今回は、スシローと元気寿司が経営統合する方針という話。

 

で、まずおもしろいのは、元気寿司の親会社がスシロー側の株を取得することで、この両社を統合させるという話。つまり、スシロー側が買い手という話ではないということです。

 

元気寿司の親会社が主導し、持ち株会社の下にそれぞれの事業会社を置き、現在のブランドは存続する案が有力なようです。

 

スシローは業界売上ナンバー1ですが、元気寿司は業界売上ナンバー5。

 

スシローは元気寿司と経営統合する意味はあるのか

 

スシローの成長戦略を考えた際、あります

 

というのも、スシローとしては、国内はNo1を維持し、今後は海外展開、しかも、アジアでの海外展開を念頭に、今後の成長戦略を描きたいわけです。

 

その意味で、アジアでの展開で大きく先行している元気寿司と一緒になることで、スシローは今後、いよいよアジア攻めに突入していくでしょう。

 

私個人としては、スシローの味は大変好きですので、海外でスシローを見る機会が今後増えると考えると頼もしくなってきます。

 

あと、今回やはり改めて思うのは、スシロー株を売るペルミラというファンドのうまさ

 

今回でペルミラはスシローの全株売却となるようですが、元気寿司との経営統合でイグジットという、なんとも上手な売却をして、去っていきます。こういったでかい話をまとめて去るあたりも、実に上手だなと感じます。

 

 

あきんどスシローと元気寿司が経営統合の方針

29日の日経新聞によると、回転ずしチェーン最大手、あきんどスシローと5位の元気寿司が経営統合の方針を固めたことが28日、わかったとのこと。コメ卸最大手の神明がスシローの親会社株の3割超を新たに取得し、子会社である元気寿司との統合を主導するとのこと。

 

持ち株会社の下にそれぞれの事業会社を置き、今のブランドを維持する案が有力とのこと。売上高の単純合計は約1800億円で、業界シェアの3割を占めるとのこと。規模拡大をテコに効率化を進め、海外での事業展開も加速するとのこと。29日に発表するとのこと。

 

  • 回転ずしチェーン最大手、あきんどスシローと5位の元気寿司が経営統合の方針を固めたことが28日、わかった

  • コメ卸最大手の神明(神戸市)がスシローの親会社株の3割超を新たに取得し、子会社である元気寿司との統合を主導する

  • 売上高の単純合計は約1800億円で、業界シェアの3割を占める

  • 規模拡大をテコに効率化を進め、海外での事業展開も加速する

  • 29日に発表する

  • 持ち株会社の下にそれぞれの事業会社を置き、今のブランドを維持する案が有力

 

 

スシローグローバルホールディングス株を売却するペルミラ、スシローを上場させ、最後は元気寿司との統合という形で、スシロー株売却でのイグジット。なかなか上手といえる。

さて、まずペルミラの話からいきましょう。

 

今回、スシローグローバルホールディングス株をペルミラが売却します。ペルミラとしては、スシロー売却で、遂にイグジットという形になるようです。

 

上記日経新聞によると、神明は10月をメドに、スシローグローバルホールディングス株の33%を英投資ファンドのペルミラなどから約400億円で買収するとのこと。そのうえで元気寿司を交えた3社で資本・業務提携し、統合の時期など詳細を詰めるとのこと。

 

  • 神明は10月をメドに、スシローグローバルホールディングス株の33%を英投資ファンドのペルミラなどから約400億円で買収する

  • そのうえで元気寿司を交えた3社で資本・業務提携し、統合の時期など詳細を詰める

 

ちなみに、以前にも書きましたが、ペルミラというファンドのおさらいをしておきましょう。

 

ペルミラといえば、ヨーロッパで超有名なプライベートエクイティーファンド

 

有名なので、ヒューゴボスへの投資があります。当時、ペルミラアドバイザーズとヒューゴボスの提携は、成功例としてあげられていました。現に、当時のヒューゴボスCEOであるクラウス=ディートリッヒ・ラースさん自身、インタビューでペルミラアドバイザーズとの提携が大成功だったと述べています

 

ペルミラは、今回話題のスシローでもうまくやってます。

 

まず、スシローの再上場に成功させた功績があります。大型の再上場でしたから、大きな話題となりました。

 

そして、今回、業界で有名な元気寿司とスシローの経営統合という形を作ることで、イグジットします。

 

これだけでかい話2つをまとめるペルミラは、やはりなかなか上手なファンドであるといえます。

 

 

スシローは業界ナンバー1は維持しつつ、今後はさらなる成長戦略として海外、特にアジアを考えていた。スシローは元気寿司と統合することで、元気寿司のアジアでの店舗運営、経営ノウハウを得て、出店を加速させる。

スシローが業界ナンバー1であることは有名な話です。私個人的にもよく行きますし、うまくて大変満足させてもらってます。

 

で、そんな業界ナンバー1のスシローも、今後の成長を考える時期に来ているわけです。

 

特に伸びしろがあるのは海外。というのも、あのスシローも、海外展開はほとんどしていないという現状があるから。韓国でスシローはいくつかやってるのは有名な話ですが、他がバンバンと出店しているのに比べると、あのスシローが海外ではその程度なのかといったところ。

 

で、海外といっても、以前からスシロー社長の水留社長がいっていたのは、特にアジアでやりたいということ。

 

今回経営統合する元気寿司、ここはアジアでずいぶんと先行しています。ここがまさにミソ

 

上記日経新聞によると、スシローは約480店舗のほとんどが国内にあり、元気寿司は全店舗の約半分にあたる約170店を海外で出しているとのこと。規模拡大や仕入れ先の共通化でコストを削減できるうえ、海外出店のノウハウを共有できる利点があるとみているとのこと。

 

  • スシローは約480店舗のほとんどが国内にあり、元気寿司は全店舗の約半分にあたる約170店を海外で出している

  • 規模拡大や仕入れ先の共通化でコストを削減できるうえ、海外出店のノウハウを共有できる利点があるとみている

 

ハワイやらシンガポールやら、元気寿司はアジアでまさに「元気」にやってます。170店舗も海外ということで、海外ノウハウはばっちりあるでしょう。

 

スシローとしては、このあたりのノウハウを得ることで、今後は自らもアジアでの出店を加速していくということになります。

 

 

渋谷の元気寿司とは外国人とよくいったが、けっこう喜ばれる。元気寿司の高速レーンは外国人ウケすることが多い。元気寿司はスシローと組むことで、味のクオリティーは変化するのだろうか。

ところで、私はスシローによく行くと書きましたが、外国人が一緒にいるときは、元気寿司によく行きます。

 

特に、渋谷の元気寿司。あそこはよく行きます。

 

高速レーンで届けてくれるあのおもしろさ、あれは外国人にけっこうウケます。

 

スシローと元気寿司が経営統合することで、仕入れ先の共通化。

 

元気寿司の味は変化するのかどうか。このあたりにも注目したいところ。

 

スシローと元気寿司の経営統合のゆくえは。要注目です。

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