ハイブリッド社債というおもしろい試み。

 

ソフトバンクがハイブリッド社債を1兆円起債へ

日経新聞によると、ソフトバンクがハイブリッド社債を1兆円発行するとのこと。発行規模は国内企業では最大とのこと。

  • 「ハイブリッド社債」を2016年度中に総額1兆円発行

  • 発行規模は国内企業では最大

 

きましたね。いよいよ資金調達です。ハイブリッド債ときましたか。しかも1兆円。以下、ソフトバンクのハイブリッド債についてみていきます。

 

 

ソフトバンクのハイブリッド社債の発行プランとは

上記日経新聞によると、秋に5千億円ー8千億円規模を発行、年度内にさらにもう一度発行するのとのこと。総額1兆円発行とのこと。なお、5千億円は個人投資家向けとのこと。

  • 秋に計5千億~8千億円規模を発行

  • 年度内にもう一度発行

  • 5千億円は個人投資家向け

 

というわけで、2回に分けて発行ということです。今年スタートですよ、今年半分の5千億円は個人投資家向け個人投資家の動向にも注目となります。

 

 

ソフトバンクハイブリット社債の特徴は、金利が年3%程度であることと、償還までの満期が60年であること

上記日経新聞によると、金利は年3%とのこと。運用難に悩む投資家には魅力的な金利水準に移る可能性が大きいとのこと。償還までの満期は60年で、5年目以降なら会社側の判断で繰り上げ償還できる条件がつくとのこと。

  • 金利は年3%程度

  • 運用難に悩む投資家には魅力的な金利水準に映る可能性が大きい

  • 償還までの満期は60年

  • 5年目以降なら会社側の判断で繰り上げ償還できる条件

 

金利年3%。魅力的な可能性が大きいとありますが、金利だけでみれば魅力的でしょう。なんでかわかりますか。他のハイブリッド債と比べてみてください。

 

 

ハイブリッド債といえば三菱グループ。三菱商事のハイブリッド社債の金利、三菱地所のハイブリッド社債の金利は。

そうですね。ハイブリッド債で思い浮かぶ企業といえば。。。やっぱ三菱ですね。三菱商事、三菱地所。どれぐらいの金利だったんでしょうか。

 

Bloomberg(5月29日)によると、三菱地所が1月に発行した60年満期の劣後債2500億円の利回りは約1%。昨年の三菱商事の劣後債は3本立てで、うち1本の当初利率は1.68%とあります。

 

  • 三菱地所が1月に発行した60年満期の劣後債2500億円の利回りは約1%

  • 昨年の三菱商事の劣後債は3本立てで、うち1本の当初利率は1.68%

 

三菱地所はソフトバンクと同じ60年満期ですよ。そう考えるとおもしろいでしょう。

 

 

なぜソフトバンクはハイブリッド社債を発行するのか。そもそもハイブリッド社債とは。

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上記日経新聞によると、アーム・ホールディングスの買収資金にあてるとのこと。さらに、ハイブリッド債は返済順位の低い劣後債のうち、償還までの期間が長く、資本の性質も持つとのこと。格付け機関はハイブリッド債の一部を株式と同じように自己資本とみなすとのこと。ソフトバンクの場合、半分が資本として扱われそうとのこと。会計上は負債であるが、格付けには下支え効果とのこと。さらに、株の希薄化も起こらず、資本効率も下がらないとのこと。

 

  • 調達資金は英半導体設計大手アーム・ホールディングスの買収資金3.3兆円の一部

  • ハイブリッド債は返済順位の低い劣後債のうち、償還までの期間が長く、資本の性質も持つ

  • 格付け機関はハイブリッド債の一部を株式と同じように自己資本と見なす

  • ソフトバンクの場合は半分が資本として扱われそう

  • 会計上は負債

  • 格付けには下支え効果

  • 希薄化したり、資本効率が下がったりという影響は出ない

 

ここがミソ。会計上は負債です。でも、資本の性質を持っています。これが意味すること。それは、

通常の借り入れ、普通社債のような格付けへの影響を減らすことができる

 

まぁ簡潔にまとめてしまうとこんなあたりですね。ソフトバンクにとって金だけでなく、このあたりの考慮も必要な話ということ。

 

さて、1兆円の資金調達方法が分かりました。今後に要注目です。

 

注 この記事はソフトバンクがハイブリッド社債を発行すると決めた時点の記事です。満期など変更があります(60年→30年より下等)。最終的な条件等は、ソフトバンクのホームページにてご確認を。

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