まさかドイツ銀行がトルコの銀行になる?
苦境のドイツ銀行に手を差し伸べる人が?
ドイツ銀行。株価は上場来安値を更新しました。あと、ポイントとして、米司法省との和解金の行方があります。
ドイツ銀行、米司法省への和解金(罰金)は54億ドル(5400億円)で近く合意か。要は罰金絡みの増資を避けたいわけか
そんなドイツ銀行に手を差し伸べようとしている人が。
トルコのエルドアン大統領の首席顧問ユギット・ブルト氏がトルコがドイツ銀の買収を提言
29日のBloombergによると、トルコのエルドアン大統領の首席顧問ユギット・ブルト氏が、「ドイツ最大の銀行がトルコの銀行になるとすれば喜ばしいことではないか」と述べ、トルコのドイツ銀行買収に関して提言したとのこと。
トルコのエルドアン大統領の首席顧問ユギット・ブルト氏
「ドイツ最大の銀行がトルコの銀行になるとすれば喜ばしいことではないか」
提言
トルコですか。おもしろいですね。ただ、はっきりいってしまえば、トルコの金融機関を集めても、ドイツ銀行を買収という話はあまり現実的ではありません。それが下記。
トルコの金融業界はまだ発展途上
上記Bloombergによると、トルコの上場金融機関の時価総額が490億ドル(約5兆円)をわずかに上回り、米自動車メーカーのゼネラル・モーターズ(GM)とほぼ同じ規模であるのに対し、ドイツ銀は約170億ドルとのこと。
一方、トルコの銀行資産は7月末時点で8360億ドル程度にすぎないが、ドイツ銀の総資産額は昨年末時点で1兆6300億ユーロ(約185兆7000億円)に達するとのこと。
トルコの上場金融機関の時価総額が490億ドル(約5兆円)をわずかに上回り、米自動車メーカーのゼネラル・モーターズ(GM)とほぼ同じ規模であるのに対し、ドイツ銀は約170億ドル
一方、トルコの銀行資産は7月末時点で8360億ドル程度にすぎないが、ドイツ銀の総資産額は昨年末時点で1兆6300億ユーロ(約185兆7000億円)に達する
というわけで、本当に買収に乗り出すなら、政府主導になるのは当然として、具体的な財源を示す必要があるでしょう。
ブルト氏は、ドイツ銀の買収に向けて、新たな政府系ファンドや国有銀行グループの活用を検討する必要があると提言
上記Bloombergによると、ブルト氏は、同国がドイツ銀の買収に向けて、新たな政府系ファンドや国有銀行グループの活用を検討する必要があると提言したとのこと。
同国がドイツ銀の買収に向けて、新たな政府系ファンドや国有銀行グループの活用を検討する必要があると提言
ここで注目されるのが政府系ファンド。トルコの政府系ファンドに関しては、ドイツ銀行とは関わりなく、以前から話が上がっています。
トルコの大型政府系ファンド設立の計画について
上記Bloombergによると、トルコのユルドゥルム首相は7月24日のブルームバーグとのインタビューで、超大型インフラプロジェクトへの投資を賄い、市場の安定と成長軌道の維持を目的とする政府系ファンドの設立を政府が計画していることを明らかにしたとのこと。
アースラン運輸海事通信相は8月の段階で、ファンドは最大2000億ドル規模になる可能性があると述べたが、財源の詳細は明らかにしていないとのこと。
トルコのユルドゥルム首相は7月24日のブルームバーグとのインタビューで、超大型インフラプロジェクトへの投資を賄い、市場の安定と成長軌道の維持を目的とする政府系ファンドの設立を政府が計画
アースラン運輸海事通信相は8月の段階で、ファンドは最大2000億ドル規模になる可能性があると述べた
財源の詳細は明らかにしていない
これ、具体的な財源がよくわからないんですが、財源がもしあれば、2000億ドル規模のファンドがトルコに設立されるということになります。財源があると仮定すれば、この資金をドイツ銀行に流すという可能性はなきにしもあらず。
政治的にどうなのってのはおいておいて、まずは、トルコが具体的に財源を示すこと。これが議論のスタートかと思いますね。