KKRが日立工機を1500億円超で買う。KKRは今年目立ちまくり。
米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が日立工機を買収へ。KKRの日立工機買収額は1500億円を超える見通し。
日経新聞によると、米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が日立製作所子会社の日立工機を買収するとのこと。
KKRの日立工機買収額は1500億円を超える見通しで、日立製作所と最終調整に入ったとのこと。
米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)は日立製作所子会社で東証1部上場の日立工機を買収する
買収額は1500億円を超える見通し
日立製作所と最終調整に入った
日立の日立工機売却話。買収するのはKKR。
KKR。今年すごいですね。今年になって私がKKR関連の記事を書くのがこれで3度目です。今年目立ちまくってます。私のKKR関連の記事もいろいろ紹介してくださった方、ありがとうございました。
さて、下記、復習しておきましょう。
豆知識: 日立工機を買うKKRは、今年日本で大躍進している。カルソニックカンセイの買収を決めた会社であり、パナソニックヘルスケアの一部を売却した。KKRで思い出すのはパイオニアのディスクジョッキー(DJ)機器事業買収。KKRはいまだにパナソニックヘルスケアの筆頭株主でもある。投資ファンドの日本企業買収も定着してきたか。KKRは日本に関心。
私のほうで今年、KKRについて2回既に書いています。
まず1回目は、今年の中でもでかい買収話でした。それは、日産のカルソニックカンセイ売却話です。私のほうでは、カルソニック買収先がKKRであるとわかった時点で下記の記事を書いています。
[カルソニック買収先はKKRか。買収総額4000億円規模のTOBが始まる] 日産はカルソニックカンセイを米ファンドのKKRに売却へ。カルソニックの海外比率がさらに高まる可能性
上記の記事では、KKRで思い出すこと(パイオニアディスクジョッキー機器事業買収)についても触れています。そうです、パイオニアのDJ機器は今やKKRが世界戦略を描いているのですよ。
2回目は、三井物産がパナソニックヘルスケアに出資したときです。売り手がKKRでした。三井物産は過去に、KKRにパナソニックヘルスケア買収で競い負けていましたが、今年、3年越しで遂に出資がかないました。でも、パナソニックヘルスケアの筆頭株主はいまだにKKRですよ。
[三井物産が医療機器パナソニックヘルスに出資] 三井物産はパナソニックヘルスケアに3年越しで遂に出資。血糖値測定システムなど、病院経営に生かしてほしい。
ファンドの買収は日本で定着してきたのでしょうか。上記日経新聞によると、日本の産業界で投資ファンドは警戒される傾向があったが、海外展開などで企業の潜在力を引き出す選択肢として定着してきたとのこと。
日本の産業界で投資ファンドは警戒される傾向があったが、海外展開などで企業の潜在力を引き出す選択肢として定着してきた
ちなみにファンドとうまく付き合うコツ。それは、これまでの実績と照らし合わせ、どのような経営をするかを精査することです。いろんなファンドがありますからね。
上記日経新聞によると、KKRはアジアの中でも日本に照準を合わせ、大型案件への関心が高いとのこと。
KKRはアジアの中でも日本に照準を合わせ、大型案件への関心が高い
私が書いた記事からも明らかですが、KKRが日本に関心が高いのはもう明白でしょう。しかも、今年になってそれは顕著です。
日立製作所がグループで5割以上を保有する日立工機株売却の入札に、KKRのほか京セラなどが応札。日立は金額などで最も優れた条件を示したKKRに優先交渉権を与える方針。KKRは今年競い勝つことが多かった。
上記日経新聞によると、日立製作所がグループで5割以上を保有する日立工機株売却の入札に、KKRのほか京セラなどが応札したとのこと。
日立は金額などで最も優れた条件を示したKKRに優先交渉権を与える方針を決め、関係先に伝え始めたとのこと。
日立製作所がグループで5割以上を保有する日立工機株売却の入札に、KKRのほか京セラなどが応札した
日立は金額などで最も優れた条件を示したKKRに優先交渉権を与える方針を決め、関係先に伝え始めた
当初報道では、カーライルなどの名前も挙がってましたね。京セラが関心というのもまた興味深いところなんですが、今回は買収先でないのでこの話は省きましょう。
そんな中、KKRが勝利なわけです。ここで思い出してほしいんですが、KKRは日産のカルソニックカンセイ買収の時も、二次入札で競い買っています。いい条件を出したんですよ、他のファンドよりも。
今回も同じです。一番いい条件を出して、日立工機を買いに行くわけです。だから、今年、関係者の間でも目立ってますね。
なぜ日立製作所は日立工機をKKRに売却するのか
KKRに売却するのは、KKRが一番いい条件をだしたから。では、なぜ日立工機を売却するのか。上記日経新聞によると、日立は売却によりインフラやIT(情報技術)など中核事業に集中するとのこと。
売却によりインフラやIT(情報技術)など中核事業に集中する
このあたりに関しては、日立が日立工機と日立国際電気の売却話が出た当初に、もう少し詳しく書きました。
[噂の話し合いは既に進んでいた] 日立が日立工機と日立国際電気の一部事業を売却へ。1000億円超。日立の事業再編は進む
要するに。東原敏昭社長兼CEO含む日立の経営陣の戦略上の理由というのが一番の理由です。日立は日立で、事業再編をガチで進めています。日立工機は、インフラやITと相乗効果が薄いと判断されたということです。
なぜKKRは日立工機を買収するのか
上記日経新聞によると、電動工具を手掛ける日立工機の16年3月期の売上高は1415億円で純利益は10億円。KKRは自らが持つ豊富な海外ネットワークを活用して海外展開を後押しし、収益を拡大させる戦略を描くとのこと。そのうえで将来の再上場を視野に入れているとみられるとのこと。
電動工具を手掛ける日立工機の16年3月期の売上高は1415億円で純利益は10億円
KKRは自らが持つ豊富な海外ネットワークを活用して海外展開を後押しし、収益を拡大させる戦略を描く
そのうえで将来の再上場を視野に入れているとみられる
さて、最後に今後の日程を見ておきましょう。
KKRの日立工機買収の今後の日程は。KKRは早くて2017年1月に日立と正式合意。KKRは日立工機をTOBする。日立工機は上場廃止になる。
上記日経新聞によると、早ければ2017年1月に正式合意する。KKRはTOB(株式公開買い付け)を実施し日立工機の全株取得を目指す。同社は上場廃止になる。
早ければ2017年1月に正式合意する。KKRはTOB(株式公開買い付け)を実施し日立工機の全株取得を目指す
同社は上場廃止になる
さて、正式合意の会見が待ち望まれます。そして、このTOBのゆくえにも要注目です。