トルコクーデターの黒幕は一体誰なのか。エルドアン大統領曰く、ギュレン運動とのこと。一体ギュレン運動とは何なのか。

 

ギュレン運動が今回の事件を主導したとエルドアン大統領は主張

7月16日に時事通信が報道したところ、エルドアン大統領が今回のクーデターを主導した黒幕は、イスラム団体である、ギュレン運動とのこと。エルドアン大統領と確執があることで知られているとのこと。政権は今後一層ギュレン運動支持者への弾圧を加速させる模様。

 

  • トルコのエルドアン大統領が今回のクーデターを主導した黒幕と主張しているのがイスラム団体「ギュレン運動」

  • エルドアン氏との確執

  • ギュレン運動支持者への締め付け、弾圧

  • 政権は今後一層その動きを加速

 

ギュレン運動支持者、次々と拘束される

上記ロイターによると、トルコ当局は、ギュレン運動支持者を拘束しているとのこと。しかし、ギュレン運動側は関与を否定。むしろ反クーデターとも思える発言をしているとのこと。

 

  • トルコ当局は、クーデターの企てに関わったとしてギュレン運動支持者を次々拘束

  • ギュレン運動側は関与を否定

  • 「トルコの内政へのいかなる軍事介入も非難する」

  • むしろ反クーデターの立場

 

 

そもそも、ギュレン運動とは一体何なのか

ここが一番のミソでしょう。これに関しては、2014年の日経新聞のコラムニストである、脇祐三氏の記事が個人的には分かりやすいので、これを今回は引用します。

 

ギュレン運動というのは、有力な宗教指導者で現在は米国のペンシルベニア州に住むフェトフッラー・ギュレン師を信奉する人たちのネットワークを指す。日本の創価学会のような組織と説明するトルコ研究者もいるが、明確な組織が存在するわけではない

 

さらに、脇氏は、ギュレン運動の影響力の大きさをこのように説明しています。

 

ギュレン運動は国内で有力大学への進学実績が優れた私立高校、有力な大学進学予備校、多数の塾などを運営する。全国から優秀な生徒を集めて奨学金を与え、エリートを育てて警察や検察を含む政府機関などに送り込む。国外でも多数の教育機関を運営し、世界各国にあるトルコ語学校の多くもギュレン系といわれている。

 

というと、エリートになったギュレン運動支持者は、内部の主要機関にも多く存在しているとみていいでしょう。さらに、ギュレン運動の考え方としては、下記のようなものだと説明しています。

 

ギュレン師が説くのは、日常生活でのイスラム的な倫理の実践、市場経済の尊重、現代世界と調和する開かれたイスラムをめざすことなどだ。世俗主義を国是とするトルコで、静かに人の内面からイスラム復興を進める発想と言ってもいい。

 

実に難しい対立。エルドアン大統領が影響力を強めようとしている一方で、このような動きに反対するのがギュレン運動です。最近の対立で一番有名なのが、2013年のエルドアン大統領汚職疑惑。あのときも、エルドアン大統領は、ギュレン運動の企みだと言っていました。結局ギュレン運動が本当に事件の黒幕なのか、今後に注目です。

 

 

[更新] ギュレン師の引き渡しを数日以内に正式に要求するとエルドアン大統領が発言。犯罪人引渡し条約に基づく。

CNN(英語)によると、エルドアン大統領は、米国側に、ギュレン師の拘束、及び引き渡しを数日以内に正式に要求すると言ったとのこと。これで、もし拒否したらどうするかと聞くと、エルドアン大統領は、犯罪人引き渡し条約を引き合いに出し、アメリカは応じるべきだとの考えを示したとのこと。

 

これはけっこう外交問題にも発展してきそうな感じになりました。

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