怪しい。
パナマ文書分析で、浅川和彦受刑者が登場
7月28日にロイターが報じたところ、パナマ文書分析により、元AIJ投資顧問の巨額年金資産消失事件で懲役15年の判決を受けた浅川和彦元AIF社長が、2つの回避地法人を所有していたことが28日に分かったとのこと。
タックスヘイブン(租税回避地)に関するパナマ文書分析
旧AIJ投資顧問の巨額年金資産消失事件で懲役15年の判決
元社長浅川和彦受刑者(64)が二つの回避地法人を所有していたことが28日、新たに分かった
この人は半端なく怪しい。消えた年金問題とこのタックスヘイブンの法人は関係がある可能性が高いのではないでしょうか。
直前の取材では、法人はもう稼働しておらず、口座に金は残っていないと説明
上記ロイターによると、浅川受刑者は22日に収監、直前の取材では、199年代半ばにバージン諸島の2邦人を買収し、株価操作などで利用していたと認めたとのこと。ただ、AIJとは関係がなく、法人はもう稼働しておらず、口座に金は残っていないと説明したとのこと。
浅川受刑者は22日に収監
直前の取材に対し、1990年代半ばに英領バージン諸島の2法人を買収し株価操作などで利用していたと認めた
ただAIJとは関係がないと強調
法人はもう稼働しておらず、口座に金は残っていない
浅川和彦受刑者とはそもそも誰か
この浅川氏は、野村証券など、いくつかの証券会社を渡り歩いていたことは有名です。いちようその道の専門家ではあるわけです。その後、AIJ投資顧問の社長に就任。活躍したと思いきや、年金資産消失事件がでます。これは年金運用資産のほとんどが消失しているというもの。
今年、上告が棄却され、懲役15年の判決を受けています。日経新聞によると、判決としては、浅川氏含む3人は、2009年から2012年の間、17の年金基金に虚偽の運用実績を示し、水増し価格でファンドを販売して合計248億円をだまし取ったとのこと。
浅川被告ら3人は2009~12年、17の年金基金に虚偽の運用実績を示し、水増し価格でファンドを販売して計約248億円をだまし取った
デリバティブ運用で失敗
日経新聞によると、AIJは長期にわたり、高い運用収益を上げていると虚偽の情報で資金を集めていたとしています。しかし、実際は2004年3月期から損失を計上しており、2008年のリーマン・ショックでデリバティブの価値が大幅に下落、運用損がさらに膨らんだとしています。これが理由でしょう。
長期にわたり高い運用収益を上げているとの虚偽の情報で資金を集めていた
実際は04年3月期から損失を計上していた
08年のリーマン・ショックでデリバティブ(金融派生商品)の価値が大幅に下落し、運用損がさらに膨らんだ
とりあえず、今回の2法人に関しては、徹底的に調べ上げてほしいですね。本当に金は全く残っていないか等。パナマ文書なしでは、このような事実も発覚しませんでした。パナマ文書はその意味で正義であるともいえます。
[更新] 年金資金消失事件、回収は7%、100億円にとどまる
11月26日にNHKが報じたところ、AIJに預けていたおよそ1450億円のうち、回収できたのは100億円程度にとどまったことが関係者への取材でわかったとのこと。
4年前に証券取引等監視委員会が公表した検査結果では、最大で250億円程度の資産が残されている可能性が示されていたとのこと。
- AIJに預けていたおよそ1450億円のうち、回収できたのは100億円程度にとどまったことが関係者への取材でわかった
- 4年前に証券取引等監視委員会が公表した検査結果では、最大で250億円程度の資産が残されている可能性が示されていました
これは怪しげなタックスヘイブンの口座も徹底的に調査しての結果なのでしょうか。1450億円のうち100億円しか回収できなかった。悲惨な話です。