東芝の半導体事業分社で、ウエスタンデジタルが出資か。

 

東芝が主力のフラッシュメモリーを含む半導体事業を分社し、ハードディスク駆動装置(HDD)世界最大手の米ウエスタンデジタル(WD)から出資を受ける交渉

日経新聞によると、東芝は主力のフラッシュメモリーを含む半導体事業を分社し、ハードディスク駆動装置(HDD)世界最大手、米ウエスタンデジタル(WD)から出資を受ける交渉に入ったとのこと。

 

米原子力発電事業で数千億円規模の損失計上を迫られる中、財務への懸念を払拭し、半導体への投資余力を確保するとのこと。

 

  • 東芝は主力のフラッシュメモリーを含む半導体事業を分社し、ハードディスク駆動装置(HDD)世界最大手、米ウエスタンデジタル(WD)から出資を受ける交渉に入った

  • 米原子力発電事業で数千億円規模の損失計上を迫られる中、財務への懸念を払拭し、半導体への投資余力を確保する

 

原子力事業の数千億円規模の減損と騒がれている中、遂に東芝が半導体事業を分社するという話になってきました。

 

 

豆知識: 東芝の半導体は好調。原子力事業の大失態のため、東芝は稼ぎ頭の半導体事業を分社化へ。半導体事業への投資を継続、今後の資金調達のためにも必要なことか。

東芝の原子力事業での大失態は、周知のとおり。

 

しかし、東芝には強みがあります。私のブログでも何度も書いてますが、東芝は半導体、HDDが好調。昨年は上方修正の嵐でした。

 

そんな半導体ですが、今や、分社化する段階へきています。原子力事業がどうなるか分からない今、好調の半導体を分社化。そこへ他の企業から出資もしてもらい、まず金を得る。半導体は今後も継続した投資が必要ですから、分社化により、この資金調達が容易になる。銀行もこの形を望んでいることでしょう。

 

ちなみに東芝は、四日市工場という、世界最大級の半導体フラッシュメモリ工場をもっています。ここでは、NAND型フラッシュメモリの生産をしています。

 

このあたりは、東芝自身が、世界最大の半導体フラッシュメモリ工場、情報化社会を支えるジャパンテクノロジーという記事で紹介しているので、関心がおありの方はどうぞご覧ください。(既に記事のリンク切れ)

 

そして、この四日市工場を共同運営している会社がウエスタンデジタル(WD)となります。

 

 

豆知識: 東芝半導体分社でに出資する可能性のあるウエスタンデジタル(WD)は、東芝と距離が近い。東芝のフラッシュメモリーの主力拠点である四日市工場は東芝とWDが共同運営。東芝曰く、四日市工場は世界最大の半導体フラッシュメモリ工場。WDはサンディスク買収後も東芝と提携関係を継続、投資を続けるHDD世界最大手。

さて、ウエスタンデジタル(WD)をご存知でしょうか。

 

HDD世界最大手のこの会社。上記にも書いたように、WDは東芝の四日市工場の共同運営会社です。ここにはちょっとだけ歴史的背景があります。

 

まず、サンディスクという、メモリーディスクの製造をしている米国企業があります。この企業が、東芝と近かった。

 

もともと、東芝とサンディスクは、四日市工場でNAND型フラッシュメモリの開発と生産を行っていました。

 

この東芝と共同で開発、生産を行っていたサンディスクは、昨年5月に、ウエスタンデジタルがサンディスクにより買収されました。

 

まぁいろいろあり、どうなることやらと言われていましたが、ウエスタンデジタルは、東芝との提携を継続、四日市工場へのさらなる投資などを発表しています。

 

結局、東芝とウエスタンデジタルは距離が近いといえます。今回、ウエスタンデジタルが出資交渉相手としてあげられているのも納得のいくところではあります。

 

 

東芝とウエスタンデジタル(WD)の新会社は将来IPOも検討か。新会社は早ければ2017年前半にも設立、ファンドなども出資に関心。

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上記日経新聞によると、新会社には東芝が過半の出資を残して連結対象とし、引き続きWDと共同でフラッシュメモリー事業を進めるとのこと。将来の新規株式公開(IPO)も検討するとのこと。

 

新会社は早ければ2017年前半にも設立するとのこと。複数の関係者によるとWDのほかファンドなども出資に関心を示しているとのこと。独占禁止法の問題もあり、最終的な出資者がどこになるかは不透明とのこと。出資比率は2割程度とし、出資額は2千億~3千億円の案が出ているとのこと。

 

  • 新会社には東芝が過半の出資を残して連結対象とし、引き続きWDと共同でフラッシュメモリー事業を進める

  • 将来の新規株式公開(IPO)も検討する

  • 新会社は早ければ2017年前半にも設立する

  • のこと。複数の関係者によるとWDのほかファンドなども出資に関心を示している

  • 独占禁止法の問題もあり、最終的な出資者がどこになるかは不透明

  • 出資比率は2割程度とし、出資額は2千億~3千億円の案が出ている

 

WDと交渉しているのは、上記でも書いたように納得のいくところ。ファンドも関心とありますが、関心あるファンドはいるでしょうね。そもそもこの分野は、東芝の稼ぎ頭の分野です。

 

WDと共同でフラッシュメモリー事業を今後も進めるというのは、当然そうなるでしょう。

 

 

なぜ東芝は半導体事業を分社化し、ウエスタンデジタル(WD)などに出資してもらう交渉をしているのか

上記日経新聞によると、分社により株式を売却すれば短期の資金が入るほか、年間で数千億円に及ぶ設備投資や研究開発の資金も金融機関からの融資などで賄いやすくなるとのこと。

 

フラッシュメモリーを軸とした成長戦略が描きやすくなり、将来的な本体の資本増強にもつながるとみているとのこと。東芝のHDDを含む半導体事業は16年3月期の売上高が1兆5759億円。このうちメモリーが半分以上を占めるとのこと。

 

東芝は2月中旬に予定する16年4~12月期決算の発表に向けて、米原子力事業の減損額の確定や追加のリストラ策の策定作業を急いでいるとのこと。半導体事業分社などを構造改革の目玉とし、融資継続を要請した銀行団の支持を取り付けたい考えとのこと。

 

  • 分社により株式を売却すれば短期の資金が入るほか、年間で数千億円に及ぶ設備投資や研究開発の資金も金融機関からの融資などで賄いやすくなる

  • フラッシュメモリーを軸とした成長戦略が描きやすくなり、将来的な本体の資本増強にもつながるとみている

  • 東芝のHDDを含む半導体事業は16年3月期の売上高が1兆5759億円

  • このうちメモリーが半分以上を占める

  • 東芝は2月中旬に予定する16年4~12月期決算の発表に向けて、米原子力事業の減損額の確定や追加のリストラ策の策定作業を急いでいる

  • 半導体事業分社などを構造改革の目玉とし、融資継続を要請した銀行団の支持を取り付けたい考え

 

メモリ事業を継続するのも金がかかります。短期の資金、長期の資金、両方重要なわけです。

 

この東芝の分社化出資交渉はうまくいくのか、そして、出資するのはどこか。今後も要注目です。

 

[更新] ウエスタンデジタルは原則、他社への売却を認めず

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