成できるのか、現状では疑問にも思えてきます。

 

というのも、17年は240億円になるという大不振なわけですが、ここ数年を見ても、営業利益は330億円前後だったわけです。つまり、三越伊勢丹は営業利益での成長がないわけです。

 

次の社長は、どのような人物で、どのような方針を打ち出すのか。営業利益500億円をどのように達成するつもりなのか、要注目です。

 

 

[更新] 三越伊勢丹社長降ろしのドラマ

[三越伊勢丹社長降ろしのドラマが深い] 三越伊勢丹HDの労組が大西改革に反旗。辞任というより降ろされたに等しい。次期社長の杉江氏は融和派だが、また百貨店一本足経営に戻るつもりなのか、今後どうするのか。

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