東芝メモリが大盛況かと思えば、次は決算発表再々延期の公算という強烈な話。
東芝が3回目の決算発表延期をする公算。複数の関係筋。11日の発表が難しい。PwCあらた監査法人が疑義を指摘、2015年度の決算見直しの必要性が浮上。
1日にロイターが報じたところ、東芝が3回目の決算発表延期をする公算が大きくなっているとのこと。
決算発表は2016年度第3四半期(4─12月)決算についてで、提出期限の今月11日の発表が難しいとのこと。複数の関係筋が1日に明らかにしたとのこと。PwCあらた監査法人が、15年度決算について疑義を指摘しているもようとのこと。
今回、3回目の延期の可能性が出ているのは、監査法人側からの指摘で、15年度の決算見直しの必要性が浮上しているとみられているとのこと。
- 東芝が3回目の、2016年度第3四半期(4─12月)決算について、提出期限の今月11日の発表が難しくなり、延期する公算が大きくなっている
- 複数の関係筋が1日、明らかにした
- PwCあらた監査法人が、15年度決算について疑義を指摘しているもようだ
- 今回、3回目の延期の可能性が出ているのは、監査法人側からの指摘で、15年度の決算見直しの必要性が浮上しているとみられている
考察: 東芝の決算発表再々延期の公算というリスク、東芝半導体事業に米社が2兆円提示という、いい話があった直後の話。
つい昨日の話。
私の方で、下記の記事を書きました。
[シルバーレイク・パートナーズ、ブロードコムが2兆円提示] 東芝半導体に米社が2兆円提示。技術流出の点をクリアできるかどうか。どうなる東芝メモリ、2次入札。
そうです、東芝の半導体事業に、米社が2兆円を提示したという話でした。
2兆円で売却できるのならば、東芝は、1兆円を優に超える売却益を手にするという話。東芝にとってはものすごくいい話。東芝半導体事業がいかに人気かも分かります。
しかし今回。提出期限が4月11日の決算発表が難しくなり、東芝が決算発表を再々延期する公算という話がでました。
米社が2兆円といういい話が出たかと思えば、再々延期のリスクが現実味を帯びているという話が出た。
決算発表再々延期はリスクなのでしょうか?これには、日本取引所CEOの発言を再度考えてみるといいと思います。それが下記。
考察: 東芝東芝が決算発表3回目の延期をすると、東芝はどうなるのか。東芝、決算発表3回目の延期の公算は、東芝の上場廃止リスクの1つ。東芝に3つの上場廃止リスク。
今回の話と併せて考えたい点があります。31日の、日本取引所グループCEOの記者会見での発言です。
日経新聞によると、31日に日本取引所グループの清田瞭グループ最高経営責任者(CEO)が記者会見で、東芝は引き続き3つの上場廃止リスクを抱えていると述べたとのこと。具体的には、
- 4月11日の四半期報告書提出
- 特設注意市場銘柄の指定解除
- 18年3月末までの債務超過解消
を挙げたとのこと。上場維持の是非は、「守るべき条件が整うかどうかで判断する」と改めて強調とのこと。
日本取引所グループの清田瞭グループ最高経営責任者(CEO)は31日の記者会見で、東芝について「引き続き3つの上場廃止リスクを抱えている」と述べた
具体的には4月11日の四半期報告書提出、特設注意市場銘柄の指定解除、18年3月末までの債務超過解消を挙げた
上場維持の是非は、「守るべき条件が整うかどうかで判断する」と改めて強調
3つの上場廃止リスク。その1つ目。まさに、今回のテーマです。だって、そもそも提出できないかもしれないという話ですから。
決算発表延期再々延期となると、さすがにまずい話になってきます。日本取引所CEOの発言からもいろいろ考えさせられます。東芝リスクはしっかり注視する必要があるといえるでしょう。
最後に、なぜ東芝が3回目の決算発表延期をする可能性があるのか、具体的に見てみましょう。
なぜ東芝は3回目の決算発表延期をする可能性があるのか。WH内での不適切行為の発覚とその調査を理由とした2回の決算延期は「言い訳に過ぎない」と指摘する関係者も。
上記ロイターによると、ある関係筋は、WH内での不適切行為の発覚とその調査を理由とした2回の決算延期は「言い訳に過ぎない」と指摘しているとのこと。
東芝は15年度の決算について、WHを含む原子力事業で約2500億円の減損を実施したが、その理由は、不正会計問題に伴う業績の大幅悪化で財務体質が悪化、資金調達が不利になったためと説明。原発事業の不振によるものではないとの見解を強調していたとのこと。
ところが、昨年12月27日、東芝はWHが米国で手掛ける4基の原子炉の建設で「数千億円規模の損失が出る可能性がある」と突然、発表。その3カ月後の3月29日、WHは連邦破産法11条の適用を申請し、東芝は2016年度に約1兆円の純損失を計上する可能性があるとのこと。
会計や原子力の複数の専門家は、このような巨額損失が今年度に突然、発生したものとではなく、以前からコストの上振れや工期の延期などの損失要因が積み重なっていたと指摘していたとのこと。
別の関係筋によると、昨年末の段階では事業は順調としていたWHが突然、経営破たんに至ったことについて、WHに関する会計処理が適切だったのかどうかも含め、PwCあらた監査法人側は、15年度に遡って調査する必要性を東芝側に伝えているもようとのこと。
決算発表の延期の可能性について、東芝のコメントは得られていないとのこと。
ある関係筋は、WH内での不適切行為の発覚とその調査を理由とした2回の決算延期は「言い訳に過ぎない」と指摘している
東芝は15年度の決算について、WHを含む原子力事業で約2500億円の減損を実施したが、その理由は、不正会計問題に伴う業績の大幅悪化で財務体質が悪化、資金調達が不利になったためと説明
原発事業の不振によるものではないとの見解を強調していた
ところが、昨年12月27日、東芝はWHが米国で手掛ける4基の原子炉の建設で「数千億円規模の損失が出る可能性がある」と突然、発表
その3カ月後の3月29日、WHは連邦破産法11条の適用を申請し、東芝は2016年度に約1兆円の純損失を計上する可能性がある
会計や原子力の複数の専門家は、このような巨額損失が今年度に突然、発生したものとではなく、以前からコストの上振れや工期の延期などの損失要因が積み重なっていたと指摘していた
別の関係筋によると、昨年末の段階では事業は順調としていたWHが突然、経営破たんに至ったことについて、WHに関する会計処理が適切だったのかどうかも含め、PwCあらた監査法人側は、15年度に遡って調査する必要性を東芝側に伝えているもよう
決算発表の延期の可能性について、東芝のコメントは得られていない
東芝は現時点でノーコメント。
これまでの2回の決算延期理由は、言い訳に過ぎない、と指摘する関係者。これはすごい発言。
監査法人は変わったばかり。確かにいきなり莫大な損失が表面化するというのも、ちょっと微妙な話。
15年から決算見直しを求めているという点については、ありえない話ではないでしょう。
実際のところどうなのか、今後の動きに要注目です。
[更新] 東芝、四半期決算は監査意見なしで発表することに。とりあえず延期ではないものの、監査意見がないという状況。東芝は継続企業の前提に疑義を生じさせるような事象または状況が存在と注記。
4月11日。
東芝は、決算発表に踏み切りました。ただ、監査意見なしという厳しい状況での発表を決断しました。
継続企業の前提に疑義を生じさせるような事象または状況が存在と注記もしています。