オプジーボ大幅値下げに、小野薬品はどうする。
政府は超高額の抗がん剤オプジーボの公定価格(薬価)を2017年度に50%引き下げる方向で最終調整。オプジーボは25%ではなく、50%の値下げへ。
日経新聞によると、政府は超高額の抗がん剤オプジーボの公定価格(薬価)を2017年度に50%引き下げる方向で最終調整に入ったとのこと。当初は最大25%の引き下げを検討していたとのこと。
政府は超高額の抗がん剤オプジーボの公定価格(薬価)を2017年度に50%引き下げる方向で最終調整に入った
当初は最大25%の引き下げを検討していた
抗がん剤オプジーボ。がん患者に希望を与えた薬です。小野薬品の傑作。オプジーボにより、小野薬品は株価、利益とも、絶頂期を迎えました。
このオプジーボ。今回大幅な値下げになったのは、2つの大きな議論があったからといえます。2つの議論とは、
- がん患者の多い日本で必要な人が多い中、オプジーボの値段は高すぎる。
- オプジーボは日本では高いが、米英では全然値段が低い
まずその値段。高い、高すぎる。いったいどれくらい高いのでしょうか。それが下記。
1.がん患者の多い日本で必要な人が多い中、オプジーボの値段は高すぎる。小野薬品のオプジーボは患者1人あたり1年間でいくらかかるのか。
上記日経新聞によると、オプジーボは患者1人に1年間使うと約3500万円かかるとのこと。5万人に使えば費用が1兆7500億円にのぼるとの試算がある。
オプジーボは患者1人に1年間使うと約3500万円かかる
5万人に使えば費用が1兆7500億円にのぼるとの試算がある
強烈な値段でしょう。
ここが議論されるのは、日本という国にはがん患者がたくさんいることも理由となります。以前、日本にどれくらいがん患者がいるのかについて、国立がん研究センターのデータを調べました。
日本の2016年のがん罹患数予測は約101万200例
2016年に国立がん研究センターが発表したところ、2016年のがん統計予測では、罹患数予測が101万200例で、100万例を超える予測結果が算出されたとのこと。
日本の罹患数は統計が作成され始めた1970年代から一貫して増加しているとのこと。死亡数は37万4千人で、こちらも戦後一貫して増加を続けているとのこと。
2016年のがん統計予測では、罹患数予測が101万200例で、100万例を超える予測結果が算出された
日本の罹患数は統計が作成され始めた1970年代から一貫して増加している
死亡数は37万4千人で、こちらも戦後一貫して増加を続けている
なぜ日本ではがん患者が増加しているのか
上記国立がん研究センターによると、罹患数、死亡数とも増加の主な原因は日本の高齢者人口の増加とのこと。
罹患数、死亡数とも増加の主な原因は日本の高齢者人口の増加
高齢化問題も重なっています。今後新たな医療、治療薬が出ることが期待されています。
というわけで、日本では罹患数、死亡数両方とも増加しつづけています。それだけ、がんの薬が必要であるともいえます。だからこそ、このオプシーボの値段について、議論が続くわけです。
2.オプジーボは日本では高いが、米英では全然値段が低い。なぜオプジーボの値段は50%も下がるのか。
上記日経新聞によると、米英の薬価は日本の半分以下で、厚労省が対策を練ってきたとのこと。
米英の薬価は日本の半分以下で、厚労省が対策を練ってきた
もともと25%の値下げでどうかとなっていましたが、米英が半分なのに、25%程度の値下げではまだ高いよという話になってきたわけです。結果、50%値下げという話が今回でてきています。
小野薬品はオプシーボに頼らず、次なる薬を開発する必要がある。小野薬品は最高益で余力のあるうちに買収など手を打つべし。
小野薬品はつい先日、2016年の4-9月期の純利益最高益を発表しました。小野薬品にとってオプシーボは傑作ですが、値下げなどを見据え、もう次なる傑作を何にするのかを真剣に検討していく必要があります。というのも、小野薬品はオプシーボ依存がかなり強いですから。
最高益の今、いい会社を発掘し、買収するも有効策でしょう。小野薬品が、どのような動きをするのかに注目したいと思います。