野村不動産のサ高住戦略、なかなか興味深い。

 

今回のテーマはあの野村不動産がサービス付き高齢者住宅に参入するという話。いちよう念のためですが、サービス付き高齢者住宅は「サ高住」と言われることが多く、読み方は「サコウジュウ」と読みます。

 

野村不動産がサービス付き高齢者住宅(サ高住)事業に参入。健康増進サービス提供が特長。野村不動産は今後10年で40棟、合計5千戸分の供給を目指す。

日経新聞によると、野村不動産がサービス付き高齢者住宅に参入するとのこと。

 

1人または夫婦で暮らす高齢者らを対象にした賃貸住宅で、健康増進を目指すエクササイズ提供が特徴とのこと。今後10年で40棟、合計5千戸分の供給を目指すとのこと。

 

  • 野村不動産はサービス付き高齢者住宅(サ高住)事業に参入する

  • 1人または夫婦で暮らす高齢者らを対象にした賃貸住宅で、健康増進を目指すエクササイズを提供するのが特徴

  • 今後10年で40棟、合計5千戸分の供給を目指す

 

 

考察: 野村不動産がサービス付き高齢者住宅(サ高住)参入で、2つの大きな特徴

さて、今回の野村不動産のサ高住参入にあたり、強調したい2つの興味深いポイントがあるので、これを中心に考察してみましょう。

 

1. 野村不動産のサ高住では、健康増進を目指すエクササイズを提供する
2. 野村不動産はこれまで自社開発した分譲マンション周辺にサ高住を建設していく

 

1. 野村不動産のサ高住では、健康増進を目指すエクササイズを提供する。
建物内部に運動用のスタジオを設け、スポーツクラブのメガロスの指導員に指導してもらう。

まず1つ目の特徴。

 

野村不動産は「健康」に注目し、サ高住で高齢者に健康増進エクササイズを提供するという付加価値をつけようとしています。しかもけっこう本格的な話。

 

上記日経新聞によると、建物内部には運動用のスタジオを設けるとのこと。グループでスポーツクラブのメガロスの指導員らがスタジオで指導。入居者は週4日、1日1時間分のサービスを受けられるとのこと。

 

将来の介護需要にも備え、デイサービスも受けられるようにするとのこと。健康志向の高まりを背景に、高齢者らの潜在需要を取り込むとのこと。

 

  • 建物内部には運動用のスタジオを設ける

  • グループでスポーツクラブのメガロスの指導員らがスタジオで指導

  • 入居者は週4日、1日1時間分のサービスを受けられる

  • 将来の介護需要にも備え、デイサービスも受けられるようにする

  • 健康志向の高まりを背景に、高齢者らの潜在需要を取り込む

 

時代の流れに合わせ、「健康」に注目。スタジオを設け、メガロスの指導員を呼んで高齢者に運動指導をしてもらうという、けっこう本格的な話です。

 

そして、運動量は、週4日、1日1時間

 

自分より運動時間が多いかもしれない。そう思われた方も中にはいるかもしれません。元気な高齢者も多いでしょうし、健康でいたい高齢者は関心を示すことでしょう。

 

 

2. 野村不動産はこれまで自社開発した分譲マンション周辺にサ高住を建設していく。分譲マンションとの相乗効果が狙えるか。

さて、今回のもう1つの興味深い点。それは、野村不動産が、サ高住を分譲マンション周辺に建設していくという点。これは野村不動産の戦略です。

 

上記日経新聞によると、同社はこれまで自社開発した分譲マンションの周辺にサ高住を建設していく方針とのこと。子世帯と近くで暮らしたい親らの需要が取り込めるとみるとのこと。

 

  • 同社はこれまで自社開発した分譲マンションの周辺にサ高住を建設していく方

  • 子世帯と近くで暮らしたい親らの需要が取り込める

 

 

野村不動産といえば、「分譲」が一番の強みです。

 

そして、野村はこれまで開発してきた分譲マンションを持っているわけで、ここに多くの入居者がいるわけです。

 

その近くにサ高住を建てる

 

分譲マンションに住んでる人からしてみれば、近くのサ高住に親が住むことで、いつでもすぐ様子を見に行くことができる。

 

野村不動産は一石二鳥でしょう。うまくやれば、サ高住と分譲マンション、両方の需要喚起につながる可能性があるわけです。野村不動産のような大手だからこそできることです。

 

今回、野村不動産は、REITも活用しようとしています。

 

スポンサーリンク

上記日経新聞によると、サ高住の供給数を一気に増やすため、開発物件を自社の不動産投資信託(REIT)に売却その資金を元に新規のサ高住を建設する考えとのこと。

 

同社はマンション市況の悪化を背景に収益性の高い分譲マンションの事業だけでなく、賃貸住宅の開発にも力を入れるとのこと。賃貸物件であれば安定的な賃料収入のほか、REITへの物件の売却益も見込めるとしているとのこと。

 

  • サ高住の供給数を一気に増やすため、開発物件を自社の不動産投資信託(REIT)に売却

  • その資金を元に新規のサ高住を建設する考え

  • 同社はマンション市況の悪化を背景に収益性の高い分譲マンションの事業だけでなく、賃貸住宅の開発にも力を入れる

  • 賃貸物件であれば安定的な賃料収入のほか、REITへの物件の売却益も見込めるとしている

 

野村不動産といえば分譲でよりよく知られていますが、今回のサ高住の件もそうですが、賃貸住宅にも力を入れていきたいという姿勢をみてとることができます。

 

さて、最後に、野村不動産のサ高住第1弾の場所、値段などについて確認しておきましょう。

 

 

野村不動産のサ高住、第1弾はJR総武線の船橋駅(千葉県船橋市)から徒歩15分の場所に地上6階建てのサ高住を建設。いつ野村不動産はサ高住を開業するのか、野村不動産のサ高住の料金は。

上記日経新聞によると、第1弾として、JR総武線の船橋駅(千葉県船橋市)から徒歩15分の場所に地上6階建てのサ高住を建設するとのこと。

 

総戸数は約120戸で10月の開業を目指すとのこと。毎月の家賃は20平方メートルで10万円程度に設定。このほか、エクササイズを受けるためのサービス料などとして、11万円ほどの料金も徴収する計画とのこと。

 

  • 第1弾として、JR総武線の船橋駅(千葉県船橋市)から徒歩15分の場所に地上6階建てのサ高住を建設する

  • 総戸数は約120戸で10月の開業を目指す

  • 毎月の家賃は20平方メートルで10万円程度に設定

  • このほか、エクササイズを受けるためのサービス料などとして、11万円ほどの料金も徴収する計画

 

野村不動産のサ高住は盛り上がるのか、要注目です。

スポンサーリンク