実現すれば巨大メディアが誕生する。

 

米通信大手のAT&Tがメディア大手のタイムワーナーを買収へ

日経新聞によると、米通信大手のAT&Tはメディア大手のタイムワーナーを買収する方向で調整に入ったとのこと。ウォール・ストリート・ジャーナル紙など複数の米メディアが報じたとのこと。

 

  • 米通信大手のAT&Tはメディア大手のタイムワーナーを買収する方向で調整に入った

  • ウォール・ストリート・ジャーナル紙など複数の米メディアが報じた

 

AT&Tがタイムワーナーを買収する方向で調整中ということで、これが実現すれば、超巨大メディア企業が誕生することになります。

 

 

10月21日はBATとAT&Tの買収話で市場は盛り上がった

ところで、本日は珍しく巨額の買収話が続いた一日でした。一個目の話がBATのとんでもなく巨額の買収話。私のほうでも記事にしてます。まだご存じない方はどうぞ。

[巨額買収で世界最大のたばこ会社誕生か] 英BATが米レイノルズに4.9兆円で買収提案。買収しては買収される。たばこ大手の買収合戦はけっこうミモノ

 

で、今回の話題がAT&Tなわけですが、業種はまったく違いますが、これまたとんでもなくでかい話。

 

 

AT&TはディレクTVを買収した米国2位の携帯電話事業者。タイムワーナーはワーナー・ブラザーズやCNNを持っている会社。

さて、この両社の特徴は何でしょうか。上記日経新聞によると、AT&Tは米国2位の携帯電話事業者とのこと。AT&Tは2015年に衛星放送大手のディレクTVを買収。タイムワーナーは映画部門のワーナー・ブラザーズやニュース専門局のCNNを傘下に抱えているとのこと。

 

  • 米国2位の携帯電話事業者

  • AT&Tは2015年に衛星放送大手のディレクTVを買収

  • タイムワーナーは映画部門のワーナー・ブラザーズやニュース専門局のCNNを傘下に抱えている

 

 

豆知識: ワーナーブラザーズはフレンズなど多くのヒット作のある超有名会社。

タイム・ワーナーでまず最初に思い浮かぶのがワーナー・ブラザーズ。確実に皆様も聞いたことがあるかと思います。私は昔「フレンズ」というドラマを好んで観ていましたが、あれもワーナー・ブラザーズでしたね。

 

ちなみに、私は南カリフォルニア大学という大学で勉強しましたが、あそこはハリウッドのすぐ近くの大学ですので、卒業後にメディアで働く人も行く人がけっこう多いです。学校に企業説明会でよく人が来てましたが、このワーナー・ブラザーズも大学にしょっちゅう来ていた記憶があります。もちろん、多くの人が働きたい会社でもあります。

 

ちなみに、LAに訪れる機会がある方は、ぜひワーナーブラザーズスタジオを訪れてほしいですね。LAから車で15-20分ぐらいだったと思います。映画やテレビファンにはお勧めですよ。

 

さて、AT&Tの買収話に話を戻しましょう。

 

 

なぜAT&Tはタイムワーナーを買収するのか。AT&Tは通信事業から転換し、巨大メディア企業となり、総合コンテンツ産業をめざすつもりか。

上記日経新聞によると、AT&Tは通信事業が頭打ちとなるなか、買収で巨大メディア企業への転換を一気に狙うもようだとのこと。

 

近年は他社との値下げ競争で携帯事業の収益は伸び悩んでいるとのこと。打開策としてディレクTVを485億ドルで買収携帯端末向けに動画配信サービスを準備しているとされるとのこと。

 

さらなる成長をめざすには「コンテンツを流す」業態だけでは限界があるとのこと。タイムワーナーを買収し、通信にとどまらない総合コンテンツ産業をめざすようだとのこと。

 

  • AT&Tは通信事業が頭打ちとなるなか、買収で巨大メディア企業への転換を一気に狙うもよう

  • 近年は他社との値下げ競争で携帯事業の収益は伸び悩んでいるとのこと。打開策としてディレクTVを485億ドルで買収

  • 携帯端末向けに動画配信サービスを準備しているとされる

  • さらなる成長をめざすには「コンテンツを流す」業態だけでは限界がある

  • タイムワーナーを買収し、通信にとどまらない総合コンテンツ産業をめざすようだ

 

AT&Tにとっての理由はわかりました。あと、今回は買収される側であるタイムワーナーにとってのメリットもあります。それが下記。

 

 

タイムワーナーがAT&Tの傘下になるメリットは

上記日経新聞によると、インターネットとスマートフォン(スマホ)の普及で米国人はテレビでなく動画配信を通じてコンテンツを視聴する傾向が高まっているとのこと。買収の動きは携帯電話の鈍化とケーブルテレビの加入者減というふたつの業態の苦境が生み出したとのこと。日本も例外ではないとのこと。

 

  • インターネットとスマートフォン(スマホ)の普及で米国人はテレビでなく動画配信を通じてコンテンツを視聴する傾向が高まっている

  • 買収の動きは携帯電話の鈍化とケーブルテレビの加入者減というふたつの業態の苦境が生み出した

  • 日本も例外ではなく

 

日本も例外ではないとありますが、これはもうその通りでしょう。今後動画配信などのネット戦略が遅れる企業は遅れていくでしょう。まぁ日本ではテレビ会社も動き始めてはいますが、ここまでだいたんな買収とかの話はまだないですね。

 

さて、個人的に注目してるのがソフトバンク率いるスプリントの動きです。それが下記。

 

 

ソフトバンクのスプリントはAT&Tとタイムワーナーの合併を目にして、何か戦略の変更はするのだろうか。AT&Tとベライゾンは買収をして通信事業からの転換を試行錯誤している。

さて、携帯電話会社といえば、米国では今や2強です。AT&Tとベライゾン。ソフトバンクのスプリントは今や4位。

 

で、明らかに違う点。それは、巨額の買収をしているのかしていないのか。

 

ベライゾンに関して言えば、ヤフーの主力事業を買うという報道が今年されましたし、AT&Tに関していえば、ディレクTVはもちろんのこと、今回のタイムワーナーの買収話がでています。両社とも、通信事業からの転換を模索しているのです。

 

そんな中、スプリントはスプリントで通信事業にて試行錯誤を繰り返しているわけです。ここからの転換はないのだろうか。

 

AT&Tが動いている今だからこそ、やはりここは、いったい今後どうして差別化を計っていくのかという大きなビジョンを明確にする必要がでてきていると思います。通信で勝負なら、どのようにこの2強に対峙していくのか。正直、現在はいまひとつ存在感に欠けています。

 

ソフトバンクの孫社長には、リーダーシップを発揮し、スプリントをインパクトあるやり方で再建していただきたく思います。

 

[更新] AT&Tがタイムワーナー買収を正式発表。AT&Tのタイムワーナー買収金額は800億ドル(8兆円)以上。

cnbc(英語)が伝えたところ、AT&Tがタイムワーナー買収を正式に発表したとのこと。8兆円以上ということで、超大型の買収となります。

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