ヌスラ戦線はアルカイダから離脱。
ジャブハト・ファタハ・アルシャム誕生へ
7月28日の時事通信が伝えたところ、シリアで活動する国際テロ組織アルカイダ系のヌスラ戦線のゴラニ指導者は28日、アルカイダからの離脱を表明したとのこと。また、ヌスラ戦線の名前はジャブハト・ファタハ・アルシャムに変更と発表したとのこと。
シリアで活動する国際テロ組織アルカイダ系の「ヌスラ戦線」のゴラニ指導者
28日、アルカイダからの離脱を表明
名称を「ジャブハト・ファタハ・アルシャム」に変更したと発表
というわけで、ヌスラ戦線は新名称、ジャブハト・ファタハ・アルシャム、として生まれ変わったようです。
ジャブハト・ファタハ・アルシャムの意味は、シリア征服のための戦線、簡潔に言えばシリア征服戦線
さて、ジャブハト・ファタハ・アルシャムという意味ですが、BBC(英語)によると、Front for the Conquest of Syriaという意味です。日本語で訳せば、シリア征服のための戦線(シリア征服戦線)とでも訳せばいいでしょうか。
アルカイダの指導者ザワヒリ容疑者は配下組織のヌスラ戦線の関係解消を認める
上記時事通信によると、アルカイダの指導者であるザワヒリ容疑者は、28日、音声メッセージにて、配下組織のヌスラ戦線に対し、(アルカイダ)がヌスラ戦線の一体性を損なうのならば、組織的つながりを犠牲にしてもよい、と述べ、関係解消を認める見解をしたとのこと。
アルカイダの指導者ザワヒリ容疑者も28日、音声メッセージ
配下組織のヌスラ戦線に対し「(アルカイダが)あなたたちの一体性を損なうのならば、(われわれの間の)組織的つながりを犠牲にしてもよい」
関係解消を認める見解を示した
お互い納得しているようですね。しかし、そもそもなんで離脱したいんでしょうか。それが下記。
ヌスラ戦線は危機感を感じていた
7月28日の時事通信が伝えたところ、ヌスラ戦線は、アサド政権軍およびイスラム国(IS)と敵対関係にあるとのこと。一方、アルカイダと関連があるとして、国連や欧米諸国からテロ組織に指定され、国連主導のシリア和平協議では交渉から外されているとのこと。さらには、内戦化のシリアで、米国とロシアがイスラム国(IS)とヌスラ戦線に対する作戦協力を検討していると報じられているとのこと。こうした状況にヌスラ戦線は危機感を感じたとのこと。
ヌスラ戦線は、アサド政権軍および過激派組織「イスラム国」(IS)と敵対関係
一方、アルカイダと関連があるとして国連や欧米諸国からテロ組織に指定され、国連主導のシリア和平協議では交渉から外されている
内戦下のシリアで、米国とロシアがISとヌスラ戦線に対する作戦協力を検討している
危機感を感じたヌスラ戦線
いろいろありますが、上記BBC(英語)で引用されているアナリストによると、米国とロシアがヌスラ戦線をも対象に軍事的努力を強化しているので、これが名称変更、ブランドの変更につながったとしています。ただ、上記BBCによると、アメリカ側の反応としては、名前が変わっただけでテロ組織としての見方は変わらないとしているとのこと。
結局名称変更はしましたが、確かに、同じようなテロ行為を続けていくなら同じ話でしょう。今後どのような動きをするのかに要注目です。それでは!