三井物産の出資は、3年前を思い起こす。

 

三井物産は医療機器大手のパナソニックヘルスケアホールディングスに出資。三井物産は筆頭株主のKKRから約500億円でパナソニックヘルスケアホールディングスの発行済み株式の2割強を取得する。

日経新聞によると、三井物産は医療機器大手のパナソニックヘルスケアホールディングスに出資するとのこと。

 

筆頭株主の米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)から約500億円で発行済み株式の2割強を取得するとのこと。

 

  • 三井物産は医療機器大手のパナソニックヘルスケアホールディングスに出資する

  • 筆頭株主の米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)から約500億円で発行済み株式の2割強を取得

 

三井物産がパナソニックヘルスケアホールディングスに出資します。今回個人的におもしろいと思っている2つのポイントを先に言ってしまいましょう。

 

  1. 三井物産は以前からパナソニックヘルスケアに関心があった
  2. 三井物産は血糖値測定システムなどに強いパナソニックヘルスケアを病院経営に生かそうとしている

 

さて、さっそく見ていきましょう。

 

 

ポイント1.三井物産は以前からパナソニックヘルスケアに関心があった

今回の出資話は、以前の歴史を覚えている方にとっては実におもしろい話だと思います。覚えてますかね、3年ちょい前の話。これを思い起こせば、三井物産が以前からパナソニックヘルスケアに関心があったことが分かります。復習しておきましょう。

 

2013年のパナソニックヘルスケア売却時、東芝、KKR、ベイン・三井物産連合などの3陣営が応札していた。KKRがパナソニックヘルスケアの発行済み株式80%を1650億円で取得。

これは2013年の話なんですが。パナソニックがパナソニックヘルスケアの株式を売ると言った時、3陣営が応札していました。3陣営とは、

 

  • 東芝
  • KKR
  • ベイン・キャピタル、三井物産、日本政策投資銀行

 

結果、KKRが競い勝ち、KKRが発行済み株式80%を取得しました。当時のパナソニックのニュースレターによれば、KKRの80%の取得額は1650億円となっています。ちなみに、パナソニックヘルスケアの保有比率ですが、80%はKKR、残りの20%はパナソニックが保有となります。

 

話を三井物産に戻しましょう。

 

今回のポイントの一つは、三井物産が3年前からパナソニックヘルスケアに目をつけていたという点。三井物産は出資という形でパナソニックヘルスケアに今後関わるようになってくるわけですが、これは3年越しの愛に近いものがあります。

 

ポイント2がこの取得理由に重なってくるわけですが、その前に三井物産の出資比率を見ておきましょう。

 

 

三井物産はパナソニックヘルスケア株式の何パーセントを取得するのか。三井物産はKKRから2割強のパナソニックヘルスケア株式を取得し、第二位株主になる。

上記日経新聞によると、三井物産はKKRから2割強の株式を買い取り、第2位株主となる見通しとのこと。

 

  • 三井物産はKKRから2割強の株式を買い取り、第2位株主となる見通し

 

さて、今回三井物産が遂にパナソニックヘルスケアに出資となったわけですが、その理由と重なってくるのが下記のポイントの2番目。

 

 

ポイント2.三井物産は血糖値測定システムなどに強いパナソニックヘルスケアを病院経営に生かそうとしている

今回、三井物産はパナソニックヘルスケアの強みを病院経営に生かそうとしているのが伺えます。下記で書くように、三井物産は病院運営会社に出資を加速させているわけですが、こういった病院に、パナソニックヘルスケアの血糖値測定システムなどをなんとか組み入れようと考えているのが見えて取れます。

 

 

パナソニックヘルスケアの強みは血糖値測定システムや電子カルテ。バイエルから糖尿病患者用血糖測定器の事業買収もしているので、パナソニックヘルスケアの血糖値測定器分野は強さを増し、三井物産は透析など病院で提供する医療サービスとの相乗効果が見込めるか。

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上記日経新聞によると、アジアでは食生活の変化に伴い、生活習慣病の患者が増えているとのこと。

 

血糖値測定システムや電子カルテなどに強いパナソニックヘルスケアが加われば、透析など病院で提供する医療サービスとの相乗効果が見込めるとのこと。パナソニックヘルスケアは1月に独バイエルから糖尿病患者用血糖測定器の事業を買収。売上高は2千億円規模とみられるとのこと。

 

  • アジアでは食生活の変化に伴い、生活習慣病の患者が増えている

  • 血糖値測定システムや電子カルテなどに強いパナソニックヘルスケアが加われば、透析など病院で提供する医療サービスとの相乗効果が見込める

  • パナソニックヘルスケアは1月に独バイエルから糖尿病患者用血糖測定器の事業を買収。売上高は2千億円規模とみられる

 

パナソニックヘルスケアの強みが血糖値測定システムや電子カルテだったのは、有名な話です。2013年の応札時も、これらはパナソニックヘルスケアの強みとして考えられていました。

 

しかも、今年バイエルから糖尿病患者用血糖測定器の買収をしていますから、パナソニックヘルスケアは血糖値測定システム分野においては、けっこう実力をつけてきている可能性があります。そこを今回、三井物産が狙ってきたわけです。

 

最後に、三井物産が病院運営への出資を進めている点について言及しましょう。

 

 

三井物産は資源以外で安定して稼げる分野としてヘルスケアを重視し投資。三井物産は東南アジアで富裕層向け病院を運営するIHHヘルスケアに出資、今年は中間層向け病院でアジア最大手のコロンビアアジアグループへの出資を決めた。

三井物産が病院運営関係への出資に力を入れています。

 

上記日経新聞によると、三井物産は資源以外で安定して稼げる分野としてヘルスケアを重視し投資を増やしてきたとのこと。東南アジアで富裕層向け病院を運営するIHHヘルスケアに続き今年は中間層向け病院でアジア最大手のコロンビアアジアグループへの出資を決めたとのこと。

 

  • 三井物産は資源以外で安定して稼げる分野としてヘルスケアを重視し投資を増やしてきた

  • 東南アジアで富裕層向け病院を運営するIHHヘルスケアに続き今年は中間層向け病院でアジア最大手のコロンビアアジアグループへの出資を決めた

 

このように、資源依存から脱却し、ヘルスケア分野に関心を持っている三井物産。パナソニックヘルスケアに3年越しに出資できて、今後どのようにパナソニックヘルスケアを組み込んでいくか。

 

KKRはまだ筆頭株主ですから、三井物産とうまくやってくれることを期待しています。今後に要注目です。

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