ゾンビ企業救済し始めたりしたら、けっこうまずいと思ったほうがいいかもしれない。

 

中国が過剰な借金を抱える企業を実質的に救済するため、企業の借金を株式に転換する「債務の株式化」(DES)に動き出した。解禁は17年ぶり。

日経新聞によると、中国が企業の借金を株式に転換する「債務の株式化」に動き出したとのこと。解禁は17年ぶりで、過剰な借金を抱える企業を実質的に救済するとのこと。

 

  • 中国は企業の借金を株式に転換する「債務の株式化」に動き出した

  • 解禁は17年ぶりで、過剰な借金を抱える企業を実質的に救済する

 

中国で債務の株式化がスタートします。専門用語で別の言い方として、この債務の株式化はデッドエクイティスワップ(頭文字をとってDES)ともいいます。英語ではDESなので、その名称で欧米人と話さないと通じませんが、「債務の株式化」って最初に日本語訳した人は、非常にわかりやすく、うまくまとめたなと私はいつも思っています。

 

さて、このDESですが、その日本語訳そのものですが、負債が資本になるという手法です。これが、中国で解禁されるわけです。17年ぶりに。

 

さて、いきなり今回の最大の問題点に話を移してしまいましょう。今回の最大の問題点は、後に出てくるように、どの企業に債務の株式化を適用するのか、明確な基準がないという点です。ではこれがなぜ問題か。以下のような流れが生じる可能性があります。

 

どの企業に債務の株式化を適用するのか、明確な基準がない

ゾンビ企業がDES適用するために、銀行に相当なプレッシャーをかけてくる

結果、ゾンビ企業にも適用される可能性がある

そもそもゾンビ企業が高収益企業に生まれ変わる可能性は極めて低い。債務が見えにくくなるということもあり、銀行はより大きながトラブルを抱える。

 

結局、明確な基準を示していない現在、問題の先送りとなる可能性が高いといえます。以下、もう少しこのあたり、解説していきます。

 

 

ゾンビ企業に債務の株式化を適用しないとしているものの、明確な線引きがない

上記日経新聞によると、政府はゾンビ企業に債務の株式化を適用しないとしているが、明確な線引きは示していないとのこと。

 

  • 政府はゾンビ企業に債務の株式化を適用しないとしているが、明確な線引きは示していない

 

どの企業に適用されるかわからない。ゾンビ企業という瀕死の状態の企業に適用されないとはいってはいるものの、本当にそうなのか。いや、おそらく、ゾンビ企業にも適用される可能性が十分あるでしょう。それが下記。

 

 

どの企業へ「債務の株式化」するのかの基準がない以上、ゾンビ企業は銀行にプレッシャーをかける。癒着やトラブルが増える可能性がある。

結局、ゾンビ企業は他の企業がDESで借金なくなっていくのを見て、かなりイライラしてくるわけです。そこで、銀行にものすごいプレッシャーをかけてくるでしょう。我々にもDESを適用してくれ、と。

 

銀行とゾンビ企業の間で何かしらの癒着やトラブルが起きる可能性もあるでしょう。DESしてくれるなら、○○してあげるよ、とか。もしくは、してくれないなら、○○しちゃうよ、本当にいいのかな、と脅してくるかもしれません。

 

これだからこそ、明確な基準を示さないと、余計にトラブルが増える可能性が高いわけです。

 

 

そもそもゾンビ企業が高収益企業に生まれ変わる可能性は極めて低い。債務が見えにくくなるということもあり、銀行はより大きながトラブルを抱える。

そんでもって、ゾンビ企業を一時的に「救済」してあげても、結局このゾンビ企業が高収益企業に生まれ変わるかといったら、その可能性はきわめて低い。債務というものが見えにくくなることもあり、銀行にとっては相当やっかいな話になってくるわけです。

 

さて、今回の債務の株式化はどの企業に適用されるのか、それが下記。

 

 

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中国は「債務の株式化」(DES)の第1陣として宝山鋼鉄と統合する武漢鋼鉄などが具体策の検討に入った。債務の株式化の規模は最大で年2千億元(3兆円超)に達する見込み。

上記日経新聞によると、第1陣として宝山鋼鉄と統合する武漢鋼鉄などが具体策の検討に入ったとのこと。規模は最大で年2千億元(3兆円超)に達する見込み。非効率な企業の延命につながり、構造改革が先送りされるとの懸念も強いとのこと。

 

  • 第1陣として宝山鋼鉄と統合する武漢鋼鉄などが具体策の検討に入った

  • 規模は最大で年2千億元(3兆円超)に達する見込み

  • 非効率な企業の延命につながり、構造改革が先送りされるとの懸念も強い

 

第1陣は3兆円超に達するというもののようです。第1陣というように、このDESを今後も他の企業でやっていくという意向が中国ではあります。だからこそ、基準を明確にしないといけない。

 

 

 

どのくらい「債務の株式化」により、中国で借金が減るのか。どのくらいの規模で債務の株式化が進むのか。中国全体で債務の株式化の規模は「年に1千億~2千億元にのぼる」。

上記日経新聞によると、武漢鋼鉄は中国建設銀行と進めるとのこと。両社で基金を創設。武漢鋼鉄は建設銀の借金を基金に移し、一部を株式に転換する計画とされるとのこと。総額で240億元の借金を減らすとのこと。

 

雲南省政府系の国有企業、雲南錫業も債務の株式化で50億元の借金を減らすとのこと。貸し手の建設銀は同社を実質的に救済するとのこと。

 

中国全体で債務の株式化の規模は「年に1千億~2千億元にのぼる」(金融関係者)との見方が多いとのこと。

 

  • 武漢鋼鉄は中国建設銀行と進める

  • 両社で基金を創設。武漢鋼鉄は建設銀の借金を基金に移し、一部を株式に転換する計画とされる

  • 総額で240億元の借金を減らす

  • 雲南省政府系の国有企業、雲南錫業も債務の株式化で50億元の借金を減らす

  • 貸し手の建設銀は同社を実質的に救済する

  • 中国全体で債務の株式化の規模は「年に1千億~2千億元にのぼる」(金融関係者)との見方が多い。

 

中国は借金で苦しむ企業が多い中、今後こういった話に群がってくる企業が出てくることでしょう。中国政府には、早い段階で、いったいどの企業にDESを適用するのか、これを明確にしていただきたく思います。

 

ゾンビ企業に適用したら、問題の先送り化で、問題を深刻化させますから。

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