シャープの人材流出はいつ止まるのか。

 

シャープのアジアや中近東事業統括者である新晶常務がエディオンの執行役員に。新晶氏はエディオンの住宅リフォーム部門を担当する見込み。

日経新聞によると、シャープでアジアや中近東などの事業を統括していた新晶常務が退社し、家電量販大手のエディオンの執行役員に近く就くことが分かったとのこと。

 

新氏は台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が2016年8月にシャープを買収した後の人事で、重要なアジア事業のトップに就いたばかり。シャープは鴻海の傘下で業績が改善基調にあるが、幹部らの人材流出が続いているとのこと。

 

新氏は白物家電やテレビなどを販売する子会社の社長を務めた経験もあり、営業畑が長いとのこと。エディオンでは同社が注力する住宅リフォーム部門を担当する見込みとのこと。

 

  • シャープでアジアや中近東などの事業を統括していた新晶常務(61)が退社し、家電量販大手のエディオンの執行役員に近く就くことが分かった

  • 新氏は台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が2016年8月にシャープを買収した後の人事で、重要なアジア事業のトップに就いたばかり

  • シャープは鴻海の傘下で業績が改善基調にあるが、幹部らの人材流出が続いている

  • 新氏は白物家電やテレビなどを販売する子会社の社長を務めた経験もあり、営業畑が長い

  • エディオンでは同社が注力する住宅リフォーム部門を担当する見込み

 

 

シャープから再び人材が流出します。今回は、アジアという重要地域を統括していた人物の流出。エディオンでは執行役員になりますが、部門としては住宅リフォーム部門。これは興味深い。それが下記。

 

 

豆知識: エディオンは家電量販店大手だが、住宅リフォーム部門に強く、売上高も住宅リフォームのトップ10入りを果たしている。エディオンの住宅リフォーム部門は非住宅メーカーとして際立っている存在であり、そんな力を入れている部門をシャープの人材が統括することに。

さて、エディオンは家電販店大手ですから皆様ご存知でしょう。

 

興味深いことに、このエディオンは住宅リフォーム部門に強いことで知られています。住宅リフォームというのは通常住宅メーカーの専門分野ですが、エディオンは家電販店としてこの分野で存在感を発揮しています。

 

リフォーム産業新聞が住宅リフォーム売上ランキングというのを出していますが、昨年9月にエディオンは10位となっています。家電販店なのにトップ10入りを果たしているわけです。上記リフォーム産業新聞でのエディオンの住宅リフォームの規模としては、

 

  • 売上454億円→これが理由で10位
  • 従業員1127人

 

となっています。売上もけっこうありますが、従業員数が1127人というのを見ても、けっこう大きくやってることが分かります。

 

エディオンにとってこの部門はかなり力を入れている部門なわけですが、シャープの人材がこの部門を今後担当することになるというわけです。

 

エディオンにとってはシャープという別企業から人材を獲得することで新たな風を吹かせたいという思いがあることでしょうし、このような力を注いでいる部門を新氏に任せるわけですから、それだけ新氏に期待をしているという意味でもあります。

 

 

鴻海流でもシャープの人材流出は止まらない。日本電産がシャープ出身者をごっそり獲得したあたりが転機になった感がある。鴻海はどう食い止めるのか。

シャープの人材流出はけっこうな問題です。シャープはこれを食い止めようとしていますが、うまくいっていません。

 

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上記日経新聞によると、シャープは鴻海流の成果主義の人事報酬制度を導入し優秀な人材の引き留めに動いてきたとのこと。ただ、16年秋には複数の事業部長クラスが日本電産に移ったとのこと。最近では異業種の亀田製菓への転職者も出たとのこと。

 

16年に発売したロボット型携帯電話「ロボホン」を担当した複数の技術者もエイチ・アイ・エス(HIS)子会社のハウステンボスが設立したロボット関連会社に移ったとのこと。

 

  • シャープは鴻海流の成果主義の人事報酬制度を導入し優秀な人材の引き留めに動いてきた

  • ただ、16年秋には複数の事業部長クラスが日本電産に移った

  • 最近では異業種の亀田製菓への転職者も出た

  • 16年に発売したロボット型携帯電話「ロボホン」を担当した複数の技術者もエイチ・アイ・エス(HIS)子会社のハウステンボス(長崎県佐世保市)が設立したロボット関連会社に移った

 

特に有名なのが日本電産がシャープからごっそり人材を獲得したという話です。2014年に日本電産が片山副会長を獲得してからというもの、幹部クラス含め、シャープから日本電産に大勢流れています。

 

日本電産の永守氏は鴻海のシャープ買収をいい転機とみなし、公の場でシャープからの人材獲得についても何度も話しています。

 

こういった経緯もあり、シャープの人材に対する注目が上がったという面もあります。

 

鴻海はこの日本電産が大きく動いたあたりで、もっと必死に食い止めにかからなければいけなかったわけですが、シャープの人材は鴻海流の成果主義の人事報酬制度よりも他社へ行くことを優先した方が多くいました。

 

鴻海はさらなる人材流出を食い止めるためにどう動くのか、要注目です。

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