8割強が早期退職制度の対象になるという話。
武田テバファーマ。武田という日本で誰もが知る会社と、後発薬世界最大手のテバ・ファーマシューティカル・インダストリーズが組んだことで大きな話題となった会社ですが、今回は早期退職制度を導入するという話です。
この話のついでに、テバであった「あの話」も思い起こしてみると、より興味深いかと思います。
武田テバファーマが35歳以上の正社員を対象とした早期退職制度導入へ
日経新聞によると、武田薬品工業とイスラエルのテバ・ファーマシューティカル・インダストリーズが共同出資する武田テバファーマ(名古屋市)は35歳以上の正社員を対象とした早期退職制度を導入するとのこと。
武田薬品工業とイスラエルのテバ・ファーマシューティカル・インダストリーズが共同出資する武田テバファーマ(名古屋市)は35歳以上の正社員を対象とした早期退職制度を導入する
35歳以上の正社員が対象。30代での早期希望退職となると、やはり若いなぁと感じます。
まず、なぜ武田テバファーマが早期退職制度を導入するのかについて見てみましょう。
豆知識: なぜ武田テバファーマは早期退職制度を導入するのか。田辺三菱製薬は後発薬事業から撤退している。薬価制度改定による競争激化、収益悪化が想定される。
なぜこのような早期退職制度が導入されるのか、ここを整理してみましょう。
上記日経新聞によると、薬価の毎年改定を18年度から実施する方向で議論が進んでおり、特許切れ薬の収益悪化が見込まれるとのこと。主力とする後発医薬品も製薬大手が事業強化に乗り出しており競争が激化しているとのこと。
「組織をスリム化して機動力を高める」(松森浩士最高経営責任者兼社長)のが狙いとのこと。
主力とする後発医薬品は競争激化が見込まれる
「組織をスリム化して機動力を高める」(松森浩士最高経営責任者兼社長)のが狙い
薬価の毎年改定を18年度から実施する方向で議論が進んでおり、特許切れ薬の収益悪化が見込まれる
後発薬も製薬大手が事業強化に乗り出しており競争が激化している
薬価制度改定のため、収益悪化が見込まれるという話。
これはそのとおりでしょう。
例えば、田辺三菱製薬は後発薬事業から撤退という話がついこの前出ました。この際も、薬価引き下げによる競争激化(すなわち収益低下)という話でした。
何も武田テバだけでなく、多くの後発薬事業をもった会社は、競争激化を想定しているところでしょう。
考察: 武田テバファーマの51%出資会社であるテバ・ファーマシューティカル・インダストリーズは、最大6000人の削減計画があるとイスラエル紙が報じていたが、テバはこれを否定していた。後発薬世界最大手ではあるが、テバにとっては厳しい状況が続いている。田辺三菱製薬が後発薬事業から撤退
上記では、競争激化という話がでました。
ただ、個人的にはもう1点、気になっている点があるわけです。
それが、武田テバの51%出資会社である、テバ・ファーマシューティカル・インダストリーズの人員削減計画の噂(後に否定)について。
これはイスラエルででかいメディアが1か月ちょい前に報じた話。テバが最大6000人の人員削減計画しているとし、話題になりました。
ただ、直後に、テバは6000人削減の計画はないとコメントしています。
とりあえず否定したことで、テバの下で働いている人はほっとしたことでしょう。
ただ、テバは後発薬世界最大手ではあるものの、かなり厳しい状況下にいます。いかに苦境なのかは、株価がそれをよく表しています。要するに、下がりまくってます。
否定されはしましたが、人員削減計画が存在してもおかしくないような状況なわけです。
テバは今後、どのように切り返すかに注目が集まっていると同時に、我々が認識すべきは、このテバこそ、武田テバファーマの51%の出資会社であるという点です。
武田は49%、それより若干多い、51%の出資会社がデバです。
テバの動きは、武田テバファーマにとっても大変重要であることはいうまでもありません。
武田テバファーマの早期退職制度対象者について
上記日経新聞によると、武田テバファーマの社員約2千人の8割強が早期退職制度の対象となるとのこと。募集人数は設定していない。子会社で特許切れ薬を提供する武田テバ薬品(滋賀県甲賀市)は対象外とのこと。同制度による退職希望の社員は希望を出した上で、会社の承認が必要となるとのこと。
武田テバファーマの社員約2千人の8割強が早期退職制度の対象となる
募集人数は設定していない
子会社で特許切れ薬を提供する武田テバ薬品(滋賀県甲賀市)は対象外
同制度による退職希望の社員は希望を出した上で、会社の承認が必要となる
今後、どの程度早期退職に希望する人が出るか、要注目です。