東芝が2017年３月期に米国の原子力発電事業で1000億円規模の特別損失を計上する見通し。半導体と並ぶ柱の原子力事業の損失。半導体で上方修正していたのに痛い。

日経新聞によると、東芝が2017年３月期に米国の原子力発電事業で1000億円規模の特別損失を計上する見通しであることが26日分かったとのこと。

東芝は主力の半導体メモリーが好調で、今期の連結業績を複数回、上方修正していたとのこと。半導体と並ぶ柱と位置付ける原子力事業の損失が業績の回復基調に水を差すとのこと。

東芝の１０００億円規模の特損。今年の東芝はいいニュースが多かったので、これは大変痛い話。

東芝は半導体やHDDが好調で、今年に入り、上方修正を続けていました。１度でなく、３度上方修正しています。

一方、今回の原子力の件に関しては、訴訟など起こっていたので、なんだか読みにくく、見えずらいリスクとする考えはありました。ただ、そこまで注目が集まっていなかったかと思います。

なぜ東芝は１０００億円規模の特損を計上するのか。東芝側とＣＢ＆Ｉで資産価値の算定をめぐり、相違。両社の差は約26億ドル（約3000億円）に上る。損失額は1000億円を超える可能性もある。

上記日経新聞によると、原発子会社の米ウエスチングハウス（ＷＨ）が昨年末に買収した米原子力サービス会社を巡り、売り手の米シカゴ・ブリッジ・アンド・アイアン（ＣＢ＆Ｉ）と資産価値の算定を巡って第三者の会計士に調整を委ねていたとのこと。

東芝側とＣＢ＆Ｉの差は約26億ドル（約3000億円）に上るとのこと。損失額は1000億円を超える可能性もあるとのこと。

原発子会社の米ウエスチングハウス（ＷＨ）が昨年末に買収した米原子力サービス会社を巡り、売り手の米シカゴ・ブリッジ・アンド・アイアン（ＣＢ＆Ｉ）と資産価値の算定を巡って第三者の会計士に調整を委ねていた
東芝側とＣＢ＆Ｉの差は約26億ドル（約3000億円）に上る
損失額は1000億円を超える可能性もある

ちょっと背景を復習しておきましょう。

まず、昨年末の話。東芝の原発子会社のウエスチングハウス（ＷＨ）が、シカゴ・ブリッジ・アンド・アイアン（ＣＢ＆Ｉ）から、ＣＢ＆Ｉストーン・アンド・ウェブスター社を買収しました。

問題なのは、買収後の資産査定で、運転資本の金額で買い手と売り手で差が生じていた点です。どういうことか。

まず、両社は契約上、買収完了後に価格調整をすることにしていたわけです。で、東芝サイドは運転資本の算定結果を提出していた。

しかし、上記にあるように、ＣＢ&Ｉと運転資本で約３０００億円近い差がありました。

契約上は、差が生じた際は第三者に金額を調整してもらうことになっていましたが、ＣＢ&Ｉサイドはこれを取りやめてもらうよう訴訟。

しかし、裁判所はこの請求を認めませんでした。

この結果、契約どおり、第三者が計算したわけです。

その結果、特損が生じることになると。

第三者の会計士の判断。契約どおりの話なので、非があるのは東芝。そもそも、なぜ３０００億円も違いが出るようなあまあまな査定をしていたのか。東芝サイドでは、誰が査定していたのか。

上記日経新聞の更新では、東芝の見解では、減損が数千億円になる可能性とのこと。東芝常務によると、具体的な額は精査中とのこと。原発建設を巡るコストが膨らみ、資産価値が当初の想定を大幅に下回るとのこと。

コストが膨らみという話ですが、これは買って１年の話ですよ。そもそも、買った時、いったいどんな評価して買ったんだという話にもなってきます。

上記に書いたように、売り手とも見解の相違があります。何かズレているポイントがあると思いますが、これが何なのか。

[更新] この話の続き