西村あさひで進むグローバル化

 

国際化を進める西村あさひ。今回は初の外国人幹部を登用という話。西村あさひはなぜグローバル化を進めているのか。進めている中心人物は誰か。

 

 

西村あさひ法律事務所幹部に初の外国人弁護士。西村あさひがグローバル化を進める

17日の日経新聞によると、法律事務所国内最大手の西村あさひ法律事務所の幹部に初の外国人弁護士が就任するとのこと。

 

海外拠点や外国法に通じた弁護士を拡充する際など経営面の助言を仰ぎ、事務所のグローバル化を進めるとのこと。日本の大手事務所が外国人幹部を登用するのは異例とのこと。

 

  • 法律事務所国内最大手の西村あさひ法律事務所(東京・千代田)の幹部に初の外国人弁護士が就任する

  • 海外拠点や外国法に通じた弁護士を拡充する際など経営面の助言を仰ぎ、事務所のグローバル化を進める

  • 日本の大手事務所が外国人幹部を登用するのは異例だ

 

 

考察: なぜ西村あさひはグローバル化を急ぐのか。西村あさひは弁護士数で国内ナンバーワン、しかし、世界で見ると、まったくもって規模が小さい。世界の一流弁護士事務所に追いつくために、拠点と外国人弁護士の拡充が課題。確かに、世界の大手弁護士事務所は拠点がそこら中にあり、仕事がしやすい。

西村あさひ。

 

弁護士数でみると、国内ナンバーワンです。

 

日本国内では名前もしょっちゅう聞きます。最大手だから当然といえば当然でしょう。

 

しかし、海外でM&Aの業務をすると分かりますが、日本人なら知っている西村あさひも、現実問題、外国企業には知名度が低いです。

 

外国の大手弁護士事務所は知名度が高いだけでなく、拠点もそこら中にあります。

 

上記日経新聞によると、西村あさひは約570人の弁護士が所属し、国内4カ所、海外10カ所で拠点を展開するとのこと。日本では最大手だが、数千人規模の弁護士を抱える英米系大手とグローバルに競っていくには、拠点や外国人弁護士のさらなる拡充が課題となっているとのこと。

 

  • 西村あさひは約570人の弁護士が所属し、国内4カ所、海外10カ所で拠点を展開する

  • 日本では最大手だが、数千人規模の弁護士を抱える英米系大手とグローバルに競っていくには、拠点や外国人弁護士のさらなる拡充が課題となっている

 

私の経験上、海外のある程度の規模のM&A案件で、弁護士どうするよという話になった時に、だいたいご指名が入るのも、多くは海外の大手弁護士事務所です。

 

一例を挙げれば、今回の外国人幹部の話の際に絡めることができるので、クリフォードチャンスの話をしましょう。

 

海外のM&Aを何件かやれば、当然のように出くわす法律事務所です。やはり規模が大きく、拠点数が多いので、初仕事の時はアポの設定が楽だった印象があります。

 

ちなみにクリフォードチャンスは日本にも事務所があります。

 

日本の事務所のホームページで確認しましたが、現時点の情報として、クリフォードチャンスは世界に33箇所のオフィスを持ち、約3300人ものロイヤーとあります。

 

  • 世界に33箇所のオフィス

  • 約3300人ものロイヤー

 

これだけ見ても、西村あさひがグローバル案件をとってくるために今後、いかに規模を大きくしていく必要があるのかが分かるかと思います。

 

やはり、世界中に拠点を持ち、外国人含む弁護士の規模も大きくしてこそ、チャンスも増えていくものです。

 

そして、日本では法律事務所で外国人幹部の登用は異例とのことですが、そもそもグローバル案件をとりたければ、弁護士事務所もグローバル化しないでどう対応するのかという話になってきます(国内案件のみで完結するなら別)。

 

 

西村あさひの初の外国人幹部の名前はティモシー・ジェファーズ氏、グローバル・デベロップメント・ダイレクターとして登用される。グローバル・デベロップメント・ダイレクターに就任するティモシー・ジェファーズ氏とは。

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上記日経新聞によると、22日に就任するのは英国人弁護士のティモシー・ジェファーズ氏(55)とのこと。

 

新設する「グローバル・デベロップメント・ダイレクター」として、海外での業務支援や新規進出を助言する。外国人弁護士の紹介、採用、教育なども指南するとのこと。

 

同氏は1986年に英大手法律事務所のクリフォードターナー(現クリフォードチャンス)に入所バンコクと東京では所長を務めるなど国際事務所の運営に精通しているとのこと。

 

2012年に米大手法律事務所ホワイト&ケースの東京拠点に移籍し、日本の人脈も豊富とのこと。

 

  • 22日に就任するのは英国人弁護士のティモシー・ジェファーズ氏(55)

  • 新設する「グローバル・デベロップメント・ダイレクター」として、海外での業務支援や新規進出を助言する

  • 外国人弁護士の紹介、採用、教育なども指南する

  • 同氏は1986年に英大手法律事務所のクリフォードターナー(現クリフォードチャンス)に入所

  • バンコクと東京では所長を務めるなど国際事務所の運営に精通している

  • 2012年に米大手法律事務所ホワイト&ケースの東京拠点に移籍し、日本の人脈も豊富

 

上記で書いた現クリフォードチャンスに入所した過去があるようです。

 

東京での所長経験など、知日派である点も、注目ポイントとなります。

 

外国人弁護士の採用、教育係にもなるということですから、西村あさひでは今後は外国人弁護士が増えていく可能性も高いといえるでしょう。

 

 

余談: 西村あさひの保坂雅樹執行パートナーは国際派。ハーバードロースクール卒でもある。

西村あさひのグローバル化には、当然影響力を行使している人物がいます。

 

特に重要なのが、保坂雅樹執行パートナーでしょう。いわゆる、西村あさひのドンです。

 

保坂氏は東大卒で、あとハーバードロースクルールも卒業しており、ニューヨークのデビヴォイス&プリンプトン法律事務所で働いた経験もあります。

 

国際派。

 

保坂氏は、経営陣に外国人が入ることを既に以前に示唆していました。まさに今回、その現象が起こっているわけです。

 

このような国際派の執行パートナーが、グローバル化を進めていることが分かります。

 

今後、西村あさひのグローバル化がどのように進むのか、要注目です。

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