日東電工にとっては医薬品事業を拡大させるチャンス。

 

日東電工が肝硬変治療薬の開発や販売で米製薬大手のブリストル・マイヤーズスクイブと提携。日東電工は次世代型のバイオ医薬品でブリストルと提携し、2018年以降の製品化を目指す。

日経新聞によると、日東電工は肝硬変治療薬の開発や販売で米製薬大手のブリストル・マイヤーズスクイブと提携するとのこと。高い薬効が期待できる次世代型のバイオ医薬品で、2018年以降の製品化を目指す

 

  • 日東電工は肝硬変治療薬の開発や販売で米製薬大手のブリストル・マイヤーズスクイブと提携する

  • 高い薬効が期待できる次世代型のバイオ医薬品

  • 2018年以降の製品化を目指す

 

日東電工が次世代型バイオ医薬品開発で、なんとも頼もしい契約をとってきたようです。なぜ今回の契約が頼もしいものなのか。以下、1つの前提話と、3つのポイントに分類してご説明したいと思います。

 

前提話

  • 日東電工は既に肝硬変治療薬の臨床試験を始めているが、開発を委託することにした点

 

ポイント

  1. ほかの臓器の治療薬でも提携するので、日東電工は開発段階で1000億円規模の収入を得る見通し。製品化実現の際はロイヤリティー収入。
  2. 日東電工が提携するブリストル・マイヤーズスクイブは実績のある大手製薬会社
  3. 日東電工はスマホ鈍化の今、医薬品事業を拡大させ、リスクを分散している

 

 

前提話:日東電工は、肝硬変治療薬の臨床試験(治験)を既に始めている。日東電工はバイオ医薬品「核酸医薬品」の受託製造で約6割の世界シェアを持つ。日東電工は、今後多くの患者を対象に効能などを調べる治験に入るため、開発をブリストルに託す。

上記日経新聞によると、日東電工は、13年6月に米国で病気の原因になる遺伝子の働きを抑える核酸医薬品の肝硬変治療薬の臨床試験(治験)を始めたとのこと。

 

日東電工は遺伝子や細胞培養を用いるバイオ医薬品「核酸医薬品」の受託製造で約6割の世界シェアを持つとのこと。今後は多くの患者を対象に効能などを調べる治験に入るため、開発をブリストルに託すとのこと。

 

  • 13年6月に米国で病気の原因になる遺伝子の働きを抑える核酸医薬品の肝硬変治療薬の臨床試験(治験)を始めた

  • 日東電工は遺伝子や細胞培養を用いるバイオ医薬品「核酸医薬品」の受託製造で約6割の世界シェアを持つ

  • 今後は多くの患者を対象に効能などを調べる治験に入るため、開発をブリストルに託す

 

要するに。日東電工は自らの強みである「核酸医薬品」である肝硬変治療薬の治験は既に臨床試験を行っていました。ただ、今後、開発をブリストルに任せることに決めたということです。

 

そもそも、有効な治療薬が存在しない薬の開発。実績のあるところに任せれば、成功確立も上がります(これはポイント2)。

 

しかも、今回の提携はどうもより幅広い提携のようで、開発段階で段階的に収入が入り、どうもそれが1000億円規模になりそうだというのもポイントです(ポイント1)。

 

さて、今回のポイントに入っていきます。

 

 

1.日東電工はブリストル・マイヤーズスクイブと、肝硬変治療薬の開発や販売以外でも、ほかの臓器の治療薬でも提携し、開発段階で1000億円規模の収入を得る見通し。製品化実現後は、ブリストルに製造や販売の権利を譲渡し、売上高に応じたロイヤルティー収入。

スポンサーリンク

上記日経新聞によると、ほかの臓器の治療薬でも提携し、開発段階で1000億円規模の収入を得る見通しとのこと。

 

日東電工はまず17年3月期にブリストルから契約一時金1億ドル(約106億円)を受け取るとのこと。段階的に開発を任せていく肺や腸の治療薬でも治験が進むごとに一時金が支払われる契約とのこと。

 

製品化が実現すれば、日本を含む世界での製造や販売の権利をブリストルに譲渡し、売上高に応じたロイヤルティー収入も得るとのこと。

 

 

  • ほかの臓器の治療薬でも提携し、開発段階で1000億円規模の収入を得る見通し

  • 日東電工はまず17年3月期にブリストルから契約一時金1億ドル(約106億円)を受け取る

  • 段階的に開発を任せていく肺や腸の治療薬でも治験が進むごとに一時金が支払われる契約

  • 製品化が実現すれば、日本を含む世界での製造や販売の権利をブリストルに譲渡し、売上高に応じたロイヤルティー収入も得るとのこと。

 

今回はほかの臓器の治療薬でも提携するということで、開発段階で1000億円規模の収入が見込まれています。開発が進行するごとに、日東電工に一時金が支払われていくわけです。

 

「開発がうまく進んでいく」という前提に立てば、これは日東電工にとっては魅力的な話でしょう。最終的に製品化すれば、ロイヤルティー収入も入ってきます。

 

日東電工は、医薬品を推し進めていますが、全体の比率でみれば、この事業はまだまだ小さいもの。今回、大手と契約をとってきたことで、この事業を大きくする可能性があることを示すことができたともいえます。

 

さて、さきほどから大手、大手といっていますが、今回の提携先について書きたいと思います。

 

 

2.日東電工が提携するブリストル・マイヤーズスクイブは実績のある大手製薬会社

上記日経新聞によると、小野薬品工業とがん治療薬「オプジーボ」を共同開発したブリストルはC型肝炎治療薬で年間1600億円程度を売り上げるなど肝臓分野にも強く、日東電工は20年までに製品化できるとみているとのこと。

 

  • 小野薬品工業とがん治療薬「オプジーボ」を共同開発したブリストルはC型肝炎治療薬で年間1600億円程度を売り上げるなど肝臓分野にも強く、日東電工は20年までに製品化できるとみている

 

ブリストル・マイヤーズスクイブ。大手というか、超大手です。バファリンって知ってますよね?バファリンはもともとブリストル・マイヤーズスクイブが合併した前に開発した商品です。

 

あと、ポイントとして、小野薬品の傑作であるオプシーボ。これを共同開発したのがブリストルという点。日系企業とうまくやった経験もあるわけですし、オプシーボの成功は小野薬品を最高益へと押し上げ、株価も上がっていったわけです。

 

このような大手と日東電工が提携契約をとってきたという点が、評価できると思います。もちろん、大手だから開発が成功するとは限りません。ここは常に注意が必要です。ただ、開発がうまくいくかはおいておいても、日東電工がブリストルと提携契約をとってきたという事実。これは評価していいと思っています。

 

 

3.日東電工はスマホ鈍化の今、医薬品事業を拡大させ、リスクを分散している

上記日経新聞によると、日東電工はスマートフォン需要の鈍化で主力の電子部品事業が苦戦しており、医薬品事業の強化を急いでいるとのこと。

 

  • 日東電工はスマートフォン需要の鈍化で主力の電子部品事業が苦戦しており、医薬品事業の強化を急いでいる

 

日東電工全体では、スマホ鈍化のため、けっこう苦戦している面があります。スマホ鈍化という意味では、別に日東電工だけでなく、業態は違えど、多くの会社にとって影響があります。例えば先日私が書いたジャパンディスプレイの不振これもスマホ依存が原因でしたね。

 

日東電工に関して言えば、スマホ関連事業の比率が高いですから、けっこうしんどい面があるでしょう。ただ、比率こそまだまだ低いもの、今、医薬品事業を推し進めています。先月50億円ぐらいで医薬品事業の買収などもしていますし、積極的に動いているのは間違いありません。

 

今回、大手と提携契約をとってきた日東電工。これは、日東電工にとって、医薬品事業をさらに拡大させるチャンスであるともいえます。

 

ブリストルの開発のゆくえはどうなるのか、今後注目が集まるでしょう。

スポンサーリンク