カルロス・タバレスの躍進に、カルロス・ゴーンは何を思う。
PSA(旧プジョーシトロエングループ)が独オペラをGMから買収することを決定。GMは欧州撤退になる。
日経新聞によると、フランスの自動車大手グループPSAは3日、臨時の監査役会を開き、GMの欧州子会社、独オペルを買収することを決めたとのこと。仏メディアが一斉に報じたとのこと。6日に発表するとのこと。
フランスの自動車大手グループPSA(旧プジョーシトロエングループ)は3日、臨時の監査役会を開き、米ゼネラル・モーターズ(GM)の欧州子会社、独オペルを買収することを決めた
仏メディアが一斉に報じた
6日に発表する
PSAのオペル買収が決定。これで、オペルを売るGMは欧州撤退となりそうです。
考察: PSAはオペル買収で、欧州(特にフランス、ドイツ、英国)にてこれまでよりもプレゼンスを誇ることになる。オペル買収後はPSAは欧州シェア16.3%となり、VWに次ぐ欧州2位の規模になる。
さて、今回の買収ですが、大変注目されている点、それは、PSAがオペル買収することにより、PSAの欧州でのプレゼンスが一気に上がるという点です。
これは単純に考えても納得いく話。PSAはフランス、オペルはドイツですから(オペルは米GMの子会社ですが)、シンプルに市場が拡大する。
さらに、オペルは英国でもボクソールというブランドを持ってます。そして、今回の買収は、このボクソールも対象です。
これはつまり、PSAがドイツ、英国でも強くなると見ていいです。
上記日経新聞によると、買収価格は明らかになっていないとのこと。実現すれば年間販売台数は430万台になり、独フォルクスワーゲン(VW)に次ぐ欧州2位の規模になるとのこと。
買収にはオペルの英国ブランド「ボクソール」も含まれるとのこと。仏紙レゼコーによると、車体やエンジンの共通化などで年間20億ユーロの相乗効果が期待できるとのこと。
買収価格は明らかになっていない
実現すれば年間販売台数は430万台になり、独フォルクスワーゲン(VW)に次ぐ欧州2位の規模になる
買収にはオペルの英国ブランド「ボクソール」も含まれる
仏紙レゼコーによると、車体やエンジンの共通化などで年間20億ユーロの相乗効果が期待できる
430万台で欧州2位ということですが、パーセンテージとしてはどれくらいの大きさでしょうか。
以前ロイターが報じたところ、16年の数字ベースで、PSAはオペル買収後、欧州にて16.3%のシェアになるとしています。
PSAはオペル買収で、欧州での収益改善を進め、中東、アフリカやアジアへの進出を加速へ。PSAは15年に黒字転換達成後、16年は79%の利益増。
上記日経新聞によると、PSAは欧州での収益改善を進め、中東・アフリカやアジアへの進出を加速させる考えとのこと。
PSAは14年まで3年連続の赤字を記録したとのこと。同年に最高経営責任者(CEO)に就任したカルロス・タバレス氏は車種削減などリストラを進め、15年に黒字転換を達成。16年も最終利益が21億ユーロと前年比79%増えるなど、順調な業績を残し、反転攻勢に打って出る構えとのこと。
14年まで3年連続の赤字を記録した
同年に最高経営責任者(CEO)に就任したカルロス・タバレス氏は車種削減などリストラを進め、15年に黒字転換を達成
16年も最終利益が21億ユーロと前年比79%増えるなど、順調な業績を残し、反転攻勢に打って出る構え
ここなんですよ、ポイントは。それが下記。
雑談: PSAのカルロス・タバレスCEOはもともとカルロス・ゴーンに首を切られ、ルノーを去った人物。業績回復で好調、ゴーン氏を脅かす存在に。オペル買収でタバレス氏とゴーン氏は何を思う。
カルロス・タバレス氏。このCEOがPSAを立て直したわけですが、この人、もともとどこにいた人か覚えていますでしょうか。
この方は、もともとルノーのCOOです。社長の座を狙っていたものの、ゴーン氏が譲らなかった。タバレス氏がこれに対する不満を言ったことで、ゴーン氏がキレた、など、いろいろストーリーが存在します。
ともかく、ルノーを去り、PSAに移り、業績を回復させたわけです。で、今回、オペルを買う決定をした。欧州シェアは2位になる。
タバレス氏は何を考えているのか。ゴーン氏がさっさとおれをCEOにしておけば、と内心思ってるかもしれません。
ゴーン氏は何を考えているでしょうか。内心、こりゃたまんないなと思ってるかもしれません。いつの間にかタバレス氏の会社が欧州シェア2位になるという存在感になるわけですから。欧州で結果出した後、世界でシェア獲られたらシャレになりませんし。
結局、この2人の考えをいろいろ想像してみるのも今回の買収の醍醐味だと思いますね。
PSAは無事にオペルを買収するのか、要注目です。