新たなAIの姿。
熟練技能者が高齢化しているとはよく聞きますが、優秀な熟練技能者に置き換わるのがAIかもしれない、今回はそんな話です。
オムロンが工場の製造ラインで発生する故障や不良品を人工知能(AI)で予知する制御機器を開発。AIが熟練技能者の経験や勘を学ぶ。
日経新聞によると、オムロンが工場の製造ラインで発生する故障や不良品を人工知能(AI)で予知する制御機器を開発したとのこと。
熟練技能者の経験や勘に基づく判断をAIに代替させ、計画外のライン停止や品質低下を未然に防ぐとのこと。2018年の製品化をめざすとのこと。
オムロンは工場の製造ラインで発生する故障や不良品を人工知能(AI)で予知する制御機器を開発した
熟練技能者の経験や勘に基づく判断をAIに代替させ、計画外のライン停止や品質低下を未然に防ぐ
2018年の製品化をめざす
余談: AIの不良品予兆。最近のAIの発展はおもしろいものがある。
AIが不良品を予兆するという今回の話。
熟練技能者の技術をAIが担うことになるであろうというわけです。
AIができることがどんどん増えてきています。
私のほうでもAIネタは数多く扱っています。最近でおもしろかったのは、乳牛の発情期をIoTとAIの技術を活用して検知するという話。
[乳牛の発情期もIoTとAIで管理する時代] NTTドコモがIoTで牛の発情期を検知。やっぱドコモはIoT農業に関心がある。
あと、個人的に期待しているのは、昨年11月中旬の記事ですが、AIで新薬探し短縮という話。
こちらは、日本の創薬事業の底上げにつながる可能性があります。
考察: 熟練技能者の感や経験がAIに置き換わるとどうなるのか。人間だと技術継承には時間がかかる。AIは転職や退職をしない。AIは疲れ知らず。
日本の熟練技能者の技術はものすごいものがあるとはよく聞きますが、これがAIに置き換わることでどうなるのでしょうか。
いろいろメリットは考えられます。
まず、技術とは簡単にいうものの、ここでいう技術というのは、そんなぱっと簡単に身につくような技術ではないかと思います。
つまり、技術継承には時間がかかるわけです。大変な労力です。
時間がかかるだけでなく、別のリスクも存在します。
例えば、仮に熟練技能者が技術を教えても、人間だったら転職してしまうリスクなどは常に存在するでしょう。
長年かけて技術を伝承したと思ったら、会社を去ってしまった。
こうなってくると、企業としてはもう笑えない話になってきます。
一方、AIは人間ではないわけで、このようなリスクは基本的にはない。
熟練技術者の高齢に伴い、技術を伝承するだけの時間が残されていないという企業も存在するかもしれません。そう考えると、やはりAIが熟練技能者に置き換わるという話は、ある程度需要がある話だと考えるのが普通でしょう。(もちろん、AIの性能が高度なものであると仮定しています)。
上記日経新聞によると、自動車や家電の製造コスト削減を期待できるとのこと。製造ラインの異常の予知は熟練技能者の経験や勘に頼る場合が多いとのこと。しかし、高齢化に伴い、熟練技能者の人手不足が深刻化しているとのこと。
自動車や家電の製造コスト削減を期待できる
製造ラインの異常の予知は熟練技能者の経験や勘に頼る場合が多い
だが高齢化に伴い、熟練技能者の人手不足が深刻化している
製造コスト削減が見込めるという話ですが、あと加えて、上記で挙げた、様々なリスクを抑える効果もあるかと思いますね。
最後に、オムロンが今回開発した機器についてもう少し詳しく見ておきましょう。
オムロンは工場の製造工程で自動化を制御する機器を開発、異音など故障や不良品の予兆をいち早く発見できる。
上記日経新聞によると、開発したのは工場の製造工程で自動化を制御する機器とのこと。
センサーで集めた装置の音や振動のデータをもとに、AIが正常な状態の製造ライン動作を学習するとのこと。製造装置のモーターが発する異音など故障や不良品の予兆をいち早く発見できるとのこと。
どのようなデータを集めれば異常を検知できるかを助言するなど、最適なシステムを顧客企業ごとに構築するサービスも提供するとのこと。
- 開発したのは工場の製造工程で自動化を制御する機器
- センサーで集めた装置の音や振動のデータをもとに、AIが正常な状態の製造ライン動作を学習する
- 製造装置のモーターが発する異音など故障や不良品の予兆をいち早く発見できる
- どのようなデータを集めれば異常を検知できるかを助言するなど、最適なシステムを顧客企業ごとに構築するサービスも提供する
AIは熟練技能者の技術を習得できるのか、要注目です。