インサイダー。
東洋ゴム工業では免震装置不正が大きな話題になりました。なんと、それに関わる情報でインサイダー取引があったという、しょうもない話です。
話の前提: 昨年3月、東洋ゴム工業は、データの改ざんなどで国に認定された性能を満たしていない免震装置を製造販売していたことを公表
これ大きな話題になったので、多くの方は覚えてると思います。
NHKによると、東洋ゴム工業は、去年3月、データの改ざんなどで国に認定された性能を満たしていない免震装置を製造販売していたことを公表したとのこと。
東洋ゴム工業は、去年3月、データの改ざんなどで国に認定された性能を満たしていない免震装置を製造販売していたことを公表
で、今回は、まさかこの情報に関わるインサイダーがあったという話。
東洋ゴム工業が免震装置を不正に製造販売していた問題で、この情報が公表前にインサイダー取引に使われていた
8月23日にNHKが伝えたところ、証券取引等監視委員会によると、東洋ゴム工業が免震装置を不正に製造販売していた問題で、この情報が公表前に子会社の社員から外部に漏れ、インサイダー取引に使われていたとのこと。
東洋ゴム工業が免震装置を不正に製造販売していた問題
この情報が公表前に子会社の社員から外部に漏れ
インサイダー取引に使われていた
不正問題公表すれば株価なんて下がるに決まってます。で、この公表前の情報で、株価が下がる前に売ってしまおうと。
なんでこんなにバレバレなことするんでしょうか。お金が絡むと人は正気でなくなるのでしょうか。
とりあえずまずは事件の詳細を見ましょう。
証券取引等監視委員会は東洋ゴム工業子会社の取引先の役員に対し、160万円余りの課徴金の納付を命じるよう金融庁に勧告
上記NHKによると、証券取引等監視委員会は、東洋ゴム工業子会社の取引先の役員に対し、160万円余りの課徴金の納付を命じるよう金融庁に勧告したとのこと。
証券取引等監視委員会は子会社の取引先の役員に対し、160万円余りの課徴金の納付を命じるよう金融庁に勧告
160万円の課徴金であることはわかりました。では、どれくらいの損失を免れたのでしょうか。それが下記。
東洋ゴム工業インサイダー取引で、男性役員は120万円余りの損失を免れた
上記NHKによると、東洋ゴム工業の株価は、問題が公表されたあと大きく値下がりし、この子会社の取引先の男性役員は120万円余りの損失を免れたとのこと。
東洋ゴム工業の株価
問題が公表されたあと大きく値下がり
この子会社の取引先の男性役員は120万円余りの損失を免れた
このあたりの株取引については、下記で書きます。
どのように東洋ゴム工業インサイダー取引は起こったのか。なぜ東洋ゴム工業インサイダー取引は起こったのか。
上記NHKによると、証券取引等監視委員会曰く、東洋ゴム工業が社内に設けた対策本部のメンバーだった子会社の社員が、事前に取引先の会社の役員に情報を漏らしていたとのこと。
さらに、この役員から情報を伝え聞いた同じ取引先の別の50代の男性役員が、問題が公表されるおよそ5時間前に保有していた東洋ゴム工業の株をすべて売却していたとのこと。
証券取引等監視委員会によりますと、東洋ゴム工業が社内に設けた対策本部のメンバーだった子会社の社員が、事前に取引先の会社の役員に情報を漏らしていた
この役員から情報を伝え聞いた同じ取引先の別の50代の男性役員
問題が公表されるおよそ5時間前に保有していた東洋ゴム工業の株をすべて売却していた
これは何回か情報が伝わってからのインサイダーですね。
まとめると、以下の通り。
東洋ゴム工業で不正。
↓
対策本部設置。メンバーの一人は子会社の社員。
↓
この子会社の社員が、取引先の役員に情報を伝達。
↓
この役員から情報を伝えられた、同じ取引先の役員が、株を売却。
課徴金を受けたのは、最後の人
最後の人が課徴金を受けてます。ただ、その前になぜ情報がこう伝達されていたのか、これはけっこう謎です。
東洋ゴム工業インサイダーをめぐる株価推移
なお、証券取引等監視委員会の株価推移を私の方で再度まとめますと、
3月13日(金) 2771円
3月16日(月) 2424円
3月17日(火) 2406円
3月18日(水) 2307円
で、上記証券取引等監視委員会によりますと、3月13日午後3時20分頃より前の同日午前10時22分頃、自己の計算において、東洋ゴム株式合計2500株を売付価額合計693万9800円で売り付けたものであるとのこと。
3月13日午後3時20分頃より前の同日午前10時22分頃、自己の計算において、東洋ゴム株式合計2500株を売付価額合計693万9800円で売り付けたものである。
2500株売りつけですか。ちなみに、上記証券取引等監視委員会によると、3月16日の始値はストップ安(2271円)だったようです。
公表前情報の扱いには相当な注意を
これは、うっかりインサイダーではありません。公表前情報が洩れて伝わって、それが利用されたという話です。
公表前情報というのは、本当に注意して扱われなければなりません。