横浜銀行と西日本シティ銀行の提携はお互いのメリットを生かす提携話か。
横浜銀行と西日本シティ銀行は取引先企業の海外展開支援で提携。国内の貸出業務の採算が悪化する中、海外事業への意欲を強める大手地銀の動き。
日経新聞によると、横浜銀行と西日本シティ銀行は取引先企業の海外展開支援で提携するとのこと。
日銀のマイナス金利政策で国内の貸出業務の採算が悪化し、経営規模の大きい地銀は海外事業への意欲を強めているとのこと。
横浜銀行と西日本シティ銀行は取引先企業の海外展開支援で提携
日銀のマイナス金利政策で国内の貸出業務の採算が悪化
経営規模の大きい地銀は海外事業への意欲を強めている
横浜銀行と西日本シティ銀行の提携。どんな内容なのでしょうか。その前に、低金利の話を復習しておきましょう。
低金利時代の動き
昨日、私の方では、メットライフが全体の半数もの社員に希望退職を募集したという記事を書きました。これは、低金利時代に苦しんでいる企業があるということを示しています。
この記事では、地銀も同じで、低金利に苦しんでいると書いています。具体的には、私が以前書いた、地銀は2025年に半数超が本業赤字になるという話を出しています。
今回の話は、低金利に苦しみながらも工夫をしようとしている地銀の一つの形であるといえます。
なぜ横浜銀行と西日本シティ銀行は提携するのか。両行が提携することで相互メリットを得られるから。
さて、今回、なぜ横浜銀行と西日本シティ銀行が海外展開支援で提携するのでしょうか。これを知るには、両行の強みを知る必要があります。
横浜銀行の強みは国際統一基準行であること
上記日経新聞によると、横浜銀は海外に支店や支社を持つことができる「国際統一基準行」で、地銀で唯一、上海に支店を構えるとのこと。
横浜銀は海外に支店や支社を持つことができる「国際統一基準行」で、地銀で唯一、上海に支店を構える
西日本シティ銀行の強みはソウルに駐在員事務所を持つこと
上記日経新聞によると、西日本シティ銀はソウルに地銀で唯一、駐在事務所を持つとのこと。
西日本シティ銀はソウルに地銀で唯一、駐在事務所を持つ
中国関連市場での両銀行のメリット: 横浜銀行は西日本シティ銀行から、中国への進出を検討する取引先を紹介してもらう。西日本シティ銀行は顧客の利便性を高められる。
上記日経新聞によると、西日本シティ銀は中国への進出を検討する取引先を横浜銀の上海支店に紹介とのこと。西日本シティ銀が信用状を発行し、横浜銀の同支店が融資するとのこと。
横浜銀は西日本シティ銀の抱える有望な融資先を開拓でき、西日本シティ銀も顧客の利便性を高められるとのこと。
西日本シティ銀は中国への進出を検討する取引先を横浜銀の上海支店に紹介
西日本シティ銀が信用状を発行し、横浜銀の同支店が融資
横浜銀は西日本シティ銀の抱える有望な融資先を開拓でき
西日本シティ銀も顧客の利便性を高められる
横浜銀行のすごいところは、地銀で唯一国際統一基準行であること。このメリットを生かし、地銀で唯一上海に支店を構えています。
横浜銀行はこの強みを生かし、西日本シティ銀行に顧客を紹介してもらいますし、逆に西日本シティ銀行は、中国が気になっている顧客のために、横浜銀行の強みを生かすことができます。
韓国市場での両銀行のメリット: 西日本シティ銀行は横浜銀行の取引先が韓国への進出を検討する際、セミナーなど共同開催できる。
上記日経新聞によると、横浜銀の取引先が韓国への進出を目指す際に、現地情報の提供やセミナーの共同開催などを検討するとのこと。
横浜銀の取引先が韓国への進出を目指す際に、現地情報の提供やセミナーの共同開催などを検討
西日本シティ銀行の強みが、ソウルに地銀で唯一駐在員事務所を持つこと。これにより、共同セミナーなどを開催し、横浜銀行の韓国進出に関心がある顧客に呼びかけることができます。
結局今回何がおもしろいのかっていうと、両銀行とも”地銀で唯一”何かしているメリットをもっており、これを両銀行で生かせる形にするための提携の話であることです。
地銀はグローバル化に対応するため、提携という形をとるのが一番いいか
上記日経新聞によると、グローバル化の進展で、地銀の取引先である地方の中小企業の海外進出も広がっているとのこと。ただ、地銀の多くはバブル崩壊を経て海外拠点を縮小したとのこと。
再び拠点を増やすには多大なコストがかかるうえ、語学力やノウハウを備えた人材も不足気味だとのこと。国内基準行では海外業務の展開に制約もあり、国際基準行に移行するにも時間がかかるとのこと。
グローバル化の進展で、地銀の取引先である地方の中小企業の海外進出も広がっている
ただ、地銀の多くはバブル崩壊を経て海外拠点を縮小
再び拠点を増やすには多大なコストがかかる
語学力やノウハウを備えた人材も不足気味
国内基準行では海外業務の展開に制約もあり、国際基準行に移行するにも時間がかかる
結局、今回のように自分に足りない部分をうまく補えるような提携で、地銀はなんとかグローバル化に対応して生き残る必要があるといえるのかもしれません。
今後、他の地銀がこういった流れに乗ってくるか、要注目です。