ファッションのしまむら、ますますIT活用へ積極的に動く。

 

しまむら。前回の記事、

[ファッション経済ニュース] アパレル不況へ突入か。三陽商会、バーバリーというブランドを失うよりも危ない事情とは。業界事情を探る。しまむらの話など

でも話題にだしましたが、この企業はけっこう戦略がおもしろい。今回は、しまむらが値下げ自動化システムを導入するという話。以下7月6日の日経新聞の記事をまとめ、考察していきます。

 

 

しまむらが導入しようとしているシステムとは

しまむらは、商品値下げ自動化システムを導入しようとしています。このシステムが、いくら値下げするか、いつ値下げするかなどを基本的に判断することになります。

 

商品の値下げをほぼ自動で店舗に指示するシステムを2016年中に実用化する。立地条件や在庫の消化率などから値下げ幅や時期を決める。

 

 

いつから導入するのか

上記日経新聞によれば、2016年中に試験導入、2017年度には本格的に導入させたいようです。

 

新システムは年内に試験導入し、17年に本格稼働させる。

 

 

売り切るのがしまむらの特徴

売り切る。しまむらの話題がでるとき、この話はよくでます。上記日経新聞によれば、これがまさに高収益の原動力でありました。そして、この売り切る判断というのは、本部が多角的に情報を分析して判断してきました。

 

高収益を維持してきたのは、こうして商品を売り切ってきたためだ。各店舗の売り上げと在庫、消化率などの数値に長期の天気予報といった多数の情報を分析し、本部が判断してきた。

 

 

売り切るために、ITを活用

というわけで、値下げの時期など、絶妙なタイミングで売り切ってきたしまむらの本部が優秀なのはよく分かります。しかし、しまむらは、あえてITの導入により、この作業をしようとしています。これは成り立つのでしょうか。上記日経新聞によれば、ノウハウをITに移植、そして想定外にも備えるように準備するとあります。

 

  • 本部のスタッフが担当してきたこうしたノウハウを新システムに移植

  • 想定外にも対応できるようにする

 

私が思うに、正直、優秀なシステムであることを最低条件として、それならばノウハウの移植はできると思いますし、それをやることを決めたしまむらは素晴らしいと思います。ただ、やはり想定外の対応というのがキーになってくるでしょう。経済は単調に動いているわけではなく、いろいろな想定外が起こるからです。ここらへんの対応をどうするのか、しまむらはいろいろ考える必要があるでしょう。

 

 

値下げ自動化システムの導入によるしまむらのメリット

上記日経新聞ではいろいろメリットが指摘されていますが、私の方で指摘されたものなどをまとめてしまうと、値下げ自動化システムの導入により、

 

  • 商品発注から値下げまで、IT化により、自動化が進む
  • IT活用により、総業務時間が削減、人手不足にも対応
  • システム活用で、出店増もスムーズに

 

一番今回おもしろいのは、やっぱり1つめでしょう。上記日経新聞によれば、しまむらはつい最近、商品発注を自動化するシステムを稼働させたばかりです。今回の値下げ自動化システムがこれに組み合わされば、発注から値下げまで(極端に言えば、売り切るまで)、システムの力でいけちゃう仕組みを作っているということになります。これは画期的な話です。1サイクルの重要な箇所が自動化されるわけですから。

 

ただ、これはもちろん、商品発注システムと今回の値下げ自動化システムが完璧にマッチングするという前提です。うまく組合さなければ、逆に不効率になります。ただ、しまむらもそんな致命的なミスはしないと思うので、それは大丈夫でしょうが。

 

  • 店舗の商品発注から値下げまでを一貫して自動判断できるようになる

  • 各店舗の総業務時間削減に取り組んでいる。

  • 小売り各社で人手不足が指摘される中、本部業務も効率化して出店増に備える

 

おもしろくなってきそうですね。今後に要注目です。

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