沢井製薬が動いた。
今回は沢井製薬が米国のジェネリック医薬品メーカーを買収するという話。けっこうな買収金額で、かなり勝負にきた感があります。
沢井製薬が米ジェネリック医薬品メーカーのアップシャー・スミス・ラボラトリーズを1175億円で買収
沢井製薬の発表によると、沢井製薬は米ジェネリック医薬品メーカーであるアップシャー・スミス・ラボラトリーズを買収するとのこと。買収額は1175億円。
豆知識: 沢井製薬が買収するアップシャー・スミス・ラボラトリーズとは。1919年創業の米ジェネリック医薬品メーカー。沢井製薬よりも歴史がある会社。
沢井製薬が買収するこの会社、いったいどんな会社でしょうか。
沢井製薬の発表から4つ特徴を示すと、下記のとおり。
- アップシャー・スミス・ラボラトリーズは1919年創業
- 米ジェネリック医薬品メーカー
- ファミリー経営
- 経口固形製剤を中心とした 約30 品目の多様な製品ポートフォリオ及び 30 品目を超えるパイプライン製品を有している
1919年創業ということで、沢井製薬よりさらに歴史がある会社。歴史がある会社でファミリー経営なんで、なかなか買収対象としてはおもしろいかと思います。
ちなみに沢井製薬だって上場企業ではあるものの、澤井ファミリーが経営をがっちり握ってます。
その意味で、ファミリー経営の米ジェネリック製薬会社と意気投合したのかもしれません。
なお、パイプラインを30品以上有しているというのに注目。うまくやれば、米国市場でさらなる拡大が見込めます。
沢井製薬には今後、さらに研究開発にたっぷり金を投じてもらい、いくつかおもしろいものを世に出してもらいたいものです。
考察: 沢井製薬の米ジェネリック医薬品メーカー買収、米国はジェネリック医薬品が普及している。沢井製薬は本場の米国でジェネリックを大きくやろうとしているのか。なぜ沢井製薬はアップシャースミスラボラトリーズを買収するのか。
ジェネリック医薬品は日本でも伸びてますが、日本の比にまったくならないほど普及しているのが米国です。ジェネリックの本場は米国。
だから米国で本格的にジェネリックをやりたいというのは、納得できる話。
さらに、日本政府もジェネリック医薬品普及に前向きです。ここも沢井製薬の今回の動きを加速させたわけです。
上記沢井製薬の発表によると、沢井製薬は、日本政府の「骨太の方針 2015」にある、ジェネリック医薬品の数量シェアを「2018 年度から 2020 年度末までの間のなるべく早い時期に 80%以上」にするとの方針が掲げられたことを受け、2016 年 8 月に修正発表した中期経営計画「M1 TRUST 2018」において、ジェネリックシェア 80%時代に対応した 安定供給能力とコスト管理能力の強化を進めてきたとのこと。
米国市場の基盤構築のため、沢井製薬は2017 年 2 月 10 日に日本のジェネリック専業メーカ ーとして初のパラグラフⅣによる承認を取得しているとのこと。
今回の買収合意により、沢井製薬は USL を通じて本格的な米国市場進出を果たし、今後は、これまでに 蓄積してきた知財戦略や製剤技術力及び USL の米国国内の販売網、生産設備、ブランド力を活用しなが ら一体となって米国事業を展開することになるとのこと。
米国においてジェネリック医薬品の研究開発、製造、販売を手掛ける USL は 1919 年の創業以来、人々 の生活を向上する高品質な医薬品を提供することに注力しています。USL は、経口固形製剤を中心とした 約 30 品目の多様な製品ポートフォリオ及び 30 品目を超えるパイプライン製品を有し、米国のジェネリック 市場において揺るぎない地位を築いています
沢井製薬は、日本政府の「骨太の方針 2015」にある、ジェネリック医薬品の数量シェアを「2018 年度から 2020 年度末までの間のなるべく早い時期に 80%以上」にするとの方針が掲げられたことを受け、2016 年 8 月に修正発表した中期経営計画「M1 TRUST 2018」において、ジェネリックシェア 80%時代に対応した 安定供給能力とコスト管理能力の強化を進めてきました
米国市場での基盤構築の強化にも取り組んでおり、2017 年 2 月 10 日に日本のジェネリック専業メーカ ーとして初のパラグラフⅣによる承認を取得
沢井製薬は USL を通じて本格的な米国市場進出を果たし、今後は、これまでに 蓄積してきた知財戦略や製剤技術力及び USL の米国国内の販売網、生産設備、ブランド力を活用しなが ら一体となって米国事業を展開
沢井製薬は米国でパラグラフⅣによる承認を取得。既に米国にも目が向いています。
沢井製薬が本格的に米国市場に進出します。沢井製薬はジェネリック普及の波に乗れるか、要注目です。