なんと関電社長を出頭させ、管理職の実態把握へと直接働きかけた。

 

関西電力の課長職の男性が過労自殺した問題で、労働基準監督署が関電の岩根茂樹社長を出頭させ、全管理職の労働時間を適切に把握するよう求める指導票を交付

日経新聞によると、原子力規制委員会の審査対応をしていた関西電力の課長職の男性が過労自殺した問題で、福井労働局敦賀労働基準監督署が関電の岩根茂樹社長を出頭させ、全管理職の労働時間を適切に把握するよう求める指導票を交付していたことが15日、分かったとのこと。

 

関係者が明らかにしたとのこと。福井労働局で6日、手渡したとのこと。

 

  • 原子力規制委員会の審査対応をしていた関西電力の課長職の男性が過労自殺した問題で、福井労働局敦賀労働基準監督署が関電の岩根茂樹社長を出頭させ、全管理職の労働時間を適切に把握するよう求める指導票を交付していたことが15日、分かった

  • 関係者が明らかにした

  • 福井労働局で6日、手渡した

 

今回まず興味深いのが、労働基準監督署が、関電という大企業のトップを呼んで、直接労働時間の把握をするように求めている点です。

 

そして、さらに興味深いのが、今回の焦点が、労働者ではなく、管理職側である点。以下、管理監督者とは何かについて復習しておきましょう。

 

 

豆知識: 管理監督者とは。管理監督者は労働基準法41条に記載されており、いわゆる「監督若しくは管理の地位にある者」のこと。要は、経営者のような立場。自分で労働時間を決められる立場にいる人間。管理監督者も実態把握が必要。

さて、下記にも出てくるように、今回自殺された関電の方は、管理監督者に当たるとされています。

 

管理監督者という言葉が時々出ますが、これは労働基準法41条にあるところの、いわゆる「監督若しくは管理の地位にある者」のことです。

 

もっとくだいた言い方をすれば、経営者みたいなものだと考えていただけたら分かりやすいかと思います。

 

自分で労働時間を決められる立場にいる人間。例えば有名大企業の取締役を想像してみてください。毎日同じ時間に出社して、同じ時間に昼休みを取り、同じ時間に帰るというより、管理者として権限があり、自らがいろいろなことを決定できる立場にいるわけです。

 

そして、労働基準法第41条によれば、この管理監督者というのは、基本的に労働時間の制限規定が適用されません。管理監督者という立場上、これは理解できることではあるのですが、ここで重要なのは、実態を把握する必要があること。

 

まず、本当に、この人はそもそも管理監督者なのか。この点は重要です。要は、管理監督者としての権限が行使できる立場にいるのかどうかなど。

 

さらに、管理監督者であっても、健康状態は大丈夫かなど、会社としては把握する必要があります。この辺がおろそかになりがちというのが、時々問題として聞く話ではあります。

 

上記日経新聞によると、労働基準法上の「管理監督者」は労働時間の制限を受けず、残業代の支給対象外で、労務管理がおろそかになりがちだとされるとのこと。一般労働者でなく、管理職の勤務実態の把握を大企業のトップに直接求めるのは極めて異例とのこと。

 

  • 労働基準法上の「管理監督者」は労働時間の制限を受けず、残業代の支給対象外で、労務管理がおろそかになりがちだとされる

  • 一般労働者でなく、管理職の勤務実態の把握を大企業のトップに直接求めるのは極めて異例

 

「管理監督者」だって、労務管理がおろそかにされては、たまらない。今回の関電のケースを見ると、強烈な残業時間であったことがよく分かります。それが下記。

 

 

関電の自殺した男性は40台で管理監督者に当たるとされた。1カ月の時間外労働が最大約200時間に及んだこともあり、10月に過労自殺として労災認定された。会社側は管理職であっても深夜割増賃金を支払い、健康面に配慮し、労働時間を適切に管理する義務がある。

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上記日経新聞によると、男性は40代で管理監督者に当たるとされ、昨年4月に自殺。

 

1カ月の時間外労働が最大約200時間に及んだこともあり、10月に過労自殺として労災認定されたとのこと。

 

関電に是正勧告の対象となる法律違反はなかった。ただ会社側は管理職であっても深夜割増賃金を支払い、健康面に配慮し、労働時間を適切に管理する義務があるとのこと。

 

男性は持ち帰り残業をしていたとみられるが、労基署はこれまでの調査で正確な時間を確認できず、指導が必要と判断したとのこと。

 

高浜1、2号機は昨年7月7日までに審査を終えなければ廃炉が濃厚で、男性は月100時間を超える繁忙状態が続いていたというとのこと。

 

  • 男性は40代で管理監督者に当たるとされ、昨年4月に自殺

  • 1カ月の時間外労働が最大約200時間に及んだこともあり、10月に過労自殺として労災認定された

  • 関電に是正勧告の対象となる法律違反はなかった

  • ただ会社側は管理職であっても深夜割増賃金を支払い、健康面に配慮し、労働時間を適切に管理する義務がある

  • 男性は持ち帰り残業をしていたとみられるが、労基署はこれまでの調査で正確な時間を確認できず、指導が必要と判断した

  • 高浜1、2号機は昨年7月7日までに審査を終えなければ廃炉が濃厚で、男性は月100時間を超える繁忙状態が続いていたという

 

1カ月の時間外労働が最大約200時間。月100時間を超える状態が普通だった。厳しい話です。

 

 

関電の実態やいかに。関電は過去2年にさかのぼり全管理職の労働時間や持ち帰り残業時間を調べ、労基署に報告する。

上記日経新聞によると、関電は過去2年にさかのぼり全管理職の労働時間や持ち帰り残業時間を調べ、労基署に報告するとのこと。

 

同社は「指導を真摯に受け止め、引き続き適正な労働時間管理に努めたい」としているとのこと。

 

  • 関電は過去2年にさかのぼり全管理職の労働時間や持ち帰り残業時間を調べ、労基署に報告する

  • 同社は「指導を真摯に受け止め、引き続き適正な労働時間管理に努めたい」としている

 

関電の実態やいかに。関電の報告にも注目です。

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