武田の選択と集中はチャンスなのか。

 

武田、欧州の研究開発拠点を閉めて、日米の2か国体制に

日経新聞によると、29日、武田薬品工業は研究開発拠点を集約すると発表したとのこと。欧州の研究開発拠点は占めて、日米の2か国体制に改めるとのこと。ただ、グローバルで数千人いる研究員は原則減らさず、配置転換で対応するとのこと。米国のボストンと日本の湘南研究所が中核拠点となるとのこと。英国の研究開発機能は日米に移すとのこと。

  • 研究開発拠点を集約すると発表

  • 欧州の研究開発拠点を閉めて日米の2カ国体制

  • グローバルで数千人いる研究員は原則減らさず、配置転換で対応

  • 米国のボストンと日本の湘南研究所(神奈川県鎌倉市)を中核拠点

  • 英国にある研究開発機能を日米に移す

 

武田が選択と集中したということでしょうか。ただ、英国という点に関していえば、やはり英国のEU離脱の影響があったと思われます。下記参照。

 

 

なぜ武田は研究開発拠点を集約するのか

上記日経新聞を私の方でまとめてしまうと、拠点当たりの人員を増やすことで、

  • 研究員同士の情報交換を活発化
  • 研究開発体制の最適化を目指す
  • 3万分の1とされる創薬の成功確率を高める研究開発体制を構築
  • 研究開発分野の絞り込みも検討する

 

とのこと。

  • 拠点あたりの人員を増やして、研究員同士の情報交換を活発化、研究開発体制の最適化

  • 拠点の集約により、3万分の1とされる創薬の成功確率を高める研究開発体制を構築

  • 研究開発分野の絞り込みも検討

 

 

拠点集約にかかる費用等は

上記日経新聞によると、拠点集約関連費用は合計750億円海外の拠点を閉めたり、研究員を日米に移したりする費用とのこと。750億円のうち、最大約250億円は2016年に計上を想定、残りの約500億円は2017年に計上予定とのこと。再編後は、年間180億円のコスト削減効果を見込むとのこと。

  • 2016年度に最大約250億円、17年度に約500億円の計上を想定

  • 拠点の再編後は年間180億円のコスト削減効果

 

 

英国EU離脱の影響もあったと思われる

これ何も書かれてないですけど、おそらく、英国のEU離脱の影響も理由の一つだと思いますよ。推測ですが。というのも、これ研究開発拠点の話ですから。しかも研究員を英国から丸ごと移すわけでしょう。

 

要は、現在英国ってのはEU内のルールで新薬の承認なんかもされてるわけです。このルールからもし抜けてしまうと、EUではまた別ルールで承認してもらわないといけないとか、いろいろ大変な事態が起こりうる可能性があるわけです。こういったこともいろいろ考えたうえでじゃないでしょうか。

 

 

[追記] ウェバー社長CEOは英国のEU離脱の影響は関係ないと否定

ロイターによると、ウェバー社長CEOは英国の研究拠点閉鎖は、EU離脱とは全く関係ない、と述べたとしています。

 

  • クリストフ・ウェバー社長CEOは「英国の研究拠点閉鎖は、欧州連合(EU)離脱とは全く関係ない」

 

このように言ってはいるものの、上記に書いたように、現実はEU離脱も理由の一つと私は推測しています。ただ、経営資源の集中も別の理由です。それが下記。

 

 

武田が集中したい領域はがん、消化器系疾患、中枢神経系疾患の3つ

上記日経新聞によると、武田が集中したい領域として、

  • がん
  • 消化器系疾患
  • 中枢神経系疾患

の3つがあげられています。

 

  • 武田は「がん」「消化器系疾患」「中枢神経系疾患」の3つを重点疾患領域に

 

これも大きなテーマの一つ。この3つに集中させるために、研究開発拠点も集中ということでしょう。例えば、武田は今年、糖尿病研究を中止しています。上記3つに資源を集中させるためです。

 

これがうまくいくのか、いかないのか。今後に注目です。

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