今回は、SBI証券と楽天証券が、NECと組んで、AIで不正取引監視するという実証実験を始めるという話。
そもそも、高速取引が普及している時代、人が監視するだけで不正に対応できるわけがありません。よって、今後はAIの活用が進むのは間違いないといえます。
SBI証券と楽天証券は実証実験に動くということでグッドですが、ぜひ他の証券会社も早いうちの対応をお願いしたく思います。
あと、下記で書くように、見せ玉だけでなく、フロントランニングの監視もばっちりしてくれるAIが完成することを希望したく思います。証券会社としても、コンプライアンス違反の監視ができるようになれば、顧客からの信頼も得ることができるといえます。
SBI証券と楽天証券が、相場操縦など不正な取引を監視する人工知能(AI)の導入に向け、近くNECとそれぞれ実証実験に乗り出す
8日の日経新聞によると、SBI証券と楽天証券は、相場操縦など不正な取引を監視する人工知能(AI)の導入に向け、近くNECとそれぞれ実証実験に乗り出すとのこと。今年度内の実用化を目指すとのこと。
証券会社の取り組みとしては初めてとなるとのこと。証券業界でAIを投資だけでなく、監視に活用する動きが広がってきたとのこと。証券業界では日本取引所グループがNECや日立製作所などと連携して不正取引を検出するAIの導入準備を進めているとのこと。
SBI証券と楽天証券は、相場操縦など不正な取引を監視する人工知能(AI)の導入に向け、近くNECとそれぞれ実証実験に乗り出す
今年度内の実用化を目指す
証券会社の取り組みとしては初めてとなる
証券業界でAIを投資だけでなく、監視に活用する動きが広がってきた
証券業界では日本取引所グループがNECや日立製作所などと連携して不正取引を検出するAIの導入準備を進めている
AIで不正取引監視、高速取引が普及した時代に、人の監視だけで間に合うわけがない。今後はAIでの不正取引監視が主流になる。
そもそも、現在は高速取引が普及した時代。
板を観察していて、今が買い時なんて思ったとしても、その瞬間にはアルゴリズムが既に買いに入っているような時代。中には、そんな馬鹿な的な動きもあったりするわけです。
こんな状況下で、不正を人の力だけに任せるのは無理があるのは当然といえます。よって、AIが登場するのは当然の流れであり、この流れは普及していくでしょう。
上記日経新聞によると、これまで証券会社では不正な取引を監視・発見する売買審査は人が行ってきたとのこと。SBI証券の場合は1日あたり200万件の注文件数があり、このうち審査の対象になるのが10万件というとのこと。
AIが導入されれば監視・審査は任せて、高度な判断が求められる作業に人手を割けるため、効率化を図れるとのこと。さらに高速取引などの普及によって複雑化する不正取引について、監視・発見の精度をAI活用で高めたい考えとのこと。
これまで証券会社では不正な取引を監視・発見する売買審査は人が行ってきた
SBI証券の場合は1日あたり200万件の注文件数があり、このうち審査の対象になるのが10万件という
AIが導入されれば監視・審査は任せて、高度な判断が求められる作業に人手を割けるため、効率化を図れる
さらに高速取引などの普及によって複雑化する不正取引について、監視・発見の精度をAI活用で高めたい考え
AIで不正取引監視、見せ玉だけでなく、フロントランニングの不正チェックもできるようにし、証券会社はコンプライアンス違反に応用できるようにしてほしい。
で、今回大きなチェック項目となるのは、「見せ玉」。
上記日経新聞によると、主に、虚偽の注文を大量に出し、取引が成立する前に注文を取り消す「見せ玉」などが審査対象となるとのこと。
主に、虚偽の注文を大量に出し、取引が成立する前に注文を取り消す「見せ玉」などが審査対象となる
現に、見せ玉っぽいのには頻繁に遭遇しますね。さっきまであった大量の注文が一瞬で消えたなんていう状況。こういう怪しい動きが監視対象となるのは当然の流れといえます。
見せ玉のチェックをするのは当然として、あとやはり、フロントランニングのチェック、これもぜひAIでチェックしてもらいたいところ。
フロントランニングをご存知ない方にごく簡単に説明すると、投資家(顧客)が証券会社に(大量の)注文を入れるとします。で、証券会社が、この顧客の注文の前に、自分の注文を先に出してしまうという手法のことです。
要するに、顧客が何を注文したかを証券会社が分かっているから、この情報を持ったうえで、これに合わせる形で自分の注文を出し、簡単に儲けてしまうという話。顧客(投資家)はもちろん損をします。
そんなバカな、みたいな話ですね。フロントランニングは金融商品取引法で禁じられてるわけですが、現実世界では存在するという噂は常にありますね。
証券会社には、自社のコンプライアンス違反をチェックする意味と、顧客を安心させる意味も込めて、ぜひこのようなAIでのフロントランニング防止プログラムも取り入れていただきたいところ。
AIで不正取引監視、AIに過去の不正取引の事例を学習させ、NECの持つAI技術を活用し、実証実験をする。
上記日経新聞によると、過去に不正取引とみなされた事例をAIに学習させ、注文情報や株価の値動き、売買代金などのデータをもとに不審な取引を抽出する仕組みとのこと。NECの持つAI技術を活用し、実証実験でその効果が確認できれば実用化に踏み切るとのこと。
過去に不正取引とみなされた事例をAIに学習させ、注文情報や株価の値動き、売買代金などのデータをもとに不審な取引を抽出する仕組み
NECの持つAI技術を活用し、実証実験でその効果が確認できれば実用化に踏み切る
今回、SBIと楽天証券がこのような実証実験を始めるわけですが、他の証券会社にも早いうちにぜひこのような不正チェックの動きに乗っていただきたいところです。
AIで不正取引監視のゆくえは。要注目です。