富士フイルムには早く決算発表してほしい。
富士フイルム傘下の富士ゼロックスで起こった不適切会計処理疑惑。17年3月期の決算発表は延期され、5月にこの決算発表をする予定でいましたが、決算発表が6月以降になりそうというのが今回の話。
私の方でも富士フイルムを扱う機会が過去に何度かありました。
最近では、AIがん疑い判別で富士フイルムとオリンパスが組むという話を書きました。
[AIがん疑い判別、富士フイルムとオリンパスが組む] AIが、がんの疑いを判定する技術、実用化へ。内視鏡を使った検査、内視鏡の世界大手で連合。ペンタックスは連合に入っていないのか。
このようなおもしろい話がある一方での不適切会計疑惑の話であり、決算発表が延期されているわけですから、少し残念に思うところではあります。
今回の話には、東証が定める50日ルールというのが関わってくるということですが、これについてもたまにでてくるテーマですので、下記で豆知識として書いていきましょう。
富士フイルムの2017年3月期の決算発表は期末から50日以内に間に合わない見通し。富士フイルムの決算発表は6月以降か。
15日の日経新聞によると、海外子会社の会計問題で2017年3月期の決算発表を延期している富士フイルムホールディングスの前期決算は、東京証券取引所が上場企業に要請する本決算期末から50日以内に間に合わない見通しとのこと。
5月中をメドに事実解明を進める第三者委員会の報告を受け、前期決算を発表する予定だったものの、6月以降にずれ込む公算とのこと。
海外子会社の会計問題で2017年3月期の決算発表を延期している富士フイルムホールディングスの前期決算
東京証券取引所が上場企業に要請する本決算期末から50日以内に間に合わない見通しだ
6月以降にずれ込む公算だ。
5月中をメドに事実解明を進める第三者委員会の報告を受け、前期決算を発表する予定だった
豆知識: 決算の開示時期が期末後50日を超える場合は、延滞の理由及び、翌期以降の開示時期の見込みまたは計画についてもを開示しないといけない。ただ、書類自体は極めて形式的なものと考えられる。
今回の話は、富士フイルムの決算が、東証が要請する50日以内に間に合わないという話。
期末後50日以内に間に合わないとなると、どうなるのでしょうか。
まず、富士フイルムは、
- この延滞の理由を説明しないといけなくなります。
あともう一つ。富士フイルムは、
- 翌期以降の開示時期の見込みまたは計画についてもを開示しないといけなくなります。
ただ、内容としては通常、相当形式的なものとなるでしょう。
超大雑把に内容をイメージすると、下記のような感じでしょうか。
遅延の理由について
〇〇の調査で、〇〇の金額が乖離しており、影響を適切に認識するために日数を要したため、遅延することとなりました。
これに、もう少し具体的に何が問題か(今回の場合だと、富士ゼロックス子会社のリース取引について)などが付け足されるわけです。
あと、翌期以降の開示時期の見込みまたは計画についての開示に関しての話もいえば、だいたい下記のようなセリフが入ってます。
今後の四半期決算及び本決算の開示時期につきましては、ともに期末後45日以内の開示を行う計画であります。
というか、翌期以降も遅延するのでよろしく、みたいなことが書けるわけもなく、結果としてこういうお決まりの表現になるわけです。
余談: 決算が長引くのは好ましくない。富士フイルムにとって重要なのは、不正会計があったならその影響額はいったいいくらなのか、そして、富士ゼロックスという巨大な子会社のガバナンスをコントロールできているのか、これらを一刻も早く示すこと。
今回関わってるのは、富士フイルム傘下の富士ゼロックスの子会社となります。
富士ゼロックスというと富士フイルムの主要子会社。超巨大な会社なので、富士フイルムにも相当な影響力があります。
そんな超巨大な子会社で起こっている不適切会計疑惑。
富士フイルムが富士ゼロックスのガバナンスまできちんとコントロールできているのか、このあたりもポイントになってきます。
超巨大子会社をめぐる話は最近いろいろあったので、そういう意味も考えると、富士フイルムはとにかく早く決算発表したほうがいいに決まってます。
あと、やはり連結業績に与える影響額。純利益ベースで累計約220億円が過大計上の可能性という話が以前出ましたが、これは本当なのか、実際のところはどうなのか。
富士フイルムの今後の決算発表に要注目です。