バイエル、ドイツ企業最大の買収へ。
バイエルのおさらいをしておくと、バイエルはドイツ最大の化学、医薬会社です。農薬分野にも大変強いことで有名です。アスピリンという薬を聞いたことがあるかと思います。熱を下げる薬ですね。あれはバイエルの製品です。武田とかと比較になんないほどでかい会社です。世界トップ10に入る巨大製薬会社ですね。

 

ちなみに、バイエルはドイツのレバークーゼンってとこに本社があり、ここは私が勤めていたところのけっこう近くでした。だから車で高速走っていたりするとバイエル社が見えてくることがよくありましたが、それはそれは大きな会社で、高速から見えるバイエル社は圧巻そのものでした。

 

これだけ巨大企業だと、案件がいくらでもあります。詳しくは話せませんが、私の同僚のドイツ人で、バイエルとばっか仕事してる人とかもいましたね。個人的にはバイエルクロップサイエンスという農業関連の会社に知り合いがいました。その人は日本語がぺらぺらでしたね。元気にしているでしょうか。ともかく、バイエルはドイツのトップランナーの一社であるのは間違いないですね。

 

そんなバイエルですが、5月23日の日経新聞の記事によると、モンサントという企業を買収することにしました。

バイエルは今月10日、モンサントに対し、1株当たり122ドルでの全株買収を提案した。9日のモンサント株の終値に37%上乗せしており、20日終値から20%高い水準となる。独自路線を打ち出していたモンサント側の反応が焦点になる。

 ドイツ企業による国外企業の買収では、独ダイムラー・ベンツ(当時)が1998年に米クライスラー(同)を約400億ドルで事実上買収したのが最高額。バイエルの提案は過去最大になる。

 

さぁ、まずやっぱびっくりなのは、現金で!というところでしょう。現金で6兆8200億円って(笑)さすがですね。

 

で、当時話題になりまくったクライスラーの買収よりも今回は巨額ということです。

 

さて、このモンサントってどんな会社でしょうか。この会社は、現在世界ナンバー1シェアを誇る、バイオ企業です。この会社は遺伝子組み換え作物の種の開発などを手掛けています。

 

モンサントのホームページで見てみると、2015年8月の最終net salesが15,001 mil USD、つまりは150億ドルもあります。超巨大企業ですよ。2013年から2015年まではだいたいこのあたりを前後しています。また、会社によれば、モンサントは15億ドルもの資金を研究開発にあてているということ。だから、バイエルも彼らの知名度だけでなく、こういった彼らが研究しているあたりにも関心があることがうかがえます。

 

さて、この買収は成功するのか、見ものです。

 

それではまた!

 

追記:

その後、モンサントはバイエルの案を拒否しました。理由は、買収額が低くて過小評価されている、というもの。そして、買収金額の引き上げをせまりました。

 

日経新聞はその後、ウォール・ストリート・ジャーナルが、モンサントが買収案を再び拒否したと伝えた、と報道しました。これは、買収引き上げにバイエルが応じなかったからだ、と報じています。この買収劇は幕を閉じてしまうのか、注目です。

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