武田の買収。
今回は、武田がTiGenix社を買収するという話。
消化器系疾患分野の話、具体的には、クローン病専門性強化ですね。
欧州でも、注目されるでしょう。
武田がTiGenix NVを買収、約5億2000万ユーロ。
5日に武田薬品工業が発表したところ、武田薬品は、重篤な疾患に対して幹細胞を用いた新たな治療薬の開発を行う先進的なバイオ医薬品企業であるTiGenix NVを買収する予定とのこと。
公開買い付け価格は1株当たり1.78ユーロとのこと。買い付け合計額は約5億2,000万ユーロ(見込み)とのこと。
重篤な疾患に対して幹細胞を用いた新たな治療薬の開発を行う先進的なバイオ医薬品企業であるTiGenix NVを買収する予定
買い付け価格は1株当たり1.78ユーロ
買い付け合計額は約5億2,000万ユーロ(見込み)
5億2000万ユーロというと、だいたい700億円ほど。
武田のTiGenix買収、選択と集中の武田、今回は消化器系疾患分野が焦点
以前にも買収の度に何度か書きましたが、武田は選択と集中をしています。
武田の集中分野、それは、
- がん
- 消化器系疾患
- 中枢神経系疾患
中でも、今回の買収は、消化器系疾患の話となります。
武田が買収するTiGenixの強みは、クローン病に伴う肛囲複雑瘻孔の治療薬Cx601
消化器系疾患の話と書きましたが、これは、今回武田が買収するTiGenixの強みがクローン病に伴う肛囲複雑瘻孔の治療薬Cx601にあるからです。
肛囲複雑瘻孔とはなんでしょうか。これは今回買収する武田の説明が分かりやすいです。
武田曰く、肛囲複雑瘻孔は、クローン病に伴う最も重い症状のひとつと考えられており 、激痛、感染症、失禁を伴うことがあるとのこと。治療薬や外科的治療法の進歩にも関わらず、現在もなお治療困難であり、患者さんの生活に深刻な影響を及ぼしているとのこと。
肛囲複雑瘻孔は、クローン病に伴う最も重い症状のひとつと考えられており 、激痛、感染症、失禁を伴うことがあります
治療薬や外科的治療法の進歩にも関わらず、現在もなお治療困難であり、患者さんの生活に深刻な影響を及ぼしています
激痛、失禁など大変そうな話です。
というわけで、消化器系疾患分野、クローン病に伴う分野となります。
あと、重要な点。それは、以前から武田はTiGenixと共に手を組んでいるという点。
遡ること2016年、今回話題のCx601について、武田は米国外の独占的開発・販売権に関する契約を締結しています。
そして、昨年12月には、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)が、Cx601の承認を推奨する見解を示したとしています。
また、武田の発表では、Cx601に対する欧州委員会の承認は2018年の前半を見込んでいるとしています。
2016年7月、武田薬品とTiGenix社は、TiGenix社の有望な新薬候補であるCx601について、米国外の独占的開発・販売権に関する契約を締結しました
2017年12月、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)は、Cx601の承認を推奨する見解を示しました
Cx601に対する欧州委員会の承認は2018年の前半を見込んでいます
というわけで、この時期にTiGenix社を買収するというのもおもしろい。
ちなみに、欧州では、多くのクローン病がおり、その数も増えています。
その点については、武田のヨーロッパ&カナダビジネスユニットのプレジデントであるマーク・プリンセン氏が以前、武田がTiGenix社とライセンス契約を締結した際に述べています。
マーク・プリンセン氏によると、欧州では約100万人がクローン病に罹患しており、患者数が増加しているとのこと。
欧州では約100万人がクローン病に罹患しており、患者数が増加している
今回買収するのは欧州のベルギーの会社なので欧州が重要なわけですが、クローン病というテーマは欧州でも重要視されているのはうかがえます。
武田のTigenix社買収のゆくえは。要注目です。