アブ・イザディーン師は今回の容疑者ではなかったようだ。これはやってしまった誤報。

 

ベルギーテロから1年。ロンドンで事件が起こりました。その容疑者は、知る人はよく知る有名な過激な人物である、アブ・イザディーン師である、という報道が一部報道機関からなされました(下記参照)。

 

私はこの報道を聞いた時、仰天しました。というのも、この容疑者、よく知られている人物(過激な発言で有名)だったからです。

 

ただ、アブ・イザディーン師が今回の容疑者であるというのは、どうも誤報だったようです。ここでさらなる仰天。

 

 

話の前提: イギリスのロンドン中心部、国会議事堂近くでテロ事件

英国メディアが報じているところ、22日、ロンドン中心部にある国会議事堂周辺で襲撃事件が発生。複数名の死傷者が報告されています。全容が明らかになるまでは、テロ事件として扱われるとされています。

 

 

話の前提: 英国会議事堂近くでの襲撃事件、警官含む、少なくとも4名が死亡

現時点で4名の死亡が確認されています。4名の中には、容疑者により刃物で襲撃された警官が含まれています。

 

なお、容疑者は、車を運転し、人々をはねています。これによる多数のけが人もいます。

 

少なくともなので、まだ増える可能性があります。

 
 
 

英国会議事堂付近でのテロ事件、容疑者はアブ・イザディーン師と報道される。アブ・イザディーン師は、テロ称賛などをするイスラム教指導者としてよく知られている。

さて、ここから。

 

チャンネル4やインディペンデント紙が報じたところ、容疑者はアブ・イザディーン容疑者。この人物、知る人ぞ知る、過激な人物です。

 

アブ・イザディーン師は、テロ称賛などをするイスラム教指導者。かすかに名前を憶えている方もいるかもしれません。2005年に大きな話題を呼びました。2005年当時、ロンドン同時テロがありました。この際、英国の当局が、18世紀の反逆罪などを使って、テロを称賛するイスラム教指導者を立件しようとしていました。

 

18世紀の法律という点が非常に興味深かったので、大きな話題になったわけですが、この時に当局が立件しようとしていたイスラム教指導者の1人が、容疑者としてあがったアブ・イザディーン師です。

 

2005年の四国新聞社によると、英各紙は、当局が立件を狙っているのは、同時テロなどを称賛、擁護する発言を繰り返すオマル・バクリ師、アブ・イザディーン師、アブ・ウザイール師の3人だと報じたとのこと。

 

  • 8日付の英各紙は、当局が立件を狙っているのは、同時テロなどを称賛、擁護する発言を繰り返すオマル・バクリ師、アブ・イザディーン師、アブ・ウザイール師の3人だと報じた

 

何が言いたいのかというと、この人物は、もう長いこと当局からマークされていたテロを称賛するとされる過激なイスラム教指導者ということです。

 

 

アブ・イザディーン師は英国会議事堂近くの襲撃事件の容疑者ではない。アブ・イザディーン師は刑務所の中。容疑者の誤報。チャンネル4とインディペンデント紙などの誤報。

さて、この容疑者名を報じたのは、私が知っている限りでは、チャンネル4とインディペンデント紙。これ以外でもあるかどうかは今のところ不明。

 

で、分かったのは、これが誤報だったということ。

 

ニューヨークポストなどが報じたところ、BBCなどは、2016年にアブ・イザディーン師が逮捕され、2年間の刑務所行きを言い渡されたとしています。

 

そう、アブ・イザディー師は刑務所の中にいたわけです。そんな人物が犯行できない、と。

 

とんでもない誤報。こういった誤報はちょっと怖い。特に固有名詞を報じる際は、しっかり裏を取ってもらいたいですね。

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