日本の生損保による海外買収で買収過去2番目の大きさ。

 

SOMPOホールディングス傘下の損害保険ジャパン日本興亜が米国の企業保険大手エンデュランス・スペシャルティ・ホールディングスを買収する方針を固めた

日経新聞によると、SOMPOホールディングス傘下の損害保険ジャパン日本興亜は4日、米国で事業を展開する企業保険大手エンデュランス・スペシャルティ・ホールディングスを買収する方針を固めたとのこと。

 

  • SOMPOホールディングス傘下の損害保険ジャパン日本興亜は4日

  • 米国で事業を展開する企業保険大手エンデュランス・スペシャルティ・ホールディングスを買収する方針を固めた

 

今年は保険の大型M&Aがありませんでした。そこへきて、今回の損保ジャパンの話。さて、気になる買収金額は。

 

 

損害保険ジャパン日本興亜(損保ジャパン)の米大手買収額は

上記日経新聞によると、買収額は65億ドル(約6500億円)程度とのこと。

 

  • 買収額は65億ドル(約6500億円)程度

 

6500億円で米大手買収。これはでかい。どれくらいでかいか。上記日経新聞によると、この買収額は、国内生損保による海外買収としては東京海上日動火災保険による米HCCインシュアランス・ホールディングス買収に次いで過去2番目の規模となるとのこと。

 

  • 国内生損保による海外買収としては東京海上日動火災保険による米HCCインシュアランス・ホールディングス買収に次いで過去2番目の規模

 

損保ジャパンはえらい勝負に出ましたね。

 

ところで、損保ジャパンは昨年12月のことですが、フランスのスコールに追加出資をして持分法適用会社にしようとしていましたが、これを見送りました。そんな話も1年もしないうちにあったので、今回はばっちりと決めて欲しいところです。

 

 

損害保険ジャパン日本興亜(損保ジャパン)はなぜ米国の保険会社を買収するのか。ライバルの東京海上を意識して米国で勝負しにきているようにもみえる。

ここまでみて、個人的に関心がある2つのポイントを示したいと思います。それが、

 

  1. 損保ジャパンが米国の大手保険会社を買収する
  2. 損保ジャパン米国大手買収に、ライバル東京海上の影がちらつく

 

 

ポイント1 損保ジャパンが米国の大手保険会社を買収する。なぜ米国なのか。特殊(スペシャルティ)保険との関わり。

興味深い点の一つ目が、今回損保ジャパンが米国の大手保険会社を買収するという点です。ここで気になるのがなぜ米国なのか。これまでは英ロイズ保険市場が中心でしたから。

 

日経新聞によると、国内損保の視線はここ数年、世界最大級の英ロイズ保険市場に向いていたとのこと。ただ国内の大手損保3グループが昨年までの大型買収でロイズに足場を築いた今、狙いは米国市場に向き始めているとのこと。

 

米社が得意とする農業保険や役員賠償責任保険など「特殊(スペシャルティ)保険」と呼ばれる専門性の高い保険商品は、自動車保険や火災保険主体の日本の損保の苦手な分野とのこと。

 

  • 国内損保の視線はここ数年、世界最大級の英ロイズ保険市場に向いていた

  • ただ国内の大手損保3グループが昨年までの大型買収でロイズに足場を築いた今、狙いは米国市場に向き始めている

  • 米社が得意とする農業保険や役員賠償責任保険など「特殊(スペシャルティ)保険」と呼ばれる専門性の高い保険商品は、自動車保険や火災保険主体の日本の損保の苦手な分野

 

つまりは、ロイズ市場にはもう進出したから、次の関心ごとは日本が不得意とするが米国が得意とするスペシャルティであるということです。

 

 

損害保険ジャパン日本興亜(損保ジャパン)が買収するエンデュランスの特徴は。サイバー攻撃保険や農業の保険なども。

さて、スペシャルティ狙いであることは分かりましたが、今回担保ジャパンが買収する会社もスペシャルティに強いのでしょうか。

 

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上記日経新聞によると、エンデュランスの総資産は148億ドル(約1.5兆円)とのこと。世界中のリスクが取引されている英国のロイズ保険市場やスイス、シンガポールにも拠点を持つが、米国が主力とのこと。

 

サイバー攻撃に対応した保険や賠償責任保険、不作だった時に農家の収入を補償する保険といった新種の成長分野の企業向け保険を得意とするとのこと。

 

  • エンデュランスの総資産は148億ドル(約1.5兆円)

  • 世界中のリスクが取引されている英国のロイズ保険市場やスイス、シンガポールにも拠点を持つが、米国が主力

  • サイバー攻撃に対応した保険や賠償責任保険、不作だった時に農家の収入を補償する保険といった新種の成長分野の企業向け保険を得意とする

 

サイバー攻撃の保険やら農業の保険。確かにスペシャルティですね。おもしろそうな話です。

 

 

ポイント2 損保ジャパン米国大手買収に、ライバル東京海上の影がちらつく

さて、上記に示したもう一つのポイント。それは、今回の損保ジャパンの米国大手買収は、ライバルである東京海上を意識している感じがするからです。これは当然と言えば当然ですが、あらためて今回はそう感じます。

 

東京海上ってのは、米国がけっこう強い。昨年の最大の買収であった、HCCインシュアランス・ホールディングスは米国です。さらにいえば、過去には米国のフィラデルフィアデルファイなんかも買収してます。

 

そこへ、今回損保ジャパンが米社の大型買収を仕掛けました。やはり東京海上に負けてられないという思いもあるのでしょう。

 

 

損害保険ジャパン日本興亜(損保ジャパン)はどのようにエンデュランスを買収するのか

上記日経新聞によると、5日にも合意し、発表するとのこと。エンデュランスは米ニューヨーク証券取引所に上場しているが、登記上の本社を置く英領バミューダの会社法に基づき、TOB(株式公開買い付け)をかけずに全株を取得するとのこと。買収手続きは今年度内に完了する見通しとのこと。

 

  • 5日にも合意し、発表

  • エンデュランスは米ニューヨーク証券取引所に上場

  • 登記上の本社を置く英領バミューダの会社法に基づき、TOB(株式公開買い付け)をかけずに全株を取得する

  • 買収手続きは今年度内に完了する見通し

 

バミューダですか。バミューダと聞くとちょっと別のイメージを持ちますが、このあたりの詳しい説明も5日か今後あるでしょう。

 

低金利が与える影響というのは私の方でもよく指摘していますが、あと人口減少も重なり、生損保は海外にも関心を持っています。今後、他社も動くのか、要注目です。

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