本当に売却されてしまう。
東芝が東芝テックを売却するため、助言会社を選定。
日経新聞によると、東芝は東芝テックの株式を売却する検討に入ったとのこと。東芝テックの売却先探しや手続きなどについて支援を求めるため助言会社を選定したとのこと。
東芝テックの株式を売却する検討に入った
テックの売却先探しや手続きなどについて支援を求めるため助言会社を選定した
豆知識: 東芝が売却する東芝テックとは。売却される東芝テックは、POSレジで国内シェア5割の最大手。POSシステムなんて通常そんな切り替えしないから、競合他社は、動き出すはず。営業の人は大変だ。
まず、東芝テックですが、東証一部上場企業だから名前は聞いたことがあるでしょう。この会社。POSシェアナンバー1の会社です。
POSといってもいまいちぱっとこない方。
一番イメージつきやすいのは、お会計の時です。皆様が何かをお会計する時、レジでお会計しますよね。あそこでPOSシステムが使われています。
要は、通常、あのレジは、単にお金の集計をしているだけではないわけです。売上の管理から、いったいどんな商品が売れているのかなど、データを蓄積しているのですね。
マーケティングの観点でも重要なデータ。東芝テックはこの分野ででシェアが日本一なわけで、これは大変価値のあることです。
上記日経新聞によると、東芝テックは、POS(販売時点情報管理)レジで国内シェア5割を握る最大手とのこと。17年3月期の売上高は4900億円、最終利益は50億円の黒字を見込むとのこと。
POS(販売時点情報管理)レジ最大手の東証1部上場子会
東芝テックはPOSレジで国内シェア5割を握る
17年3月期の売上高は4900億円、最終利益は50億円の黒字を見込む
さて、今回の売却話でまず関心を持つのが、東芝テックの営業の人です。
通常、POSシステムというのは、そんなにちょくちょく変えるようなものではありません。導入したら、しばらく使います。面倒ですからね、POSシステムを他社のものに変えるのは。
しかし、今回は親会社が変わる(つまり、東芝の文字が消える)わけです。競合他社にとってはある意味チャンスなわけです。
そして、東芝テックは親会社が変わろうが、現在の顧客を何が何でもつなぎとめておかないといけないわけです。これに相当のエネルギーが費やされるでしょう。上記でも書いたように、POSシステムは切り替えさせたら長期のお付き合いになる傾向にあるし、切り替えられたら相当なダメージです。
東芝テックの営業陣は、早くどこが親会社になるか決まってほしいと思ってるでしょうし、その動向に相当深く注視しているでしょう。
余談: 東芝の東芝テック売却話、経産省も関心があるはず。3月1日から3月12日まで、東芝テックは経産省から委託され、世界初となる個人情報保護機能を搭載した電子レシートシステムの実証実験をしていた。実証実験最終日翌日の売却話。
ちなみに、この報道が出たのが13日。
これ、興味深いです。
というのも、3月1日から3月12日までの間、東芝テックは経産省から委託され、世界初となる個人情報保護機能を搭載した電子レシートシステムの実証実験をしていました。
経産省からの委託事業。12日に終了。
で、終了して、すぐ、本格的な売却話が出ている。
この実験は、「個人情報保護」のために重要な実験でした。その意味で、実験を委託した経産省だって、東芝テックの売却先に関心が当然あるでしょう。
今後、何らかの形で経産省が動くことはあるのか、それとも、まったくもってノータッチなのか。もし経産省が、何らかの形で働きかけに動いたら、おもしろいことになりますが、どうでしょうか。
東芝は東芝テックをいつ売却するのか。東芝は東芝テック売却でいくら得るのか。東芝テック買収に関心を示している企業は。鴻海は東芝の半導体だけでなく、東芝テックにも関心。鴻海は東芝のおいしいところ全部買収したいのか。
上記日経新聞によると、2016年3月末時点で東芝の持ち株比率は50.02%。全株売却した場合、売却額は1000億円規模になる見通しとのこと。
売却先探しを本格的に始め、早期の決定をめざすとのこと。売却比率は今後詰めるとのこと。台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業や投資ファンドが関心を示しているもようとのこと。
2016年3月末時点で東芝の持ち株比率は50.02%。全株売却した場合、売却額は1000億円規模になる見通し
売却先探しを本格的に始め、早期の決定をめざす
売却比率は今後詰めるとのこと。台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業や投資ファンドが関心を示しているもよう
ファンドが欲しがるのは理解できますが、注目なのは、やはり鴻海。鴻海は、東芝の半導体も買収しようと本格的に動いています。
鴻海は、東芝のおいしいことろを全部買収してしまいたいのか。とにかく、鴻海が東芝の事業に関心がありまくりなのは明らか。
なぜ東芝は東芝テックを売却することにしたのか
東芝が事業売却を急いでいるのは、原子力事業での失態により、債務超過の懸念がされているからです。それでは、なぜ東芝テックというPOSナンバー1企業が売却対象となったのか。
上記日経新聞によると、優良であっても、中核事業とは関連性の薄いグループ企業の資産売却で早期の債務超過回避を狙うとのこと。社会インフラや原子力以外のエネルギー、情報通信技術を中心に再建を進める計画で非中核事業は切り離していく方向とのこと。
優良であっても、中核事業とは関連性の薄いグループ企業の資産売却で早期の債務超過回避を狙う
社会インフラや原子力以外のエネルギー、情報通信技術を中心に再建を進める計画で非中核事業は切り離していく方向
さて、東芝テックの親会社はどこになるのか、要注目です。