取締役の数を減らすという段階に。
ニコンというと名門企業ですが、昨年には、大きなリストラをするというサプライズがあり、話題になった企業。私の方でも以前扱いました。
[ニコンが1000人リストラで構造改革へ動く] ニコンが1000人削減。ニコンの熊谷製作所などで希望退職募集。なぜニコンがリストラへ動くのか考察する。
その後、ニコンの牛田社長が今後も構造改革に集中していくとコメントしたこともあり、どのように動くのか、注目していました。
そんな中、ニコンの取締役が2割削減されるというのが今回の話。
遂に、ニコン上層部にも構造改革の波が押し寄せているともみれます。
ニコンが6月末までに取締役の数を約2割減らす。ニコンは取締役数を14人から11人にする。構造改革の一環として、コーポレート・ガバナンス強化に動く。
5日の日経新聞によると、ニコンは6月末までに取締役の数を約2割減らすとのこと。取締役数は14人から11人となるとのこと。
2016年11月から着手している構造改革の一環として、企業統治(コーポレート・ガバナンス)を強化するとのこと。
代表権を持つ取締役も社長と副社長のみにして経営責任を明確化し、構造改革の加速につなげるとのこと。
ニコンは6月末までに取締役の数を約2割減らす
取締役数は14人から11人となる
2016年11月から着手している構造改革の一環として、企業統治(コーポレート・ガバナンス)を強化する
代表権を持つ取締役も社長と副社長のみにして経営責任を明確化し、構造改革の加速につなげる
考察: ニコンの取締役数削減にも関わらず、社外取締役の数は変わらない。これはつまり、ニコンの生え抜きの取締役が退任するということ。ただ、退任する役員は相談役や顧問に就任するということなので、相談役や顧問の役割を明確にする必要がある。
今回のニコンの取締役数削減でのポイントは何でしょうか。
私が考えるポイントは以下の2つ。
- 社外取締役の数は変わらないという点→生え抜き取締役が減る一方、社外取締役比率は高まり、経営がスリム化もされる
- 退任する役員が相談役や顧問に就任→役割は?
上記日経新聞によると、社外取締役の数は4人に据え置くため、社外取締役の比率は高まるとのこと。役員数も2割強減らし、退任する役員は相談役や顧問に就任する見通しとのこと。代表権を持っていた木村真琴会長も退任し、代表権は牛田一雄社長と岡昌志副社長のみが有するとのこと。
社外取締役の数は4人に据え置くため、社外取締役の比率は高まる
役員数も2割強減らし、退任する役員は相談役や顧問に就任する見通し
代表権を持っていた木村真琴会長も退任し、代表権は牛田一雄社長と岡昌志副社長のみが有する
まず1つ目のポイント、社外取締役の数は4名のまま、について。14名が11名になるのにも関わらず、社外取締役に変更はないということですから、社外取締役の比率としては、
28.5%
↓
36.3%
となるわけです。これで、社外取締役の影響力は強まります。
ただ、さらに重要なこと。
ニコンの社内からの取締役というのは、私の認識が正しければ、生え抜きでキャリア積んできた人たちばかりです。岡昌志副社長は例外で、この方は三菱出身。つまり、3名退任という意味は、生え抜きの取締役3名が退任するという話になってきます。
ニコンをよく知る3名が退任するということです。将来の取締役を狙う、ニコンからの生え抜き人材にとっても、取締役数が減るのは大変つらい話でしょう。ただニコンとしては、今回の取締役の削減で、外部からの声をより多く取り入れようとしているともいえます。経営のスリム化もし、経営改革に乗り出すというわけです。
そして少し気になるのがもう一点。
退任する役員は相談役や顧問に就任する見通しという点。
ここはしっかりと説明が必要なところ。
というのも、上場企業にとって、最近は相談役や顧問の役割というのが不明確と指摘されることも多いわけです。
退任するのはいいけれども、今後相談役や顧問として、いったいどのような役割を担っていくのか。大切な役割の可能性も十分ありますから、このあたりははっきりと明確にしておいた方が、ニコン社内の社員のためにもなります。
最後に、なぜニコンが取締役の数を減らすのか、再度確認しておきましょう。
なぜニコンは取締役の数を減らすのか。構造改革の一環で、経営体制見直しのため。
上記日経新聞によると、ニコンは主力事業であるデジタルカメラと半導体製造装置が苦戦しており、昨年11月から人員削減を含む抜本的な構造改革を実施しているとのこと。
既に一部生産拠点の集約や事業の開発縮小などの手を打っているとのこと。今回は経営体制を見直し、役員数の削減を決めたとのこと。
ニコンは主力事業であるデジタルカメラと半導体製造装置が苦戦しており、昨年11月から人員削減を含む抜本的な構造改革を実施している
既に一部生産拠点の集約や事業の開発縮小などの手を打っている
今回は経営体制を見直し、役員数の削減を決めた
あの有名な大幅な人員削減については、記事冒頭で示したとおり。
ニコンが経営体制の見直しに入っています。今後、ニコンはどう変わっていくのか、要注目です。