新生森永グループのゆくえは。[更新] 記事最後に重要な更新あり。

 

森永製菓と森永乳業が経営統合。2018年4月をメドに持ち株会社。

日経新聞によると、森永製菓と森永乳業が2018年4月をメドに経営統合することが23日、分かったとのこと。統合で売上高は8千億円に迫り、明治ホールディングスに続く総合製菓・乳業メーカーが誕生するとのこと。持ち株会社方式で経営統合する見通しとのこと。

 

  • 森永製菓と森永乳業が2018年4月をメドに経営統合することが23日、分かった

  • 統合で売上高は8千億円に迫り、明治ホールディングスに続く総合製菓・乳業メーカーが誕生する

  • 持ち株会社方式で経営統合する見通しだ。

 

ついに森永製菓と森永乳業が経営統合します。

 

 

余談: 森永製菓と森永乳業の経営統合は、両社とも純利益が最高益となることが分かっている時点での統合話。

さて、森永製菓と森永乳業が統合することで、巨大菓子・乳業グループが誕生します。どれくらいの規模でしょうか。

 

上記日経新聞がまとめた菓子・乳業メーカーのトップ7の16年3月時点の売上は、

1位 明治HD 1兆2237億円

2位 森永乳業 6014億円

3位 雪印メグミルク 5783億円

4位 江崎グリコ 3384億円

5位 カルビー 2461億円

6位 森永製菓 1818億円

7位 ロッテ 1507億円

 

となっています。2位と6位の統合で、売上7832億円のグループが誕生します。確かに巨大ですね。しかし、1位の明治HDはさらに巨大で、森永2社が統合しても、明治との差はまだ4405億円あります。

 

それでも今回の経営統合話、明治HDにとっては脅威としかいいようがありません。

 

ここで、まず、業績面での理由を第一に挙げたいと思います。つい先日、2017年3月期に森永製菓、森永乳業、両社とも純利益が過去最高になるという話がでました。つまり、いい材料が出た両社が前向きな経営統合の話をしているのです。

 

明治HDを振り返ると、明治製菓と明治乳業の経営統合がかつてあったわけですが、この時は、サブプライム問題の後にいろいろドタバタしていた時期でした。さらに、原材料が高くなっているから経営統合して乗り切るのではとさえ言われていました。つまり、今回の森永2社の統合と明治の時の経営統合とでは、経営環境からまったく異なっているわけです。

 

とはいっても、追われている明治HDだって、先日、2017年3月期の経常利益は過去益と発表しました。

 

それでも、明治HDは、新生森永はまだまだ明治には追いつけないだろうと考えているでしょうか。いや、実際のところは森永2社の経営統合は明治にとってはかなりの脅威と考えていることでしょう。それが下記。

 

 

豆知識: 森永製菓・乳業統合での持ち株会社の社長は森永製菓の新井徹社長。新井社長は森永製菓の特に米国での躍進拡大を推し進めて結果を出した人物。森永乳業が海外販路を持つことに、菓子・乳業首位の明治HDは笑えない。

さて、森永乳業のほうが売上が森永製菓より全然でかいわけですが、近年の市場の動きを見ると、明らかに注目をあびているのは森永製菓の方です。

 

森永製菓は、業績が急拡大しています。海外での動きもかなりおもしろい。特に米国においては、森永製菓はハイチューで明らかにプレゼンスを発揮し始めているのは有名な話です。

 

上記日経新聞によると、森永製菓はソフトキャンディー「ハイチュウ」を米国で販売しており、米ウォルマート・ストアーズなど大手小売店に販路を持つとのこと。

 

  • 森永製菓はソフトキャンディー「ハイチュウ」を米国で販売しており、米ウォルマート・ストアーズなど大手小売店に販路を持つ

 

そして、特にこのあたりを主導して結果を出してきた人物が、森永製菓社長の新井氏であるといわれています。

 

上記日経新聞によると、長く業績が低迷してきた森永製菓だったものの、13年に就任した新井社長が不採算商品の削減など経営改革に着手海外展開も進めて業績が急拡大したことも両社の交渉を後押ししたとみられるとのこと。今期の連結純利益は115億円と森永乳業(120億円)とほぼ同水準に達する見込みとのこと。

 

  • 長く業績が低迷してきた森永製菓だったが、13年に就任した新井社長が不採算商品の削減など経営改革に着手。海外展開も進めて業績が急拡大したことも両社の交渉を後押ししたとみられる

  • 今期の連結純利益は115億円と森永乳業(120億円)とほぼ同水準に達する見込みだ

 

あんなに売上で差があるのに、連結純利益がほぼ同水準という話です。市場から注目が集まった理由も理解できるところ。

 

で、注目したいのは、森永乳業は業界2位というでかさを誇り、プレゼンスはありますが、海外でのプレゼンスがもう一つなところ。もちろんドイツのミライGmbHで工場増設など海外もちゃんとやっていますが、やはり森永製菓のハイチューの米国でのマーケティング手法、さらに販路や海外戦略も含め、これらを活用できれば、海外で飛躍できる可能性があります。

 

スポンサーリンク
上記日経新聞によると、持ち株会社の会長には森永乳業の宮原道夫社長、社長に森永製菓の新井徹社長が就く方向で調整しているとのこと。社名や株式移転の比率などは今後詰めるとのこと。

 

森永乳業の海外販売は粉ミルクを除くとほぼ業務用に限られていたが、製菓の販路を生かすことで消費者向け商品も拡大が見込めそうとのこと。海外でのブランド統合も進む可能性があるとのこと。

 

  • 持ち株会社の会長には森永乳業の宮原道夫社長、社長に森永製菓の新井徹社長が就く方向で調整している

  • 社名や株式移転の比率などは今後詰める

  • 森永乳業の海外販売は粉ミルクを除くとほぼ業務用に限られていたが、製菓の販路を生かすことで消費者向け商品も拡大が見込めそう

  • 海外でのブランド統合も進む可能性がある

 

社長は新井氏というあたり、海外をしっかり見据えているのでしょう。販路を生かすという点に関しては上記で書いた通り。

 

あと、例えばアイスとかの分野は統合が進む可能性があるでしょうね。

 

 

もう一つのポイント: 森永製菓と森永乳業の本社ビルは同じ場所

上記日経新聞によると、森永製菓と森永乳業は日本初の洋菓子工場を発祥とする兄弟会社。1949年に乳業が製菓から分離独立して別会社となったとのこと。森永製は森永乳の株式の10.5%を保有する筆頭株主で、本社のビルも東京都港区の同じ場所にあるが、事業面での連携はほとんどなかったとのこと。

 

  • 森永製菓と森永乳業は日本初の洋菓子工場を発祥とする兄弟会社

  • 1949年に乳業が製菓から分離独立して別会社となった

  • 森永製は森永乳の株式の10.5%を保有する筆頭株主で、本社のビルも東京都港区の同じ場所にあるが、事業面での連携はほとんどなかった

 

もともと兄弟会社であるだけでなく、本社ビルが同じ場所にある。こんなに連携がしやすい状況はないでしょう。会議の多い日本、ミーティングだってすぐできますね。

 

 

なぜ森永製菓と森永乳業は経営統合するのか

上記日経新聞によると、両社とも機能性の高い高付加価値商品に強みがあるが、研究拠点の統合などを通じてより競争力の高い商品を作るとのこと。相互の販路を活用して海外事業を拡大し、研究開発機能を強めて消費者の健康志向に応える商品づくりを進めるとのこと。少子高齢化で国内市場が細るなか、経営統合で成長を目指すとのこと。

 

  • 両社とも機能性の高い高付加価値商品に強みがあるが、研究拠点の統合などを通じてより競争力の高い商品を作る

  • 相互の販路を活用して海外事業を拡大し、研究開発機能を強めて消費者の健康志向に応える商品づくりを進める

  • 少子高齢化で国内市場が細るなか、経営統合で成長を目指す

 

ライバルの明治HDはどう反応するか、また、規模で差が開く雪印、江崎グリコ、カルビーの動きにも要注目です。

 

[更新] [なんと統合話が白紙に] 森永製菓と森永乳業が経営統合の検討を終了。突然のサプライズ

スポンサーリンク
スポンサーリンク