原子力事業も分社か。
東芝が原子力事業を最重点(最注力領域)から外す
日経新聞によると、東芝は半導体と並ぶ2本柱の一角と位置付けてきた原子力事業を見直すとのこと。海外を中心に事業を縮小するほか、「最注力領域」としてきた位置付けを外すとのこと。
米原子力事業で巨額の損失計上を迫られているうえ、東日本大震災の影響で新規原発の建設が難しいため、安定収益を続けるのは難しいと判断したとのこと。
東芝は半導体と並ぶ2本柱の一角と位置付けてきた原子力事業を見直す
海外を中心に事業を縮小するほか、「最注力領域」としてきた位置付けを外す
米原子力事業で巨額の損失計上を迫られているうえ、東日本大震災の影響で新規原発の建設が難しいため、安定収益を続けるのは難しいと判断した
東芝が遂に原子力事業を最重点から外します。
今回は、せっかく半導体が軌道に乗っていたのに、原子力事業が足を引っ張っぱり、半導体事業分社化という話になっています。ウエスチングハウスそのものの減損も膨大にあります。
東芝の原子力事業での失態。ウエスチングハウスをコントロールできない東芝。私の方でもいろいろ記事にしています。特に、7000億円の損失に関しては下記の記事をご参照ください。
さて、今回大事なのは、原子力事業を最重点から外してどうしていくのかという点。それが下記。
東芝が原子力事業を独立させ、分社も視野にいれている
上記日経新聞によると、社内カンパニーの中に置いていた原子力事業を独立させ、社長直轄の組織とする検討に入ったとのこと。分社も視野に入れる。約半世紀にわたり経営の柱としてきた東芝の戦略が大きく転換するとのこと。
社内カンパニーの中に置いていた原子力事業を独立させ、社長直轄の組織とする検討に入った
分社も視野に入れる。約半世紀にわたり経営の柱としてきた東芝の戦略が大きく転換する
東芝が原子力事業の独立。いや、分社も視野にいれています。
これだけリスクの大きい事業、他の事業に影響を与えます。今回の騒動から、分社という動きも理解できるところ。
東芝の場合は、だらしない経営陣に問題があります。そして、だらしのない経営陣は、分社化した後も、ウエスチングハウスをちゃんとコントロールできるのかという点が気になります。
その点について、上記では、東芝は原子力事業を社長直轄の組織とするとしています。この動き自体はよく、一つの戦略です。
しかし、これまでの経緯から考えて、これだけでは不十分。
東芝は原子力事業を最注力領域から外した後、原子力事業をどうしていくのか
海外事業については原発建設など高いリスクを持つ事業で、大幅縮小を含めた見直しに着手するとのこと。米ウエスチングハウス(WH)など原子力関連の子会社との情報共有を密にし、意思決定を早めるとのこと。
国内の原子力事業については安定した利益を稼げる原発再稼働、メンテナンス、廃炉を中心にして収益基盤を固める
海外事業については原発建設など高いリスクを持つ事業で、大幅縮小を含めた見直しに着手する
米ウエスチングハウス(WH)など原子力関連の子会社との情報共有を密にし、意思決定を早める
情報共有を密にするのはあたりまえ。経営陣がウエスチングハウスをどうコントロールするのか。海外事業で大幅縮小となると、いよいよウエスチングハウスがお荷物になってしまいます。
ウエスチングハウスとの関係についてもっと示す必要があります。
東芝の原子力事業はどうなるか、要注目です。