2次入札締め切り。
19日、東芝メモリ2次入札の期限。
今回、4陣営がそろったという話。ちなみに下記で書くこの4陣営は、いずれもほぼ想定通りの4陣営となります。
現時点での最有力候補はどこか、今後のポイントも再度整理しておきましょう。
東芝メモリ2次入札で4陣営が応札。WDは入札に参加せず。
20日の日経新聞によると、東芝メモリの売却手続きで、19日、2次入札の期限を迎えたとのこと。4陣営が応札したもようである一方、協業先の米ウエスタンデジタル(WD)は参加しなかったとのこと。
東芝による半導体メモリー子会社「東芝メモリ」の売却手続きで、19日、2次入札の期限を迎えた
4陣営が応札したもようである一方、協業先の米ウエスタンデジタル(WD)は参加しなかった
考察: 東芝メモリ2次入札応札の4陣営は。東芝メモリ買収で最有力候補はブロードコムとKKRいう話もあるが、WDのことを考えるとブロードコムは厳しい。ブロードコムが最有力候補になる条件とは。
一番重要なところからいきましょう。どこの4陣営が応札したのか。
いろいろな報道機関なども確認する中、まとめると4陣営は下記のとおり。
- KKR(注記 +革新機構?????) => 有力候補?
- ベインキャピタル&SKハイニックス
- ブロードコム => 有力候補?
- 鴻海
私の方でも過去にすべて個別に記事にしたグループのみです。想定の範囲内のグループとなります。
で、有力候補はどこなのか。
これに関しては、BloombergがブロードコムとKKRが有力候補であるとする関係者がいるとしました。ブロードコムは独占禁止法の審査などでハードルが低く済みそうという点も挙げられています。上記日経新聞でもブロードコムの2兆円規模の提示は高値売却という意味でも魅力としています。
確かに独占禁止法絡みと2兆円という点では、魅力的なのは間違いないでしょう。
ただ、私の見方としては、現時点でブロードコムは厳しいと思っています。
これに関しては、過去に扱いました。
上記記事からも分かるように、ブロードコムはWDに信用されていないのです。ブロードコムが選定されるということは、WDをブチギレさせます。
WDの意向はそんなに重要なのか。はい、重要です。これに関しても何度も書いています。このあたりは下記の記事をどうぞ。
[東芝メモリの将来はウエスタンデジタルが握る] ウエスタンデジタル(WD)は東芝半導体「他社に売却認めず」。どんな形であろうとウエスタンデジタルを納得させないと話にならない。
というわけで、現時点で私はブロードコムよりKKRの方が有力候補とみています。ちなみに、KKRが登場した時点で私も歓迎しています。
[まさかまさかのKKR登場、革新機構は裏で動いていた] 東芝半導体売却で米KKR・革新機構が共同入札へ。KKRは二次入札に強い。WDも合流させ、KKR・革新機構・WDが連合を組めれば一番いいだろう。
ただもちろん、ブロードコムの可能性もまだ残ってます。
ブロードコムが最有力候補になるのはどのような状況下でしょうか。
それは、東芝がWDと本気でガチンコモードになる時か(WDの意向を気にしないということ)、何かしらの理由でWDのブロードコムに対する意見が変わる時です。
考察: 東芝メモリ2次入札応札の4陣営、今後は革新機構の動きも重要。場合によってはベインキャピタル&SKハイニックスが有力候補になる可能性もあるなきにしもあらず。ただ、SKハイニックスが入り込んでくる場合は、精査が必要。
あと、KKRと革新機構が組んでほしいというのは私としてもありますが、日経新聞としては、この組み合わせはまだ変わりうるという論調でいます。
上記日経新聞によると、産業革新機構は出資を検討している意向を東芝側に伝えたほか、日本政策投資銀行も参加する見通しとのこと。日本政府系の両社は複雑な情勢を見極めながらいずれかの陣営に合流する可能性が高いとのこと。
産業革新機構は出資を検討している意向を東芝側に伝えたほか、日本政策投資銀行も参加する見通し
日本政府系の両社は複雑な情勢を見極めながらいずれかの陣営に合流する可能性が高い
何が起こっているのか。
これに関しては、私の昨日の記事を確認すれば分かります。
[鴻海以上に不気味、韓国SKハイニックス] 韓国ハイニックス会長が東芝経営陣に面会へ。SKはベインキャピタルと組むか。鴻海と違い、SK色を出し過ぎない手法。
要は、革新機構がKKRでなく、ベインサイドに行く可能性もなきにしもあらずということです。
ただ、この際は、SKハイニックスの動きに注意しなければいけないとは昨日も書いたとおり。
鴻海については、有力候補になった時点で再度書きます。
最後に、WDが東芝とどのようにやっていきそうか、東芝メモリ3次入札の可能性などにも触れておきましょう。
東芝メモリ2次入札にWDは参加せず、個別交渉に入る。東芝メモリ3次入札の可能性もある。
上記日経新聞によると、WDが第三者への売却に反対し入札自体も否定しているため、WDは2次入札に応札しなかったとのこと。
東芝は応札陣営との交渉と同時並行でWDとは個別に出資交渉に入るとのこと。来週にもWDのスティーブ・ミリガン最高経営責任者(CEO)ら経営陣が来日し東芝幹部らとの会合が開かれる見通しとのこと。
協議によりWD側の譲歩を引き出せれば、売却手続きが前進する可能性もあるとのこと。
WDは四日市工場の共同運営など現体制継続を望んでいるとのこと。ただ、東芝が非常事態にあることも理解しており、議決権のない種類株による出資を検討しているとのこと。早期売却にこだわる東芝側に配慮した策とのこと。
WDの提示額は1兆数千億円規模となるもようで、東芝側が求める2兆円には届かない見通しとのこと。WDはファンドなどとも協議しながら提案額を引き上げていく考えとのこと。
2次入札の締め切り後も応札企業側の陣容が固まっておらず、事実上の3次入札を6月に実施する可能性もあるとのこと。
WDが第三者への売却に反対し入札自体も否定しているため、WDは2次入札に応札しなかった
東芝は応札陣営との交渉と同時並行でWDとは個別に出資交渉に入る
来週にもWDのスティーブ・ミリガン最高経営責任者(CEO)ら経営陣が来日し東芝幹部らとの会合が開かれる見通し
協議によりWD側の譲歩を引き出せれば、売却手続きが前進する可能性もある
WDは四日市工場(三重県四日市市)の共同運営など現体制継続を望んでいる
ただ、東芝が非常事態にあることも理解しており、議決権のない種類株による出資を検討している
早期売却にこだわる東芝側に配慮した策
WDの提示額は1兆数千億円規模となるもようで、東芝側が求める2兆円には届かない見通し
WDはファンドなどとも協議しながら提案額を引き上げていく考え
2次入札の締め切り後も応札企業側の陣容が固まっておらず、事実上の3次入札を6月に実施する可能性もある
WDには、独占禁止法の観点と、資金が足らないという観点から、うまく日米連合に組み入ってほしいところ。
WDの動き、これが重要です。3次入札はあるのか、要注目です。