時代の流れ。
三菱UFJフィナンシャル・グループがビッグデータを使ったコンサルティング事業を始める。SRIインターナショナルと近く協力の覚書。
日経新聞によると、三菱UFJフィナンシャル・グループがビッグデータを使ったコンサルティング事業を始めるとのこと。
人工知能(AI)による言語解析などに強みを持つ米研究機関「SRIインターナショナル」と近く協力の覚書を交わすとのこと。3年以内の事業化をめざすとのこと。
三菱UFJフィナンシャル・グループはビッグデータを使ったコンサルティング事業を始める
人工知能(AI)による言語解析などに強みを持つ米研究機関「SRIインターナショナル」と近く協力の覚書を交わす
3年以内の事業化をめざす
豆知識: SRIインターナショナルは世界有数の研究機関。日本企業ともけっこう関りがある。SRIインターナショナルは三菱UFJ銀ライバルである三井住友銀とロボット産業の振興に関する業務協力の覚書を結んでいる。
まず、SRIインターナショナルとはなんぞやという話ですが、一言で言ってしまえば、世界有数の研究機関といえます。
もともとはスタンフォード大が設置した機関。現時点でSRIインターナショナルのホームページ曰く、2100名ほど従業員がいるとしていますが、どうも2015年ぐらいから2100名としているという情報もあるので、実際の数字は前後している可能性があります。
それはともかく、SRIインターナショナルは日本ではSRIインターナショナルジャパンを1963年より設立しているので、けっこう多くの日本企業がSRIインターナショナルと関りがあるという話はよく聞きます。
例えば、三菱UFJのライバルである三井住友銀行は、SRIインターナショナルと昨年、ロボット産業の振興に関する業務協力の覚書を結んでいます。
どのように三菱UFJ銀行はビッグデータを使ったコンサルティング事業を行うのか。三菱UFJは4000万にのぼる自行口座の決済情報やネット上の膨大なつぶやきなどを分析
上記日経新聞によると、4000万にのぼる自行口座の決済情報、取引口座の出入金など大量の情報を分析し、大きなお金の流れを把握。
また、SRIや他の企業と連携し、消費者の購買動向やソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)でのつぶやきなどの情報も収集、ファッションなどのトレンド分析などをするとのこと。情報は個人を特定できない方法で収集・活用するとのこと。
どういう層にどんなサービスや商品が支持されているかを取引先企業に有料で提供し、経営改善につなげてもらうとのこと。
4000万にのぼる自行口座の決済情報やネット上の膨大なつぶやきなどを総合してファッションなどのトレンドを分析
どういう層にどんなサービスや商品が支持されているかを取引先企業に有料で提供し、経営改善につなげてもらう
取引口座の出入金など大量の情報を分析し、大きなお金の流れを把握
SRIや他の企業と連携し、消費者の購買動向やソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)でのつぶやきなどの情報も収集する。情報は個人を特定できない方法で収集・活用する
余談: ビッグデータ分析は時代の流れ。決済情報などは非常に有益。三菱UFJ銀も、JCBのように、情報提供の同意を得た会員を調査対象とすべき。つぶやき分析の精度はどうなのだろうか。
4000万もの三菱UFJ銀行の口座の決済情報が分析できる。
これは非常に大きなメリットでしょう。
このようなビッグデータ活用の動きは、金融機関中心に今後ますます進んで行くと思われます。
例えば私の方ではJCBがビッグデータ活用、カード利用実績分析を始めると以前書きました。この際も、このような動きを加速すべしと書きました。
[ビッグデータ分析] JCB (ジェーシービー) がカード利用実績分析をして、企業の市場調査を代行。小売業は特に使えるぞ。クレジットカード会社はこの動きを加速すべし。
なお、上記記事で書いたように、JCBは事前に情報提供の同意を得た会員を調査対象とするとしています。
やはり、いくら個人を特定できないとはいえ、情報が使われるのを嫌がる人はいるでしょう。三菱UFJ銀にも、同意などの措置をとってもらったり、このあたりは考慮していただきたいところ。
口座分析に関して理解できますが、つぶやき分析に関してはどうでしょうか。三菱UFJ銀の口座とこれをリンクするという話になってくると、おもしろい話になってくるかもしれません。精度がどのようなものなのか、未知の領域ではありますが、おもしろい試みであるとはいえるでしょう。
三菱UFJ銀のビッグデータコンサルティングはどうなるか、注目です。