牛にIoTで搾乳増加とはいったいどういうことか。

 

NTTドコモが酪農家向けの新サービス。ドコモはIoTと人工知能(AI)の技術を活用し、牛の首にセンサーを付け、行動から発情期を検知。

日経新聞によると、NTTドコモがIoTと人工知能(AI)の技術を活用し、牛の首にセンサーを付け、牛の行動から発情期を高精度に検知、酪農家向けの新サービスを月内に始めるとのこと。

 

  • NTTドコモはあらゆるモノがネットにつながるIoTと人工知能(AI)の技術を活用し、酪農家向けの新サービスを月内に始める

  • 牛の首にセンサーを付け、行動から発情期を高精度に検知する

 

 

考察: 牛の発情期が機械的に分かれば非常に効率的。発情期の牛を見つけるのは農業経営において大変重要なこと。

乳牛からは牛乳を得ることが大切です。このプロセスをかなり単純化して示すと、

 

発情した乳牛の発見

授精

出産

搾乳

 

こういったプロセスがあるわけです。そう、発情した乳牛の発見があってこそ、牛乳が得られるわけです。

 

いかに大切なことかがよく分かると思います。そして、これが機械的にできれば非常に効率的であるといえるでしょう。今回の話はそういった話でもあります。

 

 

豆知識: ドコモによる牛の発情期検知による新サービス。そもそもなぜドコモなのか。ドコモはIoT農業に関心がある。ドコモは農業IoT事業拡大に向け、ベジタリアと資本業務提携をしている。

ところで、そもそもなんでドコモが農業という点について復習しましょう。

 

基本的に、ドコモ以外でも、携帯電話会社というのは農業に関心があります。農業そのものというより、農業IoTですね。

 

そもそもIoTというのは、「あらゆるモノがネットにつながる」という言葉からも分かるように、携帯電話会社のビジネスと相性がいいわけです。

 

最近は農業にもIoTをいう流れになっていますから、携帯電話各社も農業IoTには高い関心をもっています。

 

ドコモに関していえば、昨年中旬、農業IoT事業拡大に向け、ベジタリアと資本業務提携をしています。ドコモがベジタリアより第三者割当増資による株式の引き受けの決定をしたわけです。なお、ドコモとベジタリアは既に水田管理システムを導入したり、いろいろやってます。

 

今回の牛にIoTという話も、農業IoT関連の話。ドコモが関心をもってやっているということが分かります。

 

 

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NTTドコモの牛の発情期検知サービス、具体的にどのように牛の発情期を検知するのか。

上記日経新聞によると、ITベンチャーのファームノートが開発したIoT機器を使い、提供するとのこと。機器には加速度センサーと無線の通信機器を内蔵し、通信網を介して牛の運動や反すうの時間などのデータを集めるとのこと。

 

牛は発情期になると活動量が増えるとされており、放し飼いの場合なら9割以上の精度で検知できるとしているとのこと。AIを使うことで個体差に合わせた判断が可能になるとのこと。

 

  • IT(情報技術)ベンチャーのファームノート(北海道帯広市)が開発したIoT機器を使い、提供する

  • 機器には加速度センサーと無線の通信機器を内蔵し、通信網を介して牛の運動や反すうの時間などのデータを集める

  • 牛は発情期になると活動量が増えるとされており、放し飼いの場合なら9割以上の精度で検知できるとしている

  • AIを使うことで個体差に合わせた判断が可能になる

 

9割以上検知できる。なかなかおもしろいですね。

 

なお、ファームノートは農業システムを開発するベンチャー企業です。牛の首にベルトを装着、要はこれはウェアラブルデバイスです。これを開発したのがファームノートです。

 

 

なぜ牛の発情期検知が重要なのか。ドコモは今後、牛の発情期検知から、どのようなサービス拡大を検討しているのか。

上記日経新聞によると、肉牛では効率的に牛を増やすことができるほか、乳牛、肉牛問わず病気の疑いなども早期にわかるようになるとのこと。乳牛では搾乳量を増やせ、肉牛では繁殖効率を高められるとのこと。

 

ドコモは今後、子牛の生育支援や餌の残量管理、農作物の流通支援などのサービス開発も検討とのこと。ドコモはIoT関連事業を2020年度に1000億円規模と16年度の3倍に増やす目標の達成につなげるとのこと。

 

  • 肉牛では効率的に牛を増やすことができるほか、乳牛、肉牛問わず病気の疑いなども早期にわかるようになる

  • 乳牛では搾乳量を増やせ、肉牛では繁殖効率を高められる

  • ドコモは今後、子牛の生育支援や餌の残量管理、農作物の流通支援などのサービス開発も検討

  • ドコモはIoT関連事業を2020年度に1000億円規模と16年度の3倍に増やす目標の達成につなげる

 

IoT関連事業を3倍にするということで、けっこうな力の入れ具合でしょう。上記でも書いたように、農業IoTはこれに含まれています。

 

さて、最後に気になる今回のサービスのお値段がどれくらいになりそうなのか、そして、ドコモがどれくらいの導入件数を考えているのかについて見ておきましょう。

 

 

ドコモのIoTで牛の発情期検知サービス、その値段は。ドコモはどれくらいの導入件数を考えているのか。

上記日経新聞によると、各地の農協を通じて販売し、2年間で酪農家1000軒の導入をめざすとのこと。

 

1頭あたりセンサーなどの機器が2万9800円、サービス利用料が月200円(いずれも税別)。通信用の中継装置や取り付け費は別途必要になるとのこと。乳牛を50頭飼う農家が発情期を逃すと搾乳量が減り、年間400万円近い損失になるため、1年間で初期投資が回収できるとのこと。

 

  • 各地の農協を通じて販売し、2年間で酪農家1000軒の導入をめざす

  • 1頭あたりセンサーなどの機器が2万9800円、サービス利用料が月200円(いずれも税別)

  • 通信用の中継装置や取り付け費は別途必要になる

  • 乳牛を50頭飼う農家が発情期を逃すと搾乳量が減り、年間400万円近い損失になるため、1年間で初期投資が回収できる

 

さて、牛の発情期を検知するサービスどの程度の需要があるのか、要注目です。

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