マレーシアの金融当局が承認。
三菱UFJ銀行、マレーシアで自動車ローン債権をイスラム金融方式で証券化する認可を取得
日経新聞によると、三菱東京UFJ銀行はマレーシアの金融当局から、同国の金融機関が持つ自動車ローン債権をイスラム金融方式で証券化する認可を取得したとのこと。
三菱東京UFJ銀行はマレーシアの金融当局から、同国の金融機関が持つ自動車ローン債権をイスラム金融方式で証券化する認可を取得
今回のポイントは、イスラム金融に邦銀が本格参入し始めたという話ですよ。
ところで、イスラム金融とマレーシア。この両者はきってもきれない関係です。
イスラム金融とマレーシア
マレーシアはQISMUT(キスマット)の一メンバーです。なぜイスラム金融が大事なのか、そして、それを主導するQISMUT(キスマット)とは何か。これについては、下記の記事でまとめました。
[時代先読み] QISMUT(キスマット)とイスラム金融のまとめ。QISMUT(キスマット)とはイスラム金融で成長が期待できる市場のこと
関心のある方はご一読ください。
さて、三菱UFJ銀行の今回の動きについて、まとめていきます。
三菱UFJ銀行がマレーシアの金融当局から認可された総額は5000億円
上記日経新聞によると、認可の総額は5000億円とのこと。同様の金融取引としては過去最大になるとみられるとのこと。
認可の総額は5000億円と同様の金融取引としては過去最大
でかいですね。イスラム金融の証券化ってややこしいから、あんまり本格的にやってるところってないんですよ。それが下記。
金融機関もイスラム金融方式の証券化業務に本格参入か
上記日経新聞によると、イスラム金融方式の証券化業務は高度なノウハウが必要なため、欧米の主要金融機関も本格的には参入していないとのこと。
イスラム金融方式の証券化業務は高度なノウハウが必要
欧米の主要金融機関も本格的には参入していない
イスラム金融で邦銀の存在感が増している
上記日経新聞によると、イスラム金融では、これまで欧州系金融が先行してきたが、近年は邦銀の存在感が増しているとのこと。
イスラム金融では、これまで欧州系金融が先行してきた
近年は邦銀の存在感が増している
三菱UFJ銀行のマレーシアでの自動車ローン証券化とは: 230億円分のイスラム債(スクーク)の発行
上記日経新聞によると、12日に第1号として現地金融大手のCIMBグループが持つ自動車ローン債権を対象に、230億円分のイスラム債(スクーク)を発行するとのこと。CIMBから債権の譲渡を受けた特別目的会社が証券を発行するとのこと。証券を年金基金などの機関投資家に販売した代金がCIMBに支払われる仕組みとのこと。CIMBは保有するローン債権を使って資金を調達することができるとのこと。
12日に第1号として現地金融大手のCIMBグループが持つ自動車ローン債権を対象
230億円分のイスラム債(スクーク)を発行
CIMBから債権の譲渡を受けた特別目的会社が証券を発行
証券を年金基金などの機関投資家に販売した代金がCIMBに支払われる仕組み
CIMBは保有するローン債権を使って資金を調達することができる
イスラム債(スクーク)って用語ですが、これは、利子を禁じたりしているイスラム法に適合する債券のことです。今回は自動車ローン債権を対象にスクークを発行する、ということです。しかし、なぜでしょうか。それが下記。
なぜ三菱東京UFJ銀行が自動車ローン債権をイスラム金融方式で証券化する認可を取得したのか
ロイターによると、マレーシアのムスリム消費者の自動車保有ニーズの高まりを受けて、地元の金融機関はイスラム方式による自動車ローンに注力しているとのこと。よって、資金調達の多様化が求められているとのこと。
ムスリム消費者の自動車保有ニーズの高まりを受けて、地元の金融機関はイスラム方式による自動車ローンに注力
資金調達の多様化が求められている
ここがミソ。要は自動車ローンしたい人が増えている、と。で、イスラム金融方式でやる必要がある、と。だから、やる、と。
今回の三菱UFJ銀行の動きで、日系金融機関のイスラム金融へのかかわりがより強くなっていくか。これが大変ミモノであります。それでは!