ピーチは中国人観光客誘致に相当力を入れている。
ANA傘下のピーチは、中国人観光客誘致に高い関心を持っています。他の国内LCCより先手必勝で、いろいろ動いてます。
下記でまとめますが、私の見方としては、昨年11月からピーチの中国人観光客戦略の本格化がスタートしており、今回のビットコインの件で3つ目だと考えています。
3つの戦略を先にまとめてしまうと、
第1弾: 上海線開設
第2弾: Alipayと銀聯カードでの決済
第3弾: ビットコイン決済(今回)
となります。では見ていきます。
ピーチ・アビエーションが仮想通貨「ビットコイン」で航空券を買えるようにする
21日の日経新聞によると、格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションは年内にも仮想通貨「ビットコイン」で航空券を買えるようにするとのこと。
国内の仮想通貨取引所と組んでビットコインでの決済を導入するとのこと。日本の航空会社がビットコイン決済を導入するのは初めてとのこと。
格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションは年内にも仮想通貨「ビットコイン」で航空券を買えるようにする
国内の仮想通貨取引所と組んでビットコインでの決済を導入する
日本の航空会社がビットコイン決済を導入するのは初めて
考察: なぜピーチはビットコインを導入するのか。ピーチの中国人観光客誘致戦略は昨年11月より今回で3つ目。ピーチは上海線開設、「Alipay」と「銀聯カード」での決済、ビットコインと、中国人が利用しやすい格安航空会社になってきている。
さて、なぜピーチはビットコインを導入するのか。
理由としては、やはり訪日外国人狙い(中国人狙い)というのは明らかでしょう。
上記日経新聞によると、海外で利用が広がるビットコインに対応して顧客増につなげるとのこと。就航地の飲食や小売店にも導入を呼びかけ、訪日外国人の消費に弾みをつけるとのこと。中国などでは投機目的のほか資産の逃避先としてビットコインを選ぶ人が増えているとのこと。
海外で利用が広がるビットコインに対応して顧客増につなげる
就航地の飲食や小売店にも導入を呼びかけ、訪日外国人の消費に弾みをつける
中国などでは投機目的のほか資産の逃避先としてビットコインを選ぶ人が増えている
そうですね、漠然と訪日外国人というより、中国人とはっきりいってしまってもいいかと思います。
私が思うに、ピーチは昨年11月より明らかに中国人観光客をかなり意識しています。これをピーチの中国人観光客誘致戦略と呼びましょう。そして、この誘致戦略は、今回のビットコインで第3弾です。
ちなみに、第1弾と第2弾は何でしょうか。
まず、第1弾ですが、これはピーチによる昨年11月の上海線開設です。これにより、LCCで中国と日本をつなぐことができました。
次に第2弾ですが、これは2月22日に導入された、Alipayと銀聯カードでの決済です。ピーチ予約サイトで利用決済できるようになりました。
Alipayはご存知のとおり、中国で最大規模のオンライン決済サービス。銀聯カードは中国で非常によく使われているクレジットカード(デビットカード)となります。
つまり、ピーチは、第1弾で中国と日本を結び、第2弾で中国人のために決済方法を一気に広げてあげ、今回の第3弾で、さらに決済方法を広げてあげたという話になります。
しかも、多くの点でピーチは他の国内LCCよりも先手必勝で動いてます。こうなってくると、当然中国人からも認知されますよ。
上記日経新聞によると、ピーチの国際線利用者は7割が外国人でビットコイン決済のニーズが高いと判断したとのこと。
ピーチの国際線利用者は7割が外国人でビットコイン決済のニーズが高いと判断した
既に大量の外国人がピーチを利用しているからこそ、今回のような話は効果があるといえます。
豆知識: ピーチの井上慎一CEOは、三菱重工で働いていた時、中国に赴任している
ちなみに意外と重要な豆知識ですが、ピーチの井上慎一CEOは、昔、三菱重工で働いています。
そして、この際、中国に赴任経験があります。
中国人とのビジネス、営業などを経験するうちに、中国人顧客の心をつかむことの重要さについて認識したのでしょう。いろいろ苦労もしたようですが、この時の経験も、中国人観光客誘致に役立っていることでしょう。
ピーチのトップがそういう人物であります。今後、中国人観光客誘致がさらに進む可能性は高いといえます。
ピーチのビットコイン導入、地域経済の活性化にもつながるか
上記日経新聞によると、沖縄や東北など就航する地での普及も目指すとのこと。ビットコインはクレジットカードよりも手数料が安く、現金しか受け付けていない商店で採用が広がる可能性があるとのこと。
決済インフラを整え地域経済を活性化することで中長期での旅客増を期待するとのこと。
沖縄や東北など就航する地での普及も目指すとのこと。ビットコインはクレジットカードよりも手数料が安く、現金しか受け付けていない商店で採用が広がる可能性がある
決済インフラを整え地域経済を活性化することで中長期での旅客増を期待する
余談: ピーチのビットコイン導入の前に、ビックカメラも同様に中国人狙いと思われるビットコイン導入をしている
なお、ビットコインと中国については、以前話題にしました。
ビックカメラでもビットコイン導入という話があり、この時も中国人狙いと私の方では書きました。
[ビックカメラのビットコイン導入は中国人狙いか] ビックカメラ有楽町店と新宿東口店でビットコイン導入へ。さらに、リクルートライフスタイルのAirレジが導入で、ビットコイン対応が26万店になる。
上記記事でも書きましたが、ビックカメラが試験導入で選んだ2店舗を見ても、その可能性が極めて高いといえます。
ピーチはANA傘下、しかし、全日本空輸や、バニラ・エアとは別路線でいき、ビットコイン決済はピーチ単独で採り入れる
上記日経新聞によると、ピーチは日本最大のLCCでANAホールディングスの連結子会社。しかし、ANA傘下の全日本空輸やLCCのバニラ・エアなどとは距離を置き独自色を維持する方針とのこと。今回のビットコイン決済もピーチ単独で採り入れるとのこと。
- 日本最大のLCC
- 傘下の全日本空輸やLCCのバニラ・エアなどとは距離を置き独自色を維持する方針
- 今回のビットコイン決済もピーチ単独で採り入れる
国際線利用者の7割が外国人。台湾路線ではさらに多いという話もあります。アジアで知名度を上げつつあるわけです。
独自路線を行くピーチ、今後も要注目です。