今回は、住商が米ベンチャーに出資し、米国で建機輸送をネット仲介するという話。

 

後に書くように、米国における建機のネットオークションはけっこう盛り上がってますから、領域としてはおもしろい分野かとは思います。

 

あと、住商は今年、米建機レンタル大手のサンステート・イクイップメントを子会社化してますから、ここといかにうまく絡めることができるかも、今後キーになってくるでしょう。

 

 

住友商事が米ベンチャーのヴェリトレッドに約3億円出資、米国で建設機械の輸送をインターネット上で仲介するサービスを始める

28日の日経新聞によると、住友商事が米国で建設機械の輸送をインターネット上で仲介するサービスを始めるとのこと。

 

米ベンチャーのヴェリトレッド(フロリダ州)に約3億円を出資したとのこと。中古建機のネット取引が増加するなかで、購入者にとって最適な輸送業者を結びつけるとのこと。

 

  • 住友商事は米国で建設機械の輸送をインターネット上で仲介するサービスを始める

  • 米ベンチャーのヴェリトレッド(フロリダ州)に約3億円を出資した

  • 中古建機のネット取引が増加するなかで、購入者にとって最適な輸送業者を結びつける

  • 住商は米国やカナダで建機の販売やレンタルを手がけており、連携して事業の拡大につなげる

 

 

建機のネットオークションが盛んな米国、有名な会社でIronPlanetがある。180万人以上の登録者を誇り、Ritchie Brosにより約7億5850万ドルで買収された建機ネットオークションの会社。建機のネットオークションが盛んなら、その輸送部分を手助けできれば、ビジネスチャンスがあることになる。

まず、今回住商が出資するのは、建機売買で「輸送業者を結び付ける」会社への出資です。

 

建機売買→輸送業者選別→輸送業者が輸送

 

この流れの中で、真ん中の輸送業者選別の部分を手助けする会社となります。

 

で、そんなところやっておもしろいのかという点について。

 

おもしろい部分だとはおもいますね。

 

というのも、手前の「建機売買」、この部分が米国では大きいからです。特に、米国では建機のネットオークションが盛んなことで知られています。

 

私がすぐ思い浮かぶ会社では、IronPlanetという会社があります。ここ、まさに建機のオークションサイトをやってる会社です。

 

IronPlanet曰く、180万人以上の登録者が世界中にいるという話ですが、急成長を遂げていた真っただ中、昨年、Ritchie Brosという超でかい会社がIronPlanetを買収するということで話題になりました。

 

買収金額は約7億5850万ドルとされています。

 

このあたりみても、米国での建機のネットオークションの規模は小さいものではないとはわかるかと思います。

 

上記日経新聞によると、米国では建機のネットオークションが盛んで、大手サイトの成約件数は年6万回に達するというとのこと。

 

  • 米国では建機のネットオークションが盛んで、大手サイトの成約件数は年6万回に達する

 

IronPlanetのような会社が存在し、建機のネットオークションが今後もさらに盛り上がるならば、その次の輸送のレベルでも盛り上がることになります。

 

手前のパイの部分が大きいというのは大切なことです。

 

ちなみに、IronPlanetに関していえば、ただ単に買い手と売り手の間に入るのではなく、売買される建機の品質チェックなどもします。

 

そりゃ、オークションというからには中古なわけですが、中古とはいえ、建機となると高い買い物になるので、不良品だと困るわけです。だから、このような試みをしているといえます。

 

さて、住商が出資する会社であるヴェリトレッドの特徴はなんでしょうか。それが下記。

 

 

住友商事が出資するヴェリトレッドの特徴は、建機の最適な輸送業者をネット上で結びつけること

上記日経新聞によると、中古建機の購入者など建機の輸送を希望する人が、配送場所や機械の種類などをネット上で入力すると、ヴェリトレッドが過去データをもとに料金の見積もりを自動で作成し、登録している輸送業者に依頼内容を送るとのこと。

 

登録業者は約1500社あり、ヴェリトレッドは入札金額や納期をもとに順位付けした上で依頼者に提示し、選んだ業者と契約をする仕組みとのこと。

 

建機のネットオークションは盛んなものの、建機は種類ごとに大きさが異なり、一部を分解して運ぶなどの手間もかかるとのこと。輸送コストは購入金額の10~15%かかる場合もあり割高だとのこと。仲介サービスの活用で輸送コストを抑えられるとのこと。

 

  • 中古建機の購入者など建機の輸送を希望する人が、配送場所や機械の種類などをネット上で入力すると、ヴェリトレッドが過去データをもとに料金の見積もりを自動で作成し、登録している輸送業者に依頼内容を送る

  • 登録業者は約1500社あり、ヴェリトレッドは入札金額や納期をもとに順位付けした上で依頼者に提示し、選んだ業者と契約をする仕組み

  • 一方で建機は種類ごとに大きさが異なり、一部を分解して運ぶなどの手間もかかる

  • 輸送コストは購入金額の10~15%かかる場合もあり割高

  • 仲介サービスの活用で輸送コストを抑えられる

 

どれくらいい輸送コストが抑えられるのか、この金額によっては、けっこうおもしろいビジネスかとは思います。

 

 

住商は今年、米建機レンタル大手のサンステート・イクイップメントを子会社化している。今回の建機輸送ネット仲介と、この部分をうまく絡めることができるかもキーになってくる。

さて、もう一点重要なこと。

 

住商は今年、米建機レンタル大手のサンステート・イクイップメントを子会社化しています。

 

2009年に出資したわけですが、今年には完全子会社化となりました。

 

この会社は建機レンタルですが、レンタル大手とあるように、売上は約530億円(16年3月期)あり、けっこう大きくやってます

 

今回住商が出資するヴェリトレッド社は輸送仲介ですので、絡めることは可能であると考えられます

 

というか、絡めたいからこそ、出資することにしたのかもしれませんね。

 

上記日経新聞によると、住商は米国やカナダで建機の販売やレンタルを手がけており、連携して事業の拡大につなげるとのこと。

 

  • 住商は米国やカナダで建機の販売やレンタルを手がけており、連携して事業の拡大につなげる

 

住商が建機輸送ネット仲介会社をどう活用していくのか、要注目です。

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