中国の投資ファンド登場。
昨年、日産が車載用電池事業から撤退するということで話題になりましたが、今回の売却話は、まさにこの話です。
売却間近なのは、神奈川県座間市にあるオートモーティブエナジーサプライという会社。買収しようとしているのが中国ファンドのGSR。けっこう有名なファンドですが、聞いたことない方もおられると思いますので、このファンドについても少し解説します。
日産自動車の車載用電池子会社の買収先は、中国の投資ファンドであるGSRグループか
27日の日経新聞によると、日産自動車が売却を検討していた車載用電池子会社について中国の投資ファンド、GSRグループと最終調整に入ったことが26日、明らかになったとのこと。売却総額は1100億円前後とみられるとのこと。
売却対象となっているのは2007年に設立したオートモーティブエナジーサプライ(AESC、神奈川県座間市)とのこと。
日産自動車が売却を検討していた車載用電池子会社について中国の投資ファンド、GSRグループと最終調整に入ったことが26日、明らかになった
売却総額は1100億円前後とみられる
売却対象となっているのは2007年に設立したオートモーティブエナジーサプライ(AESC、神奈川県座間市)
豆知識: 日産子会社を買収するGSRとは。GSRは滴滴出行に出資している。フィリップスの発光ダイオード(LED)照明部品事業買収は失敗に終わった。総じて、大きくやっている中国のファンドである。
さて、GSRは中国のファンドであることは分かりましたが、いったいどんなファンドか。
GSRはGSRキャピタルと呼ばれたりもします。私の方ではGSRで統一させていきましょう。
GSRはベンチャーファンドなどやってます。
GSRで私が即思いつくのは、滴滴出行への出資でしょうか。滴滴出行は中国の配車アプリ大手。
滴滴出行へは、アリババ、テンセント、アップルなど大手企業が出資していることで有名ですが、今回話題のGSRは滴滴出行への出資でしっかりと先行していました。このあたりは、かなり目の付け所がいいファンドであったといえます。
ただ、最近では買収交渉が終盤でつまづく例というのもあります。
例えば、フィリップスの発光ダイオード(LED)照明部品事業。ここは、GSRが買収すると当初こそされていたものの、最終的にはこの買収は失敗に終わっています。
上記日経新聞によると、GSRはIT(情報技術)や環境分野に強みを持つファンドで、米国や中国の車載用電池メーカーにも投資実績があるとのこと。AESCが持つ設計・生産ノウハウを取り込み、環境規制を背景にEV市場が拡大する中国で車載用電池の供給体制を構築する狙いがあるようだとのこと。
GSRはIT(情報技術)や環境分野に強みを持つファンドで、米国や中国の車載用電池メーカーにも投資実績がある
AESCが持つ設計・生産ノウハウを取り込み、環境規制を背景にEV市場が拡大する中国で車載用電池の供給体制を構築する狙いがあるようだ
GSRが買収するオートモーティブエナジーサプライ (AESC)とは。なぜ日産はオートモーティブエナジーサプライ (AESC)をGSRに売却するのか。中国では大気汚染が深刻というのも重要。
上記日経新聞によると、オートモーティブエナジーサプライは、日産が51%、NECグループが49%を出資し、主力EV「リーフ」向けの車載用リチウムイオン電池などを生産するとのこと。15年の車載用電池の世界シェアはパナソニックに次ぐ2位とのこと。
日産は外部調達に切り替えて電池のコストを引き下げ、次世代エコカーの本命と位置付ける電気自動車(EV)の価格競争力を高める狙いとのこと。
日産が51%、NECグループが49%を出資し、主力EV「リーフ」向けの車載用リチウムイオン電池などを生産する
15年の車載用電池の世界シェアはパナソニックに次ぐ2位
日産は外部調達に切り替えて電池のコストを引き下げ、次世代エコカーの本命と位置付ける電気自動車(EV)の価格競争力を高める狙い
あと、上記で環境規制を背景に中国ではEV市場が拡大、とありましたが、ここは非常に大きなポイントです。
中国の大気汚染がけっこうひどいというのは聞いたことがあるかと思いますが、これが理由で環境に配慮した車の普及が進んでいるわけです。今回日産が売却するのは車載用電池事業。電気自動車とつながってくる話であり、中国サイドが欲しいのも無理はないでしょう。
日産は米英に持つ車載用電池の生産設備についてもGSRと売却交渉。日産はリチウムイオン電池技術を使った電池の生産からは撤退へ。
上記日経新聞によると、日産は米英に持つ車載用電池の生産設備についてもGSRと売却交渉を進めているもようとのこと。現行のリチウムイオン電池技術を使った電池の生産からは撤退する方向とのこと。一方で新素材を使う次世代電池は自前での研究開発を続けるとのこと。
日産は米英に持つ車載用電池の生産設備についてもGSRと売却交渉を進めているもよう
現行のリチウムイオン電池技術を使った電池の生産からは撤退する方向とのこと。一方で新素材を使う次世代電池は自前での研究開発を続ける
日産は、米英にある生産設備含め、GSRに売却できるかどうか。要注目です。