次は三菱UFJと日立がタッグ。各社の動きが大変おもしろい。
私のほうではけっこう最近、多くのフィンテック関連の話を扱ってますが、今回も興味深いネタがきました。今回は、三菱UFJと日立が組むという話。新たなビジネスチャンスも垣間見えます。以下、見ていきます。
三菱東京UFJ銀行と日立製作所、シンガポールでフィンテックを活用した金融システムの共同開発へ
日経新聞によると、三菱東京UFJ銀行と日立製作所は近く、シンガポールでフィンテックを活用した金融システムの共同開発に乗り出すとのこと。
三菱東京UFJ銀行と日立製作所
近く、シンガポールでフィンテックを活用した金融システムの共同開発に乗り出す
金融インフラの話です。どうやら、日立は三菱UFJと組むことにしたようです。具体的にフィンテックを活用した金融システムの共同開発とは何でしょうか。それが以下。
ブロックチェーンと呼ばれる仮想通貨技術で電子小切手を決済できるようにする計画
上記日経新聞によると、三菱UFJと日立は、ブロックチェーンと呼ばれる仮想通貨技術で電子小切手を決済できるようにするための共同開発に乗り出す計画とのこと。
ブロックチェーンと呼ばれる仮想通貨技術で電子小切手を決済できるようにする計画
いいですね、電子小切手決済。で、電子小切手決済するために、ブロックチェーン技術が必要だ、と。でましたね。ブロックチェーン。再度復習しましょう。
復習: ブロックチェーン技術とは
これは何度も扱っていますが、再度ブロックチェーンとは何ぞや、を復習しましょう。以前の日経の記事から引用すると、ブロックチェーンとは、下記の様なものです。
ブロックチェーンはインターネット上で複数の取引参加者が取引記録を保有してお互いに認証する仕組み。手続きにかかる処理を迅速にし、コストを減らせる。データを改ざんしようとしても、全参加者の情報を書き換えなければならず、安全性が高いとされている。
まぁこのように、ブロックチェーン技術というのは、仮想通貨技術ではあるのですが、いろいろ応用範囲が広いんですよ。
今回だって、電子小切手決済できるようにするために、この技術を使うといっているわけですからね。
いつ三菱東京UFJ銀行と日立製作所は、仮想通貨技術(ブロックチェーン)で電子小切手を決済できるようにする計画なのか。いつから実証実験を始めるのか。
上記日経新聞によると、2018年にも電子小切手決済できるようにするとのこと。2社はすでにシステムの試作を済ませているとのこと。22日にも本格的な実証実験に入るとのこと。
2018年にも
2社はすでにシステムの試作を済ませており
22日にも本格的な実証実験
というわけで、既に試作があるとのこと。これは頼もしいですね。22日から実証実験なので、今後の経過報告があれば楽しみですね。
メガバンクや日本の大手メーカーによるフィンテック事業の海外展開は初めて
上記日経新聞によると、今回のようなフィンテック事業の海外展開は、メガバンクや日本の大手メーカーでは初めてとのこと。
メガバンクや日本の大手メーカーによるフィンテック事業の海外展開は初めて
なぜ三菱UFJと日立はアジア(シンガポール)でブロックチェーンの電子小切手決済を始めるのか。なぜ電子小切手決済なのか。
上記日経新聞によると、フィンテックは金融システムが高度に発達した日本より、不自由の多い新興国の方が潜在的な市場が大きいとされるとのこと。シンガポールでは手書きの小切手取引が資金決済の6割を占めており、新システムの需要が高いと判断したとのこと。
フィンテックは金融システムが高度に発達した日本より、不自由の多い新興国の方が潜在的な市場が大きい
シンガポールでは手書きの小切手取引が資金決済の6割
新システムの需要が高いと判断
小切手という時点でちょっとなぁといいたいところではありますが、まぁ各国事情は違いますし、ビジネス方法も異なります。シンガポールでは6割が小切手決済ということで、今回のような技術は大変歓迎される可能性が高いですね。
そもそも、小切手自体、はっきり言ってしまえば、えらい要領の悪いやり方ではあるわけです。だって、決済まで数日かかりますから。
でも、ブロックチェーン技術を使えば、数日なんて待たなくて、すぐ決済できるようになるわけです。
私の方で以前扱った、海外送金も同じ話ですよ。それが下記。
海外送金も数秒で完了するようになる
以前、下記のようなことを書きました。
[海外送金、数秒で完了] みずほとSBIが秒速の海外送金システム開発へ。フィンテック活用、ブロックチェーン技術。三菱UFJ銀行の反応が見てみたい
ここでは、ブロックチェーン技術を使い、海外送金が数秒でできるようになるシステムの開発に、みずほとSBIが乗り出した、という話をしています。
なお、三菱UFJはこの海外送金システムという点に関していえば、独自路線をいってます。
金融インフラはアジアで広まるか。シンガポールでうまくいけば、他のアジア市場へも。
今回はシンガポールの話でした。ただ、フィンテック事業の海外展開は初となります。シンガポールでうまくいけば、他のアジア市場に広げていくチャンスも増えるでしょう。
このプロジェクトがうまくいき、アジアで日本のフィンテック事業が広まれば、ビジネスとしても大変おもしろいと思います。今後の動きにも要注目です。